■年収600万円世帯のリアルに迫る
旅行やレジャー費、子どものお昼ごはん代など出費が増える夏。
一方で食料品や電気代が値上げされており、この夏の出費を心配する方も多いでしょう。
そうなると平均年収よりちょっと上の世帯がうらやましく思うもの。
国税庁の「令和2年(2020年)分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は約433万円。
出典:国税庁「令和2年(2020年)分民間給与実態統計調査」
年収400万円台の方は全体の14.6%です。
それよりちょっと上、年収600万円台の方は6.5%と半分以下になります。
「年収600万円くらいあるといいな」と思われる方に向けて、年収600万円世帯のリアルをご紹介します。
■「年収600万円」の働く世帯は貯蓄を平均いくら持っているか
まずは総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果(二人以上の世帯)」より、年収600万円台の勤労世帯の平均貯蓄額とその内訳をみていきましょう。
■年収600万円~650万円の勤労世帯
平均貯蓄額:1119万円
- 通貨性預貯金:421万円
- 定期性預貯金:299万円
- 生命保険:245万円
- 有価証券:124万円
- 金融機関外:30万円
■年収650万円~700万円の世帯
平均貯蓄額:1128万円
- 通貨性預貯金:455万円
- 定期性預貯金:310万円
- 生命保険:224万円
- 有価証券:112万円
- 金融機関外:28万円
年収600万円世帯の平均貯蓄は1000万円を超えました。
「うらやましい」「うちはそんなにない」という方もいるかもしれませんね。
この世帯の家族のようすも確認します。
■年収600万円~650万円の勤労世帯
- 世帯人員:3.24人(うち18歳未満人員:1.00人)
- 世帯主の年齢:48.4歳
- 女性の有業率:53.7%
- 持ち家率:76.9%
■年収650万円~700万円の世帯
- 世帯人員:3.37人(うち18歳未満人員:0.95人)
- 世帯主の年齢:50.1歳
- 女性の有業率:62.0%
- 持ち家率:79.1%
貯蓄は家族の人数やお子さんの年齢、年代によっても大きく左右されます。
今回の平均をみると40代後半~50歳のため、お子さんは中高生の方が多いと考えられるでしょう。
女性の有業率も半数を超えており、共働きで世帯年収600万円が多いようです。
■「年収600万円」負債はいくら?「貯蓄1000万円超」で安心か
同調査より、年収600万円世帯の負債も確認します。
■年収600万円~650万円の勤労世帯
840万円(住宅・土地のための負債768万円)
■年収650万円~700万円の世帯
810万円(住宅・土地のための負債758万円)
両方とも住宅ローンと考えられる負債が800万円ほどありました。
貯蓄1000万円以上と余裕がある印象ですが、家計のバランスシートをみると負債が占める割合も大きいもの。
また、これから大学などへ進学予定のお子さんがいるため、大学費用で貯蓄が大きく減る可能性もあります。
加えて、老後資金は2019年に年金以外に2000万円必要と言われています。
「人生三大支出」を考えると、50歳時点で1000万円あっても安心とはいえないでしょう。
■収入と支出の差をいかに減らすか
人生三大支出の中でも、住宅ローンや教育費はどうにかなっても、老後資金に不安を感じる方は少なくありません。
老後2000万円問題とはどのような内容になっているでしょうか。
出典:金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成
高齢夫婦無職世帯のひと月の収支で約5万5000円が赤字となり、老後を30年間と仮定すると約2000万円足りないという計算です。
上記は一例ですので、ご家庭により必要金額は異なります。できるだけ「老後の収入と支出の差」を減らすことが大切といえるでしょう。
老後の収入の柱は公的年金です。ねんきん定期便などで、ご自身の受給予定額などを確認して老後のマネープランを立てるといいでしょう。
また、老後の支出を減らす工夫も、できれば早いうちから想定しておきたいところ。生活は急には変えられませんから、年金生活となっても生活できるよう、まずは固定費などから見直していくといいでしょう。
■お金に働いてもらう手段も考える
年収600万円世帯の暮らしをみてきましたが、実際にすぐに年収が上がるわけではありません。
転職やスキルアップ、共働きなどですぐに年収を上げることが難しい場合には、資産運用でお金に働いてもらう方法もあります。
国は運用益が非課税になるつみたてNISAやiDeCoといった制度を用意しています。リスクはありますが、これらの制度をうまく活用して老後に備えるのは有効な手段の一つでしょう。
現代は年金だけでは老後生活できないと言われており、何かしらの準備が必要です。低金利で預貯金だけではお金が増えない今、運用を考えるのは賢明とも言えそうです。
リスク許容度はご家庭によっても異なりますから、まずは情報収集をして、じっくり検討されるとよいでしょう。
■参考資料
- 国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」(令和3年9月)( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf )
- 総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」(2022年5月10日)( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/index.html )

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