■ 「国民年金保険料の滞納」「住宅ローン控除」など7つをおさらい



iDeCoで損する人が見落としがちな点7つ。特に注意したい確...の画像はこちら >>

2022年7月1日、iDeCo公式サイトより最新のiDeCo加入者数等が公表されました。

こちらによると、2022年5月の新規加入者数は約4万4000人で、累計加入者数は246万3000人に達したとのことです。



ここまで人気が出たのには、低金利が続く日本において「預貯金ではお金が増やせない」こと、さらには「老後不安の増大」などが影響していると考えられます。

一方で、「人気だから」「流行っているから」「国が勧めているから」という理由だけで、安易にiDeCoを始めることはおすすめできません。



今回はiDeCoについて「見落とすと損するポイント」をご紹介します。デメリットもしっかり把握した上で検討しましょう。



■iDeCoのポイント1. 国民年金保険料が未納だとiDeCoの掛金が払えない



iDeCoとは個人型確定拠出年金の略称で、原則として20歳から60歳までの人が加入できます。



加入資格ごとに決められた上限金額(月額1万2000円~6万8000円)の中で掛金額を決め、運用商品を選んで運用していきます。



原則60歳以降に、公的な年金にプラスして受け取れるiDeCo。そのため公的な年金とは切り離して考える方もいますが、実は連動している点があります。



個人年金規約の第32条によると、国民年金の被保険者資格と保険料の納付状況は毎月照合されており、年金保険料が納付されていないことがわかれば、iDeCoに拠出した金額が還付されてしまうのです。



還付には手数料が発生してしまうため、知らずにいると損をしてしまうでしょう。



もし国民年金保険料を納付できない期間が予めわかっているのであれば、前もってiDeCoの休止手続きをすることが必要です。



ただし、休止している間も手数料がかかることは注意しましょう。

こうしたリスクを予め把握し、日々の生活を圧迫しない掛金で設定することが重要です。



■iDeCoのポイント2. 転職するとiDeCoの掛金上限額が変わることも



iDeCoでは、国民年金の第1号被保険者~第3号被保険者によって掛金の上限額が異なります。



また勤め先で企業型DCの制度があるかによっても左右されるため、転職によって掛金額が変更となる可能性もあります。



掛金から老後資金のプランを考えている方は、転職によってどれほどの影響が出るのかも試算しておくといいでしょう。



iDeCoで損する人が見落としがちな点7つ。特に注意したい確定拠出年金のポイント

出所:iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格等」



さらに転職や退職をしたときは、iDeCoで運用した資産を移換する手続きも必要です。こうした持ち運び(ポータビリティ)ができるのはiDeCoの魅力であるものの、手続きが複雑なことに注意が必要です。



特に、下記の例のように公的年金の加入資格が変わるときには注意しましょう。



  • 会社員から自営業になる
  • 専業主婦から会社員になる
  • 専業主婦から自営業になる

もし手続きを忘れてしまうと、掛金の引き落としは一旦ストップされます。あとから手続きすれば再開されるものの、ストップしていた間の追納ができません。



運用成果や拠出期間のカウントにも影響するため、損しないためにも手続き漏れには注意が必要です。



■iDeCoのポイント3. 預貯金と違い元本割れリスクも



iDeCoには「初心者でも安心」というフレーズが使われることがあります。しかしあくまでも資産運用である以上、元本割れリスクがゼロではありません。



金融商品を自分で選ぶことになるため、あらかじめ投資の知識を身につけておくことが必要なのです。



どうしても元本割れリスクを避けたい場合は「元本確保型」の商品を選びましょう。ただし、この場合は多くのリターンが望めません。また、預貯金と異なり、必ずしも元本保証があるものではありません。



また次の章で解説しますが、iDeCoには手数料がかかります。運用で得た利益が手数料を下回った場合、元本確保型の商品では元本割れする可能性があるでしょう。



どちらのリスクをとるのかを事前に検討することが大切です。



■iDeCoのポイント4. 見落としがちな手数料



iDeCoには3つの税制優遇があることから、資産運用の中でもかなり魅力が高いと言われます。



ただし、下記の手数料がかかる点は注意しておきましょう。



■国民年金基金連合会の手数料



  • 加入・移換時手数料(初回1回のみ):2829円
  • 加入者手数料(掛金納付の都度):105円
  • 還付手数料(その都度):1048円

■運営管理機関の手数料



  • iDeCoの運用上必要となる手数料:各金融機関で異なる

手数料は取扱金融機関で異なるため、知らずに手数料が高い運営管理機関を選ぶと手数料負けで損をする可能性があります。

始める前には十分に検討しましょう。



■iDeCoのポイント5. 60歳まで解約できない



iDeCoは老後資産の形成手段であるため、原則は60歳まで解約することができません。

つまり、途中で資金を引き出すことができないのです。



原則は60歳ですが、加入年数によっては60歳を過ぎてもさらに引き出せないこともあります。



iDeCoで損する人が見落としがちな点7つ。特に注意したい確定拠出年金のポイント

出所:iDeCo公式サイト「加入者の方へ」



長い期間資産を引き出せないことを考えると、経済的に苦しくなったときに支払いが困難になるケースもあります。

「iDeCoに入って損した」「iDeCoが当初思っていたのと違った」と後悔することがないよう、長期の運用を見据えた掛金の設定が必要です。



■iDeCoのポイント6. 所得控除には申告が必須



iDeCoの魅力として「所得控除」が挙げられます。掛金の全額が所得控除となるため、所得税や住民税が軽減されるというものです。



しかし、自動的に適用されるわけではありません。こうした所得控除は自分で申告する必要があるため、何もしないままでは損してしまうのです。



会社員の方は年末調整で、自営業の方は確定申告で所得控除の申請をしましょう。



■iDeCoのポイント7. 住宅ローン控除との併用では節税効果が薄くなることも



住宅ローンを組んで住宅を購入した場合、10年間は年末の住宅ローン残高の1%、11~13年目は「年末残高×1%※」か「建物価格×2%÷3年」の低い方の額が所得税から引かれます。

※2022年度税制改正後は0.7%



住宅ローン控除は税金から引かれる「税額控除」であるのに対し、iDeCoは「所得控除」なので先に計算されます。

そのため、iDeCoと併用する場合は住宅ローン減税が上限まで受けられない可能性もあるのです。



当然上限を上回る金額は控除できないため、節税効果は薄くなってしまいます。



iDeCoで損する人が見落としがちな点7つ。特に注意したい確定拠出年金のポイント

出典:国税庁資料等を参考にLIMO編集部作成



■まとめにかえて



iDeCoについて、見落としていると損をするポイント7つを見ていきました。流行っているからと調べずに始めるのではなく、こうしたポイントはしっかり押さえておきましょう。



一方で、iDeCoには預貯金にないメリットがあるのも事実です。低金利の今、銀行にお金を置いておくのがもったいないと感じる方も多いでしょう。



また資産運用の中でも、他の選択肢に比べたメリットがiDeCoにはあります。掛金の拠出時に税制優遇が受けられるだけでなく、運用時、受取時にも税制優遇があるのは魅力的ですよね。



どんな制度にもメリットとデメリットがあります。正しく情報収集することで、自分にあった方法を見つけていきましょう。



■参考資料



  • iDeCo公式サイト「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」( https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/number_of_members_R0405.pdf )
  • iDeCo公式サイト「個人年金規約_2022年5月版」( https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/GA-001.pdf )
  • iDeCo公式サイト「転職・退職された方へ」( https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/ )
  • iDeCo公式サイト「加入者の方へ」( https://www.ideco-koushiki.jp/join/ )
  • 国土交通省「住宅ローン減税」
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