7月も終わりを迎えようとしています。2022年の目標に「お金を貯める」と掲げていた方は、今の時点で進捗を確認してみてはいかがでしょうか。
世界と比較すると、まだまだ資産運用に対して抵抗の多い日本ですが、「老後2000万円問題」を皮切りに、少しずつ資産運用を取り入れている方が増えてきています。
国としても「つみたてNISA」や「iDeCo」といった金融商品で税優遇がなされたり、2022年4月からは高校の授業でも「お金の授業」が始まったりと、かなりの力の入れようです。
国としても老後に対して危機感を感じている現れなのでしょうか。
今回は老後に向けた貯蓄をテーマに、日本人の70歳代の平均貯蓄額や、将来必要な貯蓄額、そして貯蓄を増やすための投資・資産運用のコツについてもご紹介します。
■70歳代の貯蓄額の平均とは
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、70歳以上の貯蓄平均値と中央値は以下の通りです。
- 平均:2209万円
- 中央値:1000万円
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:3.8%
- 200~300万円未満:3.1%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:2.0%
- 500~700万円未満:5.4%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:11.9%
- 3000万円以上:22.1%
- 無回答:2.6%
上位の富裕層の資産が大きく平均を引き上げている可能性があるので、70歳代以上の世帯のいわゆる「ふつう」の金融資産額は、中央値の1000万円が現実的だと言えるでしょう。
2019年には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、「2000万円以上」の資産を準備できている世帯は3割程度しかいないことがわかります。
また1000万円以上を保有できている世帯は約半分です。
「金融資産を保有していない」という層も2割近くとなっており、70歳代の中でもその格差はかなり大きいものとなっています。
■老後2000万円問題をおさらい
一時期話題となった老後2000万円問題について、金融審議会「市場ワーキンググループ(第21回)厚生労働省提出資料」より、実態を探っていきます。
■高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)のケース
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約5万5000円
老後必要額=5万5000円×12カ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円 ※約2000万円
これが「老後2000万円」といわれる根拠でした。ただし、この計算式で注意したいことが3つあります。
- 介護費用が含まれていない
- 住居費は1万3656円で計算されている
- 収入と支出はひとそれぞれ
上記3点は大きな影響を及ぼすものです。家庭環境や生活環境によっては、更に注意項目が増える場合も考えられます。個々で正確な将来資金のシミュレーションをしておいたほうが良いでしょう。
シミュレーションした結果、2000万円だけでは足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
■将来の資産、どう増やせば
老後の資産準備はほとんどの場合、数千万円単位になることが想定されます。老後資金の準備を検討されている方のために、老後に向けて大きな資産をつくる際の3つのポイントをお伝えします。
■世界株式への投資
投資するうえでは、「その資産に成長性はあるか?」というのがポイントとなってきます。
一般的には、成長性の高い資産はリスクも同様に高くなりますが、それでも高いリターンを狙うのであれば、そのリスクを取ることが重要となってきます。
先進国は経済成長が熟しつつある一方、新興国も含めた「世界株式」というくくりでは、より高い成長性が期待できるでしょう。
■長期積立による長期運用
次に重要なのが、「長期・積立・分散」です。
金融商品の価格が日々変動することでリスクは生まれます。このリスクをいかに最小限に抑えることができるかが鍵となってきます。
一方、定期的に積立投資する場合は、価格が高い時には少量、価格が低い時には多量に買い付けます。
このように取得するタイミングを分散させることで購入単価が均され、値動きの影響を受けにくくなります。
また、投資は長期目線で継続することにより、成長性と安定性がうまく調和されていきます。効率良く、より安全に資産を増やしていくために、上手なリスク回避をしていきましょう。
■投資と保障のバランス
最後に、「保障」と書かせていただきましたが、これは主に「保険」を意味します。「なんで資産形成に保険が関係あるの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
積立投資を長期で実践する場合、定期的な収入が前提となります。
積立に必要な資金がなくなった場合、資産運用そのものが継続できなくなってしまいます。ケガや病気など、いつ何が原因でみなさんの収入がなくなってしまうかはわかりません。
ケガや病気などのリスクに備え、「万が一の場合でも、資産運用を継続できる」環境を整えてあげましょう。
■老後に向けた貯蓄はお早めに
いかがだったでしょうか。
今回は現在の70歳代の資産事情を御覧頂いた上で、老後資金の準備をご紹介させていただきました。
「まだ先のこと」と感じる方もいらっしゃるとは思いますが、早ければ早いほど商品の選択肢が多く、月々の積立額が少額で済むメリットがあります。
2022年の後半戦でつまずかないように、一度足を止めて、じっくり将来について考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/ )
- 厚生労働省「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」( https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190412/02.pdf )

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