■定年後65歳のために「資産運用」で貯蓄を増やす



65歳以上「無職世帯」の平均貯蓄額の実態。老後「2000万円...の画像はこちら >>

日本証券業協会は2022年7月20日、政府が掲げる資産所得倍増プランについて、NISAの恒久化などを盛り込んだ提言をしました。

資産所得倍増プランは、預貯金を多く持つ高齢者に投資を促し、「貯蓄から投資へ」の流れをつくる狙いがあるようです。



では、65歳以上無職世帯の貯蓄事情の実態はどうなのでしょうか。



私は以前、生命保険会社に勤務し、数多くのお客さまから老後のお金の相談を受けてきました。

その経験もふまえ、今回は65歳以上の無職世帯で「老後資金2000万円」以上を持つ世帯の割合を確認しながら、セカンドライフに向けたお話をしていきたいと思います。



■1. 65歳以上の無職世帯の貯蓄事情



では早速、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上の無職世帯の貯蓄額を見ていきましょう。



■1.1 世帯主が65歳以上の無職世帯



  • 貯蓄現在高:2342万円(前年比2.2%増)

〔内訳〕



  • 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
  • 定期性預貯金:924万円(39.5%)
  • 生命保険など:403万円(17.2%)
  • 有価証券:388万円(16.6%)
  • 金融機関外:4万円(0.2%)

このように、データ上は預貯金など安定性の高い資産を中心に保有していることがわかりました。また、2019年に話題となった「老後2000万円問題」の水準もクリアできているようです。



■2. 老後は「2000万円」必要なのか



そもそもこの「老後2000万円問題」ですが、本当に老後に2000万円必要になるのでしょうか。「老後2000万円問題」について、金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料)をもとに紐解いていきましょう。



「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料)にある、「老後2000万円問題」の算出根拠は以下のとおりです。



65歳以上「無職世帯」の平均貯蓄額の実態。老後「2000万円」以上はあるか

出典:金融審議会「市場ワーキンググループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成



このオレンジの枠内が、「2000万円」という金額の根拠です。では、同資料内から、モデルケースとなるシニア夫婦世帯のひと月の実支出の内訳についても確認していきます。



■2.1 高齢夫婦無職世帯「ひと月の実支出」



  • 実支出:26万3718円

〔内訳〕



  • 食料: 6万4444円
  • 住居: 1万3656円
  • 水道・光熱 :1万9267円
  • 家具・家事用品: 9405円
  • 被服及び履物 :6497円
  • 保健医療 :1万5512円
  • 交通・通信 :2万7576円
  • 教育:15円
  • 教養娯楽 :2万5077円
  • その他の消費支出:5万4028円
  • 非消費支出 :2万8240円

生活の水準はひとそれぞれですが、気になる金額があると感じるのはおそらく私だけではないと思います。



特に住居費については、約1万4000円で計算されていますので、将来的にも賃貸住まいの計画をしている場合は特に気をつける必要があります。



また、介護費用もまったく加味されていません。



これらのデータをふまえると老後費用に関しては最低でも「2000万円」、思い描くセカンドライフによってはさらに上乗せして準備していく必要があると言えるかもしれませんね。



■3. 老後、公的年金だけに頼って大丈夫か



老後の生活資金は「退職金」や「公的年金」があるから大丈夫、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。



この「退職金」や「公的年金」ですが、受け取れる金額は人それぞれです。そのため、少しでも将来が気になるという方については、まずは自分がどのくらいの金額を受け取ることができるのかを「今から」確認することからお勧めします。



将来受け取れる金額、すなわち「将来の収入」が自分にとって少ないと感じた場合は「今から」準備を始めることができれば、安心してセカンドライフを迎えることができるでしょう。



とは言え、銀行などの預貯金だけでは、どれだけ時間があっても効率よくお金を増やしていくことは難しい時代となっています。



そこで視野に入れたいのが、「お金にも働いてもらう=資産運用」の活用です。冒頭で触れた、少額からの積立て投資を後押しする国の税制優遇制度、「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」の活用を検討してもよいかもしれませんね。



資産運用のポイントの1つは「時間」です。運用期間が長いほど、リスクが軽減しリターンが安定してきます。

複利の力を借りて、雪だるま式に資産を増やしていくことにも繋がります。



充実したセカンドライフに向けたお金の準備を「今から」考えてみるのはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」( https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2021_gai4.pdf )
  • 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料( https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190412/02.pdf )
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