■年収と貯蓄の関係を総務省「家計調査」から考える



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「失われた30年」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。1990年代初頭に起きた「バブル崩壊」以降日本の一般労働者の賃金は何十年も横ばい 、経済協力開発機構(OECD)の加盟国平均賃金統計によると日本は下位1/3となっています。



収入は変わらないのに物価上昇により生活が圧迫されていくという現状はまだまだ続きそうです。



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出典:国税庁「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」



国税庁の「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は433万円です。

また、厚生労働省の「令和元年(2019年) 国民生活基礎調査」では、1世帯当たり平均所得金額は552万円、中央値は437万円とされています。



今回は、「年収400万円台世帯」のお金事情をお伝えし、最後に効果的な貯蓄のコツについてもご紹介します。



■年収400万円台世帯「貯蓄」はどのくらいか



まず、「年収400万円台」の勤労世帯の貯蓄事情を見ていきましょう。



総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にします。



※四捨五入の関係で、各項目の合計と「平均貯蓄額」は一致しない場合があります。



■年収400万~450万円(平均年収…426万円)勤労世帯



平均貯蓄額:912万円



〈貯蓄の内訳〉



金融機関…897万円



  • 通貨性預貯金:317万円
  • 定期性預貯金:303万円
  • 生命保険など:225万円
  • 有価証券:52万円

金融機関外…15万円



■年収450万~500万円(平均年収…474万円)勤労世帯



平均貯蓄額:784万円



〈貯蓄の内訳〉



金融機関…765万円



  • 通貨性預貯金:277万円
  • 定期性預貯金:237万円
  • 生命保険など:157万円
  • 有価証券:94万円

金融機関外…19万円



貯蓄の内訳を見ると、いずれも約6割以上を預貯金が占めています。なんとなく金融機関にあずけているという世帯が多いかもしれませんね。



次項では、貯蓄と負債をセットにしながら見ていきましょう。



■年収400万円台世帯「負債」はどのくらいか



同調査から、年収400万円世帯の負債額について確認します。



■年収400万~450万円世帯の負債



  • 平均負債額・・・521万円
  • 平均負債額のうち「住宅・土地のための負債」・・・486万円

■年収450万~500万円世帯の負債



  • 平均負債額・・・693万円
  • 平均負債額のうち「住宅・土地のための負債」・・・652万円

年収400万円台の負債のほとんどが、住宅ローンなどの「住宅・土地のための負債」です。



ちなみに、「住宅・土地のための負債」が負債全体に占める割合は、年収400万~450万円、年収450万円~500万円世帯ともに9割以上です。



貯蓄と負債、つまりプラスマイナスの資産はセットにして考える必要があります。

先述の「平均貯蓄額」から「負債額」を差し引いた「純貯蓄額」をみていきましょう。



■年収400万~450万円世帯の純貯蓄額



  • 912万円(貯蓄)-521万円(負債)=391万円

■年収450万~500万円世帯の純貯蓄額



  • 784万円(貯蓄)-693万円(負債)=91万円

貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額は、「年収400万~450万円世帯」の場合で391万円、「年収450万円~500万円世帯」の場合は91万円です。



貯蓄額、純貯蓄額ともに、年収400万円前半世帯のほうが高くなっています。



ふたつの年収ゾーンの貯蓄額平均を単純に比較する限り、「年収が多ければ、多く貯蓄できる」とは言い切れないようです。



■ふつうの家庭でもできる、おすすめ貯蓄術



今回は、「年収が多いからといって貯蓄も多くなるわけではない」という点をデータで見ていきました。

ではここで、老後に向けて大きな資産をつくる際の3つのポイントをお伝えします。



■老後資産作りのポイント1. 世界株式への投資



投資にはリスクが伴います。そのうえでまず考えたいのは、「成長する資産のリスクを取る」という点です。

一般的には、成長性の高い資産はリスクも同様に高くなりますが、それでも高いリターンを狙うのであれば、そのリスクを取ることが重要となってきます。



先進国は経済成長が熟しつつある一方、新興国も含めた「世界株式」というくくりでは、より高い成長性が期待できるでしょう。



■老後資産作りのポイント2. 長期積立による長期運用



次に重要なのが、「長期・積立・分散」です。



金融商品の価格は日々変動しますので、大きな金額で一括で買うと、値下がりした際に大きな損を計上してしまう可能性があります。



一方、定期的に積立投資する場合は、価格が高い時には少量、価格が低い時には多量に買い付けます。



取得するタイミングを分散させることで購入単価が均され、値動きの影響を受けにくくなります。



■老後資産作りのポイント3. 投資と保障のバランス



最後に、積立投資を長期で実践する場合、定期的な収入が前提となります。



積立に必要な資金がなくなった場合、資産運用そのものが継続できなくなってしまいます。



ケガや病気など、いつ何が原因でみなさんの収入がなくなってしまうかはわかりません。



ケガや病気などのリスクに備え、保険商品で最低限の保障を備えておくのも重要です。



■年収400万円でも工夫して貯蓄を増やすには



いかがだったでしょうか。

今回は、年収400万円の家庭のお金事情について見てきました。

年収が400万円でも、工夫すれば資産を殖やすことは可能になります。



情報過多の時代、目についた金融商品に飛び込みそうになりますが、一旦立ち止まり、まずは貯蓄の目的を明確にしたうえでどういった金融商品を選ぶかをきちんと考えましょう。



長期積立てであれば、投資する期間が長ければ長いほど時間が味方してくれます。

理想のセカンドライフを見据え、一度じっくりとご自身のマネープランを考えてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/13.pdf )
  • 経済協力開発機構(OECD)「平均賃金 (Average wage)」( https://www.oecd.org/tokyo/statistics/average-wages-japanese-version.htm#:~:text=%E5%B9%B3%E5%9D%87%E8%B3%83%E9%87%91%E3%81%AF%E3%80%81%E5%9B%BD%E6%B0%91%E7%B5%8C%E6%B8%88,PPP%EF%BC%89%E3%81%A7%E8%A1%A8%E8%A8%98%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 )
  • 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況  Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf )
  • 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」第8-2表( https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032190999&result_back=1&tclass4val=0 )
  • 国税庁「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」
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