■夫婦で受給する年金とは
株式会社エイチームのグループ会社である株式会社エイチームフィナジーが2022年7月28日に公表した「円安・物価高騰に伴う家計への影響と資産形成への意識調査」によると、円安による物価の高等を受け、家計に影響を受けた人は65.3%に上りました。
人生100年時代。
近頃の一般的な定年退職は60歳~65歳ですが、「健康で働けるなら70歳くらいまでは働きたい」と、お考えの方も多いかと思います。
老後の心配といえば「老後2000万円問題」ですが、実際70歳以上ではどのくらい貯蓄されているのでしょうか。現在受給されている方の年金額についても検証していきます。
■70歳以上の「貯蓄平均」2209万円。しかし中央値は
これからの老後にみんなどのくらい準備しているか気になりますよね。
ただし、親しい仲でもお金に関してはなかなか話しづらいのではないでしょうか。
そこで、まずは70歳代以上・二人以上世帯の貯蓄額事情を見ていきます。
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、70歳以上・二人以上世帯(金融資産を保有していない世帯を含む)の貯蓄平均額は2209万円です。
出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
平均だけをみると、老後資金の目安である「2000万円」を達成できているようです。ただし平均値では一部の富裕層が引き上げている場合も考えられるので、中央値に注目してみましょう。
実は、中央値では数字が1000万円となっています。
中央値は貯蓄額が少ない順、あるいは多い順に並べたときに全体の真ん中にくる人の金額をいいます。
ここでは平均値より中央値である「1000万円」が実態に近いと言えるでしょう。
■70歳以上世帯の貯蓄分布を確認
先ほどのデータから、70歳以上世帯のうち、どのくらいの世帯がいくら貯蓄できているのか見ていきます。
金融資産を持たない世帯も含めた「年齢別金融資産保有額」より、70代の金融資産保有額もみていきましょう。
- 金融資産非保有:18.3%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:3.8%
- 200~300万円未満:3.1%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:2.0%
- 500~700万円未満:5.4%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:11.9%
- 3000万円以上:22.1%
- 無回答:2.6%
2000万円以上貯蓄がある方は、なんと3割近くいらっしゃいます。一方、300万円未満の世帯も3割近くいらっしゃるという結果です。
しっかり準備できている方とそうでない方の二極化が深刻化しています。資産の準備が足りない方は、どうしても年金に頼るほかありません。
では、実際の年金額も見ていきましょう。
■70歳以上の年金額を1歳刻みで確認
次に70歳以上が受給している年金額を1歳刻みで確認しましょう。
厚生労働省が2021年12月に公表した「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」から「国民年金」と「厚生年金」にわけてご紹介します。
■国民年金の平均年金月額
- 70歳:5万7234円
- 71歳:5万7153円
- 72歳:5万7066円
- 73歳:5万6874円
- 74歳:5万6675円
- 75歳:5万6235円
- 76歳:5万6204円
- 77歳:5万5881円
- 78歳:5万5651円
- 79歳:5万5525円
- 80歳:5万7241円
- 81歳:5万7024円
- 82歳:5万6866円
- 83歳:5万6876円
- 84歳:5万6464円
- 85歳:5万6321円
- 86歳:5万6067円
- 87歳:5万5643円
- 88歳:5万5132円
- 89歳:5万4498円
- 90歳以上:5万554円
■厚生年金(第1号)の平均年金月額
- 70歳:14万3775円
- 71歳:14万7105円
- 72歳:14万6331円
- 73歳:14万5724円
- 74歳:14万5467円
- 75歳:14万7519円
- 76歳:14万8172円
- 77歳:14万9924円
- 78歳:15万2159円
- 79歳:15万4467円
- 80歳:15万7097円
- 81歳:15万8604円
- 82歳:16万356円
- 83歳:16万851円
- 84歳:16万1719円
- 85歳:16万2711円
- 86歳:16万2887円
- 87歳:16万1929円
- 88歳:16万2660円
- 89歳:16万3514円
- 90歳以上:16万1506円
※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。
年齢が高いほど年金額は高い傾向にあります。若い方ほど、自分で老後資金を貯めることが求められるでしょう。
自営業やフリーランスの方は約5万7000円、会社員公務員の方は14万3000円を生活の柱としていくわけです。
現在のご自身の生活費と比べていかがでしょうか。ほとんどの方が足りないと感じているはずです。
やはり早い段階からしっかりと老後資金の準備はする必要がありそうです。
■夫婦2人分の標準年金は「約22万円」だが
先ほどは70代以上の貯蓄額、年金受給額を見ていきました。
夫婦の年金額は、モデルケースの場合月額約22万円とされています。
しかし、これは「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」という専業主婦世帯での試算になります(出典:日本年金機構)。
すべての人に当てはまるとは言えないでしょう。
また2000万円以上を保有する世帯は全体の3割でしたが、一方でほとんど貯蓄がない世帯も約3割となっていました。
「老後2000万円問題」をクリアしているのは3割しかいませんので、ほとんどの方が他人ごとではないはずです。
老後の対策は、なるべく早くから始めることをおすすめします。まずはどんな貯蓄方法があるのかを知り、自分に合う方法、とれるリスクなどを客観的に判断したいですね。
■参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和3年)」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/ )
- 厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」( https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2021/202104/202104nenkingaku.html )
- 株式会社エイチームフィナジー「長引く円安、止まらない物価高騰 4割以上の人が資産運用の金額に「変化があった」と回答 ~円安・物価高騰に伴う家計への影響と資産形成への意識調査~」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002184.000001348.html )

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