■「毎月3万円・20年間・年利3%」で運用するといくらになるのか試算



意外と多い「60歳代で貯蓄ゼロ」の割合を円グラフで見る。公的...の画像はこちら >>

「人生100年時代」といわれる現代、セカンドライフに対する関心は高いのではないでしょうか。

一般的には「シニア世代はお金持ち」とイメージされる方が多いかもしれませんが、実際はどうでしょう。



ちょうど夏休みやお盆休みとなり余裕も生まれるこの時期は、これまでの貯蓄やこれからの年金について改めて見直したい時期。



今回は貯蓄額や年金の受給額など60歳代のお金事情にスポットをあて、人生100年時代を考察してみます。



■【60歳代】意外と多い「貯蓄ゼロ世帯」



60代で二人以上の世帯がどの程度貯蓄を持っているのか、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」を参考に確認します。



意外と多い「60歳代で貯蓄ゼロ」の割合を円グラフで見る。公的年金の受給額もデータで確認

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成



平均:2427万円
中央値:810万円

平均は2427万円ですが、平均値は一部の大きな数字に影響を受けるため実態に近い中央値を参考にした方が良いでしょう。

中央値と平均値では1500万円以上の差がありますね。

保有額の分布も確認してみます。



  • 金融資産非保有:19.0%
  • 100万円未満:6.4%
  • 100~200万円未満:4.8%
  • 200~300万円未満:3.4%
  • 300~400万円未満:3.3%
  • 400~500万円未満:2.6%
  • 500~700万円未満:5.9%
  • 700~1000万円未満:5.3%
  • 1000~1500万円未満:8.4%
  • 1500~2000万円未満:6.0%
  • 2000~3000万円未満:9.6%
  • 3000万円以上:22.8%
  • 無回答:2.6%

バラつきがありますが、3000万円以上を保有する世帯が22.8%います。

一方で金融資産非保有の世帯も約20%です。

円グラフを見ると、半数以上の世帯が1000万円に届いていません。同調査で20~70歳代の貯蓄額をみると、60歳代が最も貯蓄が多くなっています。それでも半数の方は貯蓄が1000万円に届かないとわかりました。

2019年に金融庁が発表した「老後2000万円」と比べても、多くの世帯が届いていないと言えますね。



■公的年金(国民年金と厚生年金)制度をおさらい



続いて、年金収入がどの程度なのかを確認しましょう。



まずは公的年金の仕組みをおさらいします。

日本の年金制度は国民年金と厚生年金の「2階建制度」が採用されています。



意外と多い「60歳代で貯蓄ゼロ」の割合を円グラフで見る。公的年金の受給額もデータで確認

出典:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成



国民年金だけを受給するのか、厚生年金を国民年金に上乗せして受給出来るのかが大きな違いです。



■1階部分=国民年金(基礎年金)



  • 加入対象:日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度によって変更が入ります)
  • 年金額:満額77万7792円(令和4年度)

■2階部分=厚生年金(上乗せ部分)



  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料によって決定。

国民年金は保険料が一律のため、多く受け取るためには加入月数が重要です。

厚生年金は在職中の収入で支払う保険料が変わります。そのため、加入期間だけではなく在職中の収入も重要になります。



■60歳代の年金受給の月額の平均はいくらか



では実際の支給額平均を厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」を参考に、年齢別に確認しましょう。



一般的な年金の受給開始年齢は、65歳からです。



■国民年金の平均年金月額



  • 60~64歳:4万2306円
  • 65~69歳:5万7502円

国民年金の満額支給は6万4816円です(令和4年度)。一般的に年金が支給される65歳以降で比較すると、1万円ほど少ないことがわかりました。



■厚生年金(第1号)の平均年金月額



  • 60~64歳:7万5922円
  • 65~69歳:14万3069円

※国民年金(基礎年金)の月額を含みます。



国民年金の平均と比較すると60~64歳、65~69歳いずれも多くなっています。

65歳以降では受給月額に約8万5000円の開きがあります。年間では約102万円、10年で1020万円です。年金の種類によって受給月額に大きな開きが出ることに注意が必要でしょう。

国民年金の受給者は厚生年金の受給者よりも受給月額が少ないですから、必然的に貯蓄額の重要性が高くなりますね。



■老後に向けて「毎月3万円」を20年と30年で運用した場合の試算



ここまで60代の貯蓄や年金の受給額を確認しました。年金と貯蓄どちらも重要な役割を持っていますが、実際には世帯間で大きなバラつきがあります。

将来のお金が不足しそうな場合には早い内から準備をすることがおすすめです。

たとえば、60代と30代では時間の面で大きな違いがあります。時間を有効に活用することで積極的に資産を増やすことも可能でしょう。

毎月一定金額を積み立てるとして「毎月3万円・20年間・年利3%」で運用できた場合、元本720万円に対して約1.3倍の約984万円になります。


 



意外と多い「60歳代で貯蓄ゼロ」の割合を円グラフで見る。公的年金の受給額もデータで確認

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」



意外と多い「60歳代で貯蓄ゼロ」の割合を円グラフで見る。公的年金の受給額もデータで確認

出典:金融庁「資産運用シミュレーション」



「毎月3万円・30年間・年利3%」で運用出来た場合は、元本1080万円にたいして約1.6倍の約1748万円という運用結果となります(金融庁「資産運用シミュレーション」より試算)。

このように一定の金額を同じ金利で積立てした場合には、期間が長くなるほど有利になります。



もちろん運用にはリスクも伴いますが、時間を味方につけることでリスクの低減も見込めます

人生100年時代を考える上で、お金の問題は切り離すことはできません。長い老後を乗り切るために、一度ご自身のお金事情について考えてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和3年)( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/futari2021-/2021/ )
  • 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )
  • 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」( https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202204/040103.html )
  • 金融庁「資産運用シミュレーション」( https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html )
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