帝国データバンクは2022年8月1日、上場する食品メーカー主要105社における価格改定動向についての調査結果を公表しました。



結果によると、2022年の食品値上げは累計で1万8532品目にのぼり、値上げ率は平均で14%にものぼったようです。



富裕層が節約するポイントは4つ!節約と倹約の違いを元銀行マンが解説

帝国データバンク「「食品主要105社」価格改定動向調査(8月)」



家計にダメージを与える値上げに触れるたび、「お金持ちはいいな」と感じる方もいるのではないでしょうか。

富裕層と言えばブランド物で身にまとい、高級外車で家にはプールがついている。というイメージを持つ方が多いかもしれません。

しかし、実は大富豪であっても、質素な生活を送っている人は意外と多いのです。それは彼らの大半は投資をしていることが多く、もとの資本が大きくなれば大きくなるほど、投資効率が良くなることを知っていることが多いからです。



■富裕層の生活は意外に質素?



例えば投資の神様と言われるウォーレン・バフェット。彼は質素に暮らしていることでも有名で、1958年に3万1500ドル(当時のレートで約1134万円程度)で購入した家に今でも住んでいますし、保有している車もSUBARU車です。



またFacebook(現:META)創設者のマーク・ザッカーバーグやスティーブ・ジョブズも、Tシャツにジーンズできらびやかなブランド品を身にまとっていることはありません。



筆者も銀行員時代に多くの富裕層の方と接点がありましたが、やはり富裕層の方に共通していると感じたのは、倹約家が多いという点です。



今、ウクライナ情勢以降の資源価格高騰で、ガソリン代や食費がじわじわ上がってくる中で、以前にも増して「節約」を意識されているかもしれません。



しかし、節約しようと思い、切り詰めるという行動はストレスが溜まりやすく、継続していくことは非常に困難です。



一方富裕層の方々は、我慢して切り詰めるということをせずに、不要な出費をしないということに優れていることが多いのです。



ここからは、倹約の4つのポイントをお伝えしていきます。



■倹約ポイント1. 服装を倹約



まず1つ目のポイントは服装についてです。



倹約と対象的なのが、ブランド服などの浪費。私が銀行時代にお会いしていた富裕層の方で、ブランド物の服を着ていらっしゃる方は少なく、むしろ、ユニクロやナイキなどのスポーツブランドの庶民的な服装をされている方が多かったです。



服はあくまで機能重視という方が多い印象です。

また、相続などで昔から資産家の方は、親から受け取った数百万円の着物を仕立屋で洋服に作り変えてもらい、日常で使えるようにされている方もいらっしゃいました。

もともと資産家の方でも、やはり、無駄な出費はせずに、無理なく倹約を楽しんでおられる方ほど、手元にお金が残りやすいのかもしれません。



■倹約ポイント2. 手数料を倹約



次にお話ししたいのが、各種手数料についてです。



今はコンビニでも手軽にATMを利用できます。しかし、引き出すごとに手数料が取られてしまうのではないでしょうか。



お金を貯める能力の高い富裕層の方は各金融機関でお得意様となっていることが多く、「〇〇銀行は振込手数料を払わなくていいし、引出しも手数料がかからない」など、各金融機関で一定以上預け入れを行い、お客様としてのランクを上げることで手数料に取られるコストを圧縮されていることがほとんどです。



今はネット銀行などであれば、ランクを上げなくとも、月に何度かまでの振込や引出しは無料である銀行も多いので、ATM手数料がかかっている方は是非、ネット銀行の口座開設を検討してみてください。



■倹約ポイント3. コンビニを使わず倹約



日本中どこにでもあるコンビニエンスストアは非常に便利です。



しかし、そこで売られているものはほとんどが定価で、近所のスーパーと比べても値段が違います。



富裕層の方に買い物の秘訣を伺ったところ、コンビニで買物はしないと決められている方が多い印象を受けました。

意外なことに富裕層の方は、近所のスーパーとコンビニの値段の違いを把握されている方が多く、同じようにコーラが飲みたいと思っても実際に使っている金額に差が出てきているのです。

これも富裕層の方に言われた言葉なのですが、「20%オフで同じものが買えるのなら、給料が20%増えたのと同じなんだよ」とのことです。

所得アップがなかなか進まない日本において、「自分の使えるお金を増やす意識」というものが、富裕層をコンビニから遠ざけている要因なのではないでしょうか。



■倹約ポイント4. 年会費・月会費の倹約



今や一つのものを買うためにお金を払うというものだけではなく、サブスクリプションのように月や年ごとに、固定の費用を支払うといったサービスが多様化しています。



自分が毎月固定費や年会費をどれだけ支払っているか、正確に把握しているでしょうか。



月会費は支払い明細で目にする機会もあるので、まだ見落としは少ないかもしれませんが、盲点なのは年会費です。



特にクレジットカードの年会費など、見落としがちな支出も多いのではないでしょうか。まずは自分のクレジットカードの枚数を正確に把握し、使っていないカードはしっかり解約することで、年間数千円の無駄な出費を抑えられるでしょう。



また動画サービスなども、複数契約されている場合は一本にしぼり、見たい時に登録するようにすれば、これも大きな倹約になるでしょう。



富裕層ほどお金にシビアなので、そういったお金の管理はよほど大きく稼いで忙しい方でない限り、徹底されているものです。



■まとめ



「節約」と言うと苦しいイメージがありますが、「倹約」に取り組み、今と変わらない幸せを享受しながら生活を豊かにすることは不可能ではありません。



しかし、これらの倹約ポイントを必ず実行しなくてはいけないわけではありません。



服装は信頼を買っているのかもしれませんし、ネット銀行は使えないATMもあるかもしれません。コンビニでは商品を手間なく買うことで時間を生み出しているのかもしれません。

また年会費を払うことでより大きなサービスを受けている人もいるでしょう。

一方で、使いすぎは無駄なコストと言えるのではないでしょうか。その浮いたお金を投資することで、資産を大きくして投資効率を高めていくことも可能です。

少しでも富裕層のやっている倹約ポイントを真似し、生活を豊かにするきっかけを掴んでいただければ幸いです。



■参考資料



  • 帝国データバンク「食品値上げ、年内「2万品目」迫る 円安影響で記録的「値上げの秋」に 8月は2400品目、10月は年内最多の6000品目超で値上げ」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000513.000043465.html )
編集部おすすめ