総務省によれば、2022年7月の生鮮食品を除いた消費者物価指数は102.2となりました。
これは2021年7月より2.4%の上昇です。
都市ガス代24.3%、電気代19.6%、食用油40.3%など身近なものの上昇が目立ち、生活にダイレクトに影響を受けていることでしょう。
物価の上昇は賃金上昇とセットで起こるべきものですが、残念ながら賃金があがる兆しはありません。
これは年金生活にも同じことが言えます。本来、年金の受給額は物価に連動して調整される仕組みになっています。
しかし現役時代の賃金が伸び悩む中、ここ2年は年金の減少傾向が続いているのです。
物価はあがらないのに年金は下がる。そんな日本において、老後の貯蓄の重要性は高まるがかりです。
とりわけおひとりさまは、自分一人でお金のやりくりをする必要があるため、不安は大きいかもしれません。
60歳代でいくらの貯蓄があれば安心なのでしょうか。シニアの貯蓄事情を参考にしながら、老後の備えについて考えてみましょう。
■60歳代「おひとりさま」貯蓄額には格差がある
まずは、60歳代「おひとりさま」の平均貯蓄額を見ていきます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」をもとに、60歳代単身世帯の貯蓄平均額や分布を確認しましょう。
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」
■60歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
平均1860万円・中央値460万円
- 金融資産非保有:28.8%
- 100万円未満:8.8%
- 100~200万円未満:4.0%
- 200~300万円未満:2.3%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:2.1%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:6.5%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:8.4%
- 3000万円以上:17.7%
- 無回答:2.9%
60代の単身世帯の平均貯蓄額は1806万円です。2000万円近い金融資産を保有しているのですね。
ただ、平均は一部のお金持ちに引っ張られる傾向にあります。より実態に近い中央値でみると、460万円となりました。
また分布の様子を見る限り、幅広い金額にばらけていることがわかります。3000万円以上が17.7%の一方、金融資産非保有、いわゆる「貯蓄ゼロ」世帯は28.8%。
60歳代の貯蓄額には、大きな格差があるといえるでしょう。
■「おひとりさま」65歳以上の生活費はいくらかかる?
60歳代の平均貯蓄額をチェックしてきました。では、老後の生活費はいくらかかるのでしょうか。
ここからは、総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」を参考に、65歳以上の単身無職世帯の家計をみていきましょう。
出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 実収入:13万5345円(うち社会保障給付12万470円)
- 消費支出:13万2476円
- 非消費支出(社会保険料や税金など):1万2271円
不足分:9402円
65歳以上の無職「おひとりさま」の月の収入は約13万5000円になっています。そのうち、主に年金と考えられる社会保障給付は12万円です。
これに対し、消費支出は13万2000円。
つまり、収入から支出を引いた月の赤字は9402ということになります。月々1万円ほどの赤字であれば、なんとかやりくりして黒字にできそうにも思えます。
支出の内訳についてもみていきましょう。
出典:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 食料:3万6322円
- 住居:1万3090円
- 光熱・水道:1万2610円
- 交通・通信:1万2213円
- 保健医療:8429円など
上記の平均を参考にすると、削れそうな支出項目がわかるのではないでしょうか。
例えば自炊ができる方であれば、食費をもっと落とせるかもしれません。光熱費についても、一人暮らしならもう少し絞れそうに思えますね。
しかし、住居費に注目してみると1万円台になっています。
これは、多くの人が住宅ローンを完済して、持ち家に住んでいることが影響しています。すべての平均となるので、0円に引っ張られているのでしょう。
もし老後に賃貸暮らしを考えている人は、これ以上に住居費がかかります。こうなると、支出は一気に数万円高まります。
少しのやりくりでまかなえる金額ではないですね。
また、保健医療についても、病気やケガなどで思わぬ出費となるケースも想定しておくべきです。
■60歳代「おひとりさま」年金はいくら見込めるか
支出を見ていく中で、「でも老後は年金がもらえるから貯蓄がなくても大丈夫なのでは?」と考えた方もいると思います。
老後の生活を支える大きな収入のひとつが年金です。
確かに公的年金は頼りになりますが、重要なのはその受給額です。
ここからは、みんな実際にどれくらい受け取っているのか、厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」よりみていきましょう。
年金には国民年金と厚生年金があるため、それぞれにわけて確認します。
■ 国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
■厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
おひとりさまの場合は受給額が1人分となりますので、年金のみでは生活が厳しい場合もあるでしょう。
国民年金か厚生年金かで大きく受給額も違います。自営業者などは国民年金のみになるため、年金だけで生活するのは難しくなるでしょう。
また、厚生年金が受給できる場合でもその格差に注意が必要です。現役時代の収入に左右されるため、平均だけではなく「ねんきんネット」などで自分なりの目安額を把握しておきましょう。
■60歳代の貯蓄や年金をもとに老後を考える
60歳代のおひとりさまの年金、貯蓄、月々の収支の平均を調べてみました。安心できる貯蓄額は、「生活費ー年金等の収入」で求めることができます。老後を30年と仮定し、その分の貯蓄ができると安心ですね。
生活費は多めに見込むことで、不測の事態を避けましょう。また年金受給額は、定期的にねんきんネットで確認することが確実です。
とはいえ、物価が上昇する中で老後の資金を貯めるのは簡単なことではありません。数十年先のお金というのは、優先順位も下がりがちになります。
そんなときは、生活費の節約に加え、資産運用なども選択肢に入れるといいかもしれません。リスクがあるからと敬遠されることもある運用ですが、長期に積み立てることでリスクを軽減できます。
数十年先の資金は、資産運用と相性がいいとも言えます。効率的な貯蓄のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。
■参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和3年)」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/tanshin/2021/ )
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」( https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf )
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」( https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2021.pdf )
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国2022年(令和4年)7月分」( https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf )

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