2022年8月22日、株式会社帝国データバンクは、企業の今後1年の値上げ動向についてのアンケート結果を公表しました。



結果によると、2022年8月以降約1年以内に「値上げした/する予定」の企業は31.4%。

6月に実施した同様の調査と比べて、「2022年10~12月ごろに値上げ予定」の企業は7.4ポイント上昇しました。



「20~70歳代」で貯蓄1500万円以上は多いのか。10月以降も値上げラッシュが懸念

出所:株式会社帝国データバンク「10月~12月に「値上げラッシュ」懸念 値上げ実施済・予定の企業は7割、4社に1社が「再値上げ」」



この2ヵ月の間に、秋から初冬に値上げを考える企業の割合が急増したことがわかります。



ますます厳しくなるお財布事情ですが、同年代の人たちはどれくらいの貯蓄を保有しているのか気になるところです。



今回は20~70歳代までの貯蓄の平均と中央値を見ながら、人生に3回あるといわれる貯めどきを確認していきます。



■【20~70歳代】一人暮らしの貯蓄と借金はいくら?



日本人の貯蓄事情を知るには、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2021年)が参考になります。



金融広報中央委員会とは、都道府県金融広報委員会、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力して、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っている団体です。



早速同資料から、まずは一人暮らし世帯の貯蓄の平均と中央値を年齢別にみてみましょう。



■【20~70歳代】単身世帯の年齢別金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯含む)



全体平均:1062万円・中央値:100万円



  • 20歳代:179万円・20万円
  • 30歳代:606万円・20万円
  • 40歳代:818万円・92万円
  • 50歳代:1067万円・130万円
  • 60歳代:1860万円・460万円
  • 70歳代:1786万円・800万円

年代があがるほどに、貯蓄が順調に増えていることがわかります。



60歳代が最も貯蓄が多いため、定年に向けて貯蓄を頑張る人が多いと言えます。定年を迎えると、貯蓄の取り崩しが始まるようですね。



平均は一部の富裕層の影響をうけるため、より実態に近い中央値を参考にすべきという意見もあります。



中央値に着目すると、平均値よりも大きく下がっていますね。

ただし、年齢があがるほどに貯蓄があがる傾向はそのままです。



40歳代までは100万円以下で、50歳代で100万円を超え、最も多い70代では800万円ですね。



続いて負債の状況も確認しましょう。



■【20~70歳代】単身世帯の年齢別借入金残高(借入金がある世帯)



  • 20歳代:288万円・100万円
  • 30歳代:1386万円・114万円
  • 40歳代:553万円・110万円
  • 50歳代:645万円・125万円
  • 60歳代:287万円・100万円
  • 70歳代:494万円・38万円

平均の負債額は30歳代で1000万円を超えますが、中央値は100万円前後で推移しています。ピークは50歳代のようですね。



「一生ひとりで生きる」と決めた場合、40歳~50歳でマンションなどを購入する方も一定数います。こうした背景から、負債のピークは少し遅い傾向にあります。



■【20~70歳代】二人以上世帯の貯蓄と借金はいくら?



次に、同資料から二人以上世帯の貯蓄と借金を見ていきます。ここには夫婦世帯や子どもがいる世帯など、一人暮らし以外の世帯がすべて含まれます。



■【20~70歳代】二人以上世帯の年齢別金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯含む)



  • 20歳代:212万円・63万円
  • 30歳代:752万円・238万円
  • 40歳代:916万円・300万円
  • 50歳代:1386万円・400万円
  • 60歳代:2427万円・810万円
  • 70歳代:2209万円・1000万円

二人以上世帯でも年齢を追うごとに貯蓄は増え、60歳代で平均が2000万円を超えました。



ただし中央値に着目すると、20~60歳代でも1000万円は超えません。住宅ローンや教育費などの負担が重く、貯蓄できない家庭も少なくないことがわかります。



■【20~70代】二人以上世帯の年齢別借入金残高(借入金がある世帯)



  • 20歳代:1725万円・150万円
  • 30歳代:1833万円・1950万円
  • 40歳代:1507万円・1250万円
  • 50歳代:1421万円・1000万円
  • 60歳代:1013万円・400万円
  • 70歳代:501万円・125万円

中央値を見ても、30歳代で2000万円近くの借金があることがわかります。二人以上世帯ではマイホームを購入する方が多く、購入時期の重なる30歳代に重くのしかかっていることがわかります。



定年を目処に完済する方が増え、70歳代での中央値は125万円にまで減っていますね。それでも一人暮らし世帯より高い水準です。



■人生の「貯めどき」3回あるって本当?



どれだけお金を貯めたくても、人生には出費が重なる時期があります。



裏を返せば、貯めどきもあるということ。



人生には3回の貯めどきがあると言われますが、そのタイミングを具体的に知っておきましょう。



■人生の貯めどき1. 独身時代は貯蓄の黄金期



自分のためだけに時間とお金を使える独身時代は、貯蓄の黄金期と言えます。



一人暮らし世帯の方が貯蓄額も低くなっていますが、これは収入が一人分であることも影響しているでしょう。



まだ年齢が若いと、給与がこれから上がるところで貯蓄をする余裕のない方もいるかもしれません。



しかし、今後結婚して家族が増えると、貯蓄の余裕は少なくなる可能性が高いです。先取り貯金などを取り入れて、計画的に貯めておくと心強いです。



■人生の貯めどき2. 子どもが就学前・小学校低学年まで



結婚した後も、子どもが小さいうちは貯めどきだと言われます。



ただしご家庭の状況にもよるため、慎重になる必要があります。例えば育休中であれば、妻の収入は下がります。子どもが生まれてから女性が働き方を変えることも多く、この場合は貯蓄ペースが減ってしまうでしょう。



共働きであればまとまった貯蓄ができると考えられますが、働きながら子どもを育てるには、思わぬ出費がかかるものです。外注したり便利家電に頼ったりと、支出が膨らむことも考えられるため、計画的な貯蓄が重要になるでしょう。



■人生の貯めどき3. 子どもが独立した後



子どもが独立すれば、子ども分の生活費や教育費がかからなくなります。支出が減る分、貯蓄のペースが一気に進むと考えられます。



「自分へのご褒美期間」でもあるため、財布をしめ過ぎることなく、メリハリをつけて楽しみたいところです。



ただし、リフォーム代などの出費が増える可能性はあります。将来の年金も減少傾向にあるため、油断せず支出の管理は徹底したいですね。



■まとめにかえて



今回ご紹介した貯めどきは、一般的なものです。

家庭によってライフイベントの発生時期は異なるため、ライフプランやキャッシュフローを考えてみるといいでしょう。



マネープランがしっかりしていれば、たとえ3つの貯めどきを逃しても、その他でリカバリーができるはずです。



同年代の貯蓄事情を参考にしながら、先取り貯金などを利用して、毎月貯める仕組み作りを考えてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 知るぽると(金融広報中央委員会)「令和3年(2021年)家計の金融行動に関する世論調査」( https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yoron/ )
  • 株式会社帝国データバンク「10月~12月に「値上げラッシュ」懸念 値上げ実施済・予定の企業は7割、4社に1社が「再値上げ」」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000523.000043465.html )
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