■年収400万円台の家庭の姿
相次ぐ値上げに家計が苦しいと感じている人も増えているのではないでしょうか。
国税庁の「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は433万円。
出典:国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」(令和3年9月)
また、厚生労働省の「令和元年(2019年) 国民生活基礎調査」では、1世帯当たり平均所得金額は552万円、中央値は437万円です。
もちろん、日常生活に必要な金額には個人差や世帯差があります。しかし、上記の統計を見る限り、年収400万円前後の世帯は、いわゆる「普通の」収入であると推測されます。
今回は、年収400万円程度の世帯の家計状況について見ていきます。また、貯蓄から負債を差し引いた純貯蓄も見ていきます。
■年収400万円台世帯の平均貯蓄を探る
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考に、「年収400万円台」の勤労世帯の貯蓄事情をチェックしていきましょう。
※四捨五入の関係で、各項目の合計と「平均貯蓄額」は一致しない場合があります。
■年収400万~450万円(平均年収…426万円)勤労世帯
平均貯蓄額:912万円
■〈貯蓄の内訳〉
金融機関…897万円
- 通貨性預貯金:317万円
- 定期性預貯金:303万円
- 生命保険など:225万円
- 有価証券:52万円
金融機関外…15万円
■年収450万~500万円(平均年収…474万円)勤労世帯
平均貯蓄額:784万円
■〈貯蓄の内訳〉
金融機関…765万円
- 通貨性預貯金:277万円
- 定期性預貯金:237万円
- 生命保険など:157万円
- 有価証券:94万円
金融機関外…19万円
年収400万円の世帯では、ちょうど貯蓄額1000万円の節目に差し掛かったところです。教育費や住宅費などで家計が圧迫され、思うように貯蓄ができない世帯もあるでしょう。
貯蓄の分布を見ると、預貯金が全体の60%以上を占めています。
次の項では、貯蓄と負債を一緒に見ていきます。
■年収400万円台世帯の負債は平均どのくらいか
貯蓄と負債、つまりプラスとマイナスの資産は合計して考える必要があります。
■年収400万~450万円世帯の負債
- 平均負債額・・・521万円
- うち「住宅・土地のための負債」・・・486万円
■年収450万~500万円世帯の負債
- 平均負債額・・・693万円
- うち「住宅・土地のための負債」・・・652万円
年収400万円台の負債のほとんどが、「住宅・土地のための負債」すなわち住宅ローンなどです。
ちなみに、年収400~450万円の世帯、年収450~500万円の世帯ともに、「住宅・土地のための負債」が借入金総額の9割以上を占めています。
■年収400万円台世帯の純貯蓄額はどのくらいか
では、先述の「平均貯蓄額」から「負債額」を差し引いた「純貯蓄額」をみていきましょう。
■年収400万~450万円世帯の純貯蓄額
- 912万円(貯蓄)-521万円(負債)=391万円
■年収450万~500万円世帯の純貯蓄額
- 784万円(貯蓄)-693万円(負債)=91万円
純貯蓄額は、「年収400万~450万円世帯」は391万円、「年収450万円~500万円世帯」は91万円となりました。
貯蓄額、純貯蓄額ともに、年収400万円台前半の世帯の方が高くなりました。
「年収が多ければ貯蓄額も多い」とは言い切れないようです。
■年収400万円台世帯の家庭状況を探る
ここからは、「年収400万円台」世帯の家庭のすがたをチェックしていきます。
■年収400万~450万円世帯「家庭状況」
- 世帯主の平均年齢・・・50.7歳
- 世帯人数の平均・・・3.10人(うち18歳未満の世帯人員・・・0.81人)
- 世帯主の配偶者のうち女性の有業率・・・39.1%
■年収450万~500万円世帯「家庭状況」
- 世帯主の平均年齢・・・49.8歳
- 世帯人数の平均・・・3.18人(うち18歳未満の世帯人員・・・0.85人)
- 世帯主の配偶者のうち女性の有業率・・・48.2%
同じ金額を稼いでも、ライフスタイルや家族構成は異なります。
お子様が学齢期の場合、教育費の準備も必要です。どこに住んでいるか、共働きかどうかで、家族のお金の事情は当然変わってきます。
とはいえ、いわゆる「標準的な収入」のある世帯の経済状況を調べることは、特に将来家庭を持つ予定の若い人たちがマネープランを考える上で、何らかの参考になるのではないでしょうか。
■年収400万円「ふつうの家庭」がお金を育てる方法とは
今回は、年収400万円世帯の貯蓄状況について調べてみました。住宅ローンや教育費などの「大事な出費」はあるものの、着実に貯蓄している世帯があるのでしょう。
前述したように、年収400万円台の世帯では、貯蓄の6割が預貯金で占められています。
しかし、低金利が続いていることを考えると、貯蓄だけで資産を維持しても、残念ながらお金は大きく増えそうにありません。
この機会に「お金に働いてもらう」、つまり、資産運用に注目してみてはいかがでしょうか。しかし、中には「怖い」という理由で躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか。
そのような場合は、少額から運用できるiiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを検討されることをお勧めします。
お金を守り、増やすためのヒントを見つけられるよう、まず情報収集から始めましょう。
■参考資料
- 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」(令和3年9月)( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/000.pdf )
- 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf )
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」第8-2表( https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032190999&result_back=1&tclass4val=0 )

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