週明け(3月6日)の東京マーケットで、先週末NY市場の終値(105.36円)から0.90円近く円高水準の104.43円でオープンしたドル/円は、暴落。たった3時間のうちに3円も下落して101.45円まで一気に円高が進みました。

下落幅はもちろんですが、2016年以来ご無沙汰だった101円台まで下げ続けるドル/円を見てマーケットはパニック状態。


 今朝の為替ウォーカーの「今日の注目通貨」で、「104円を完全に抜けると、103円からから102円台にかけてはスカスカ。101円台まで一気に下がる可能性あり」と指摘したのですが、その通りの動きになりました。


 もっとも、これだけ急なスピードになるとは予想できませんでしたが。下落が急だっただけに、反発はあるでしょうし、あって当然です。しかし、このトレンドが終わった感じは全くしません。

なぜなら、この動きの原因となっている、新型コロナウイルスが米国で拡大しているからです。


 下のサポートは、まず本日の安値101.45円、2016年12月安値101.19円。その下は100.00円、そして2016年8月安値の99.53円になります。二桁台のドル/円が視野に入ってきたのです。


 上のレジスタンスは、まず本日高値の104.60円、そして先週金曜安値の105.00円。その上は金曜高値の106.34円。

このレベルまで戻してようやく一息といったところです。


 今夜の海外市場では、下げが急なだけに、しかもレベルがレベルだけに追いかけ売りには慎重になっていると思います。NY市場のトレーダーは、新しい領域に入ったドル/円の上下のメドを確認することになるでしょう。新型コロナウイルスのニュースだけではなく、トランプ政権の景気対策ニュースも注意。


 なお、FOMC(米連邦公開市場委員会)のメンバーは、会合前のブラックアウト期間により、発言が禁止されています。中央銀行の対応がわからないこともマーケットにとっては不安です。


 相場で大切なのは、生き残ること。生き残れば、また明日のチャンスがある。
大切なことは、うまくいかないときも自暴自棄にならないこと。


(荒地 潤)