今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは110.05円↓下値メドは109.00円バイデン景気刺激策、76%が「雇用に影響ない」 米企業財務責任者アンケート
13日(木曜)のドル/円は、109円台後半で横ばい、110円台は未達。
この日は109.62円からスタートして、米長期金利上昇を後ろ盾にして上を目指すも110円手前からの売り圧力に押されて高値は109.79円まで。この日発表された、CPI(消費者物価指数)に続くもうひとつの重要インフレ指標である米国の4月PPI(卸売物価指数)もまた強かった。
今夜は米4月小売売上高の発表があります。小売の強さは個人消費の強さであり、米経済の強さでもあります。インフレ見通しに影響を与えます。その他、ミシガン大学消費者態度指数の5月速報値の発表もあります。
アメリカ例外主義ということばがあるのですが、これはアメリカが他の国とは異なっているという信条で、アメリカ人の優越性を誇示する表現として使用されたりします。世界経済が等しく新型コロナのダメージを受けたなかで、米国経済の回復の速さは、アメリカ例外主義と呼んでいいのかもしれません。
しかし、この強さは、1月から4月にかけてドル/円が102円台から110円台後半まで8%も上昇したなかにすでに織り込まれているとも考えられます。
欧州ではここにきてワクチン投与のペースが米国に追いつこうとしています。欧州経済の見通しが明るくなってきたということであり、同時にアメリカ例外主義がなくなったということでもあります。

主要指標 終値

今日の一言
変化を拒んでいれば、いずれ職を失う – ジム・ロジャース
5月からのマーケットのテーマは? Good Times Bad Times
4月までは「世界経済、コロナから立ち直る」が金融マーケットのテーマでした。主演はドル。
ワクチン接種が世界で順調に展開するという前提に立った時、夏に向けてのテーマは「金融政策の正常化」、すなわち各国中央銀行の「緩和縮小」になります。緩和政策の終了を発表した国の通貨は強くなる。利上げ時期の前倒しを示唆したカナダドルは対ドルで2018年以来の高値圏に上昇。次はどこの中央銀行になるかをマーケットは探しています。
もちろんFRB(ドル)がここでも一番注目なのですが、アメリカ例外主義を掲げて4月まで上昇し続けてきたため、マーケットは、ドルの次の通貨を探しているのです。そのレーダーがキャッチしているのがRBA(豪ドル)であったりします。人口比では感染者が圧倒的に少ない日本が、ワクチン接種を早くから始めていたなら、日本経済は世界に先駆けて回復していたかもしれない。そう考えると残念です。
しかし、感染力が強く、しかもワクチン効果の落ちる変異株の急速な拡大が懸念材料となっています。コロナ対策を一から見直すことになれば、マーケットのテーマも変更されることになります。インドなど新興国の感染拡大はサプライチェーン修復の障害となり、世界景気回復の遅れにつながる。米国立アレルギー感染症研究所であり免疫学者のファウチ博士は、「ウイルスは変異し続け、遅かれ早かれ、誰もが変異株に感染することになる」と警告しています。

今日の注目通貨:豪ドル/円
豪ドル/円:レンジ予想 ↑85.85円 ↓83.92円
豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、84.89円。
84.89円より上ならば豪ドル買いが優勢、84.89円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
88.12円 : 2018年 02月 高値
87.05円 : 第4レジスタンス (HBO)
86.45円 : 第3レジスタンス
85.85円 : 第2レジスタンス
85.80円 : 2021年 05月 高値(2021年 高値)
85.67円 : 第1レジスタンス
85.09円 : 05月 61.8%
84.89円 : ピボット
84.87円 : 05月 平均値
84.65円 : 05月 38.2%
84.10円 : 第1サポート
83.94円 : 2021年 05月 安値
83.92円 : 第2サポート
83.32円 : 第3サポート
82.72円 : 第4サポート (LBO)

(荒地 潤)