今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは111.40円↓下値メドは109.80円結果主義のFRBと予想主義のマーケットでは、経済回復につれて見解の相違が大きくなる
22日(火曜)のドル/円は円安へ戻しました。高値110.79円、安値110.21円、1日の値幅は0.58円。
この日は110.25円からスタートして、安値は東京時間の110.21円。
先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)後に、ドル/円は何度か109円台まで下げています。しかし、この円高はクロス円が理由で、円由来の動きではなかった。FOMCで披露された「タカ派的」ドットチャートが広範なドル買い、あるいはドルの買い戻しを引き起こしたのですが、ユーロや豪ドル、ポンドなどの主要通貨が対ドルだけではなく円に対しても下落した結果、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円などのクロス円を通して円高が進んだのです。いわば巻き添えをくらって円高になったようなものです。
パニック的なドル買い戻しは一段落して、豪ドルやポンド、ユーロがそろりと上昇に動くなかで、ドル/円も本来の円安軌道に戻り、再び111円に向かっています。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長はこの日の議会証言で、最近のインフレ上昇を認める一方で、インフレは「一過性である」との見方を示しました。また予防手的利上げをしないとも繰り返しています。市場との意思疎通が上手にいかず余計な混乱を招いたため、改めてFRBの金融政策は、FOMCの前後でなにも変わっていないことを周知しました。
しかし問題は、インフレがいつ「一過性」で終わるかということ。来年かもしれないし、もしかしたら3年続くかもしれない。


主要指標 終値

今日の一言
トレードだけが人生ではない。大切だけど先延ばしにしていることも気を配ること。逆にそれが、相場で生き残るコツである。
The Air That I Breathe
緩和縮小には、当然ですがインフレ率の上昇が必要条件となります。しかし、それではまだFRB(米連邦準備制度理事会)を決断させるには十分ではない。賃金上昇を伴う雇用増加が実現して初めて緩和縮小の条件が揃うのです。
BLS(米労働省労働統計局)が発表した5月雇用統計では、失業率は5.8%に下がり、NFP(非農業部門の雇用者数)は55.9万人増加。2カ月連続で予想を下回ったのですが、数字自体は決して弱いわけではない。とはいえ、パウエルFRB議長が望んでいるような、月間100万人程度の雇用創出にはまだ遠い。
一方で、平均労働賃金は前月比+0.5%、前年比+2.0%。低賃金労働者が大量に復帰している状況でも、平均賃金に上昇圧力かかっている事実は、経済再開に伴う労働需要の強さを示しています。
AIT(平均物価目標)という枠組の中で、予想より結果に重点を置くFRBの政策スタンスでは、「緩和縮小を先延ばしするリスクは、早く行動するリスクを上回らない」という考えがFRB内ではまだ主流。
ブレイナードFRB理事などハト派陣営にとって、雇用市場の現状は、緩和縮小を急がなくてもよいという口実を与えることになったと、マーケットは考えて安心していました。ところが6月のFOMC会合で公表されたドットチャートは、予想よりも多くのメンバーが利上げを考えていることを暴露した。それがマーケットの混乱、急激なポジション調整に至ったのです。

今日の注目通貨:豪ドル/円
今週の予想レンジ ↑85.57円 ↓80.54円
今週の豪ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は、83.06円。
83.06円より上ならば豪ドル買いが優勢、83.06円より下ならば豪ドル売りが優勢と判断します。
2021年これまでの高値は85.80円、安値は78.85円。平均値は82.33円、値幅は6.95円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.67円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて2.94円の円安。
85.80円 : 2021年 高値
86.53円 : 第4レジスタンス (HBO)
85.57円 : 第3レジスタンス
85.19円 : 06月 高値
84.61円 : 第2レジスタンス
84.31円 : 第1レジスタンス
84.02円 : 06月 61.8%
83.66円 : 06月 平均値
83.30円 : 06月 38.2%
83.06円 : ピボット
82.13円 : 06月 安値
81.80円 : 第1サポート
81.50円 : 第2サポート
80.54円 : 第3サポート
79.58円 : 第4サポート (LBO)

(荒地 潤)