安川電機8月中間決算で着目した5点の結果

 9月28日のコラム「 日経平均の今後を占う上で、着目したい安川電機の中間決算 」において、安川電機の中間決算における着目点として、次の5点をお伝えしました。


  • 売上高、営業利益の進捗(しんちょく)率はコンセンサス予想の50%を超え、順調に推移するか? 
  • 会社の通期見通しの修正はあるのか?
  • 受注額の前年比、前期比は?
  • 決算発表後の株価の動きは?
  • 決算発表後のコンセンサス予想の変化は?
  •  実際にどうなったのか? それをもって、今後の日経平均株価(225種)はどうなると考えられるのか?10月6日に安川電機の中間決算発表がされていますので、一つ一つ見ていきたいと思います。


    (1)売上高、営業利益の進捗率はコンセンサス予想の50%を超え、順調に推移するか? 

     安川電機の中間決算における売上高、営業利益の進捗率は次の通りです。


    (表1)安川電機の売上高・営業利益の進捗率


    日経平均は今後どうなる?安川電機の中間決算から見えてくるものとは
    *コンセンサス予想は2023年9月26日時点
    出所:会社予想、実績は株式会社安川電機 決算短信より、コンセンサス予想はIFIS提供データよりマネーブレインが作成

     中間決算において、会社予想に対しては50%を下回る結果となりましたが、9月26日時点のコンセンサス予想に対しては、進捗率は売上高で50.2%、営業利益で50.6%と、ともに50%を超えて順調に推移する結果となっています。


    (2)会社の通期見通しの修正はあるのか?

    (表2)安川電機の今期業績見通し


    日経平均は今後どうなる?安川電機の中間決算から見えてくるものとは
    出所:株式会社安川電機 決算短信よりマネーブレインが作成

     中間決算の発表において、会社の通期見通しは修正されることなく、据え置きとなっています。


    (3)受注額の前年比、前期比は?

    (表3)受注動向


    日経平均は今後どうなる?安川電機の中間決算から見えてくるものとは
    出所:株式会社安川電機 決算補足説明資料、一般社団法人日本工作機械工業会公表データよりマネーブレインが作成

     安川電機の第2四半期の受注高は、前年比で▲25%、前期比で▲9%と減少しています。日本工作機械工業会が10月11日に発表した9月分の工作機械受注額は、▲11.2%とマイナスではありますが、金額においては1,339億円とそれなりに大きな水準となっています。


    (4)決算発表後の株価の動きは?

     決算発表日である10月6日以降の株価の動きは次の通りです。


    (表4)安川電機の株価の動き


    日経平均は今後どうなる?安川電機の中間決算から見えてくるものとは
    出所:株価はYahoo!ファイナンス 公表データよりマネーブレインが作成

     決算発表の翌営業日である10月10日は、買い気配で始まり、215円高の5,568円で寄り付きましたが、終値は47円安とマイナスで終わる結果となりました。この日の日経平均は751円高と大幅高で終わったので、マイナスで終わったことは、決算内容がネガティブに捉えられたとみています。


     一方で、10月12日に322円高と大幅高しています。これは、日経平均が10日以降、大きく上昇しているのに安川電機の株価に出遅れ感があったこと、前日の15時に日本工作機械工業会が発表した9月分の受注統計の金額が1,339億円(表3をご参照)とそれなりに大きい水準だったことが効いた可能性があると考えています。


    (5)決算発表後のコンセンサス予想の変化は?

     中間決算発表の前後で、安川電機のコンセンサス予想は次の通り変化しています。


    (表5)安川電機のコンセンサス予想


    日経平均は今後どうなる?安川電機の中間決算から見えてくるものとは
    出所:会社予想、実績は株式会社安川電機 決算短信より、コンセンサス予想はIFIS提供データよりマネーブレインが作成

     売上高については今期、来期、再来期いずれも下方修正、営業利益は今期は上方修正も、来期、再来期は下方修正となっています。


    他企業にも市場予想下方修正広がるか、日経平均下落に注意

     以上をまとめると、次のようになります。


  • 売上高、営業利益は足もとでは順調に推移
  • 会社の通期見通しは修正されることなく据え置き
  • 受注額は前年比、前期比ともにマイナス
  • 株価は決算発表翌営業日に下落
  • 来期、再来期のコンセンサス予想は、売上高・営業利益ともに下方修正
  •  2月決算銘柄である安川電機は、3月決算銘柄よりも1カ月程度決算発表時期が早いため、電気機器・機械業界の決算動向を推測する上での参考になります。


     その安川電機の来期、再来期のコンセンサス予想が下方修正されているということは、3月決算銘柄の電気機器メーカーや機械メーカーにおいても、中間決算発表の後に下方修正の動きが広がってくる可能性があります。


     そうなると、日経平均下落につながることもあり得ると考えています。


     今回の安川電機の中間決算発表において見えてくるものは、「日経平均は楽観視できず、下落に対する警戒が必要」ということになると、私は考えています。


     投資はあくまでも自己責任で。


    (白石 定之)

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