スマホ「Xiaomi 15 Ultra」とEV「SU7 Ultra」投入、プレミアム化戦略が焦点に

現地コード 銘柄名 01810

小米集団


(シャオミ)


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53.10HKD
(2/28現在)


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 小米集団がスマートフォンの旗艦モデル「Xiaomi 15Ultra」とEVの最新モデル「SU7 Ultra」を相次ぎ投入するという野心的なプレミアム化戦略を発表した。「SU7 Ultra」(販売価格52万9,900元から)のデビューは高級車市場への進出を意味し、中でも「SU7 Ultraニュルブルクリンク限定版」(81万4,900元)は最高級スポーツカー並みの性能評価を設定したモデルになるという。

また、従来型事業部門(主にスマホとIoT家電)の目玉、「Xiaomi 15 Ultra」は最高品質のライカのカメラを搭載し、最高クラスのハードウエア性能を持つハイエンドスマホ。同社はさらに、IoT家電においても、AIパソコンやTWS(完全ワイヤレスステレオ)、スマートスピーカー、大型家電など、一連のハイエンド製品を相次ぎ発売する。BOCIは新製品投入のスピードと品質の高さはサプライズだと指摘し、同社を改めてセクターのトップピック銘柄としている。


「SU7 Ultra」の希望小売価格のレンジは52万9,900-81万4,900元と、エントリーレベルの価格は2024年10月に示した当初の希望小売価格81万4,900元を大きく下回る水準。また、価格レンジは幅広く、ターゲット層が大幅に拡大する見通しとなった。BOCIは年間販売台数が4万-5万台に上ると予測し、同時に採算性が改善するとの見方。平均販売価格と利益率の上昇を反映させる形で、2025-26年の部門売上高見通しを3-4%増額修正し、1,006億元、1,685億元に設定した。非GAAP(一時損益を除く調整後)の予想純損益も、9億7,200万元の赤字、89億元の黒字に上方修正している(修正前は11億元の赤字、82億元の黒字)。プレミアムブランドの強化と「ヒト×クルマ×家」型のエコシステムの優位性が、EVなどの新興ビジネスの再評価を支えるとみる。


 一方の従来型事業部門では、スマホの「Xiaomi 15 Ultra」だけでなく、「Xiaomi Buds 5 Pro TWS」「REDMI Book Pro 16 2025」「Mi Smart Speaker Pro」などの新製品を相次ぎ投入する運び。スタイリッシュで革新的な製品を矢継ぎ早に送り出す同社の高い能力を印象付けた。BOCIはAIインフラとAI専門知識の拡充に伴い、小米集団がスマート家電市場における勝ち組になるとみている。


 BOCIは世界家電・EV市場における長期の競争力の向上を理由に、目標株価のバリュエーションを上方修正。従来型事業の2026年予想PER(株価収益率)22倍(修正前20倍)と、EV事業の予想PSR(株価売上高倍率)4倍(修正前3倍)を組み合わせたSOTP(サムオブザパーツ)方式に基づき、目標株価を大きく引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。短期的にはAIメガネやロボティクスが支援材料になるとの見方だ。


 レーティング面の潜在リスク要因としては、中国国内の新エネルギー車業界での競争激化、貿易摩擦とサプライチェーン・リスク、部品価格高騰の可能性、インド政府との課税絡みの対立、スマート運転支援システムと新規EVモデルに絡むリスクなどを挙げた。


(Bank of China int.)

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