今日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは147.90下値メドは146.65

欧米関係:マクロン大統領「草食動物のままでは餌食になってしまう。雑食動物にならなくてはいけない」
中国景気対策:中国政府、地方隠れ債務対策に10兆元
英国経済:BOE、インフレ見通し上方修正、成長見通し下方修正
米インフレ:ラストマイルは険しい道に。長期インフレは2.5~3.0%に上昇
新興国ファンド:「中国抜き」新興国ファンドが増える


前日の市況

 3月10日(月)のドル/円相場の終値は147.29円。前日終値比0.73円の「円高」だった。


 2025年49営業日目は147.62円からスタート。東京時間の朝につけた147.85円がこの日の高値となった。先週末の高値(148.20円)には届かなかった。


 米長期金利が下がる一方で、日本銀行3月利上げの思惑や、10年物国債利回りが2008年10月以来の水準となる1.575%まで強含んでいることで、ドル/円の上値は重かった。


トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 トランプ大統領がインタビューで、米国が景気後退に陥る可能性を完全には否定しなかったことで、NY市場では米国の株価が大幅下落。リスク回避姿勢を強めたマーケットでドル売り/円買いが優勢となった。


 トランプ大統領は、米経済が景気後退に向かっていると言っているわけではなく、今は「過渡期」にあり、短期的な混乱があっても、関税などの政策は将来的な繁栄につながると強調した。ただ多くの投資家はそのようには受け取っていないようだ。


 夜遅くにドル/円は147.00円を割り前日の安値(146.95円)を下抜けして146.63円まで円高に動いたが、その後は買い戻しもあり147円台で引けた。24時間のレンジ幅は1.23円。


主要指標 終値

トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

戦うべきと戦うべからざるとを知る者は勝つ - 孫子


Reunited

 BLS(米労働省)が3月7日に発表した2025年2月の米雇用統計によると、NFP(非農業部門)の就業者数は15.1万人増加し、市場予想の16万人増を下回る結果となった。1月の就業者数については、当初発表の14.3万人から12.5万人に下方修正された。


 失業率は、1月の4.0%から微増して4.1%に上昇した。

また平均労働賃金は、前月比0.3%、前年比で4.0%上昇した。賃金の増加率はインフレ率を上回る水準が続いている。


トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:BLS

 今回の雇用統計の結果を受け、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、米国経済が「良好な状態にある」と認識しているものの、トランプ政権の高関税政策による影響が経済の先行きに不確実性をもたらしていると警告している。


 特に、米国の失業率は、DOGE(政府効率化省)が主導する大量のレイオフで、今後上昇する可能性が高い。政府職員の解雇が続く場合、その影響は全体の経済にも及ぶことになる。経済成長が鈍化すれば、民間雇用も減少し、より多くの人々が職を失うリスクが高まる。


 トランプ政権による政策の影響が労働市場に及び始め、経済成長に対する懸念が高まる状況になった場合、FRBの利下げ政策へのシフトが加速する可能性がある。今後のNFPが15万人を下回る状況が続くならば、FRBは、6月に利下げを再開するという見方がマーケットでは広がっている。


トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:BLS

今週の注目経済指標

トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:楽天証券作成

タイムゾーン 分析

トランプ大統領が「米景気後退」認めた?日米金利差縮小期待でドル/円は146円台まで円高
出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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