新社会人からわずか1年半でメンタルを病み退職。当時付き合っていた彼女の家に転がり込み「ヒモニート」としてへこんだ生活を送っていたぱすたおさん。

彼女の支えもあり心機一転、再就職。負け続きだった投資も投資信託へシフトチェンジしたタイミングで成功路線へ! ヒモニートだったぱすたおさんがセミリタイアするまでの道のりについて伺いました。


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貯金30万円からのスタート:ヒモニートから31歳で資産 5,000万円達成しました! 主夫投資家・ぱすたおさん[前編]
新卒で大企業に就職できたにもかかわらず1年半で退職。人生詰んだ…と絶望の淵から立ち上がり、わずか7年で資産形成に成功しセミリタイアしました。「辛いことからは逃げていい。人生、どうにでもなる。諦めてはいけない」と語るぱすたおさん。今現在、辛い人に読んでもらいたいインタビューです。

▼ぱすたおさんプロフィール


貯金30万円からのスタート:ヒモニートから31歳で資産 5,000万円達成しました! 主夫投資家・ぱすたおさん[前編]
ぱすたおさん アイコン

新卒で入社した金融機関では、意にそぐわない商品を販売する仕事でメンタルを病み、わずか1年半で退職。その後は彼女の家で約6カ月間のヒモニート生活を過ごす。その間、株式投資で失敗して貯金が80万円から30万円に激減。ある日、ガンプラをきっかけとする事件が起こり、心機一転、再び会社員の道へ。再就職先では人にも仕事にも恵まれ、副業を開始。投資スタイルを投資信託に一本化し、年間600万円を全力投資。31歳で資産5,000万円を達成。今はセミリタイアしながら家族との時間を大切にし、主夫として幸福度高く生活している。

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「こんな商品売りたくない…」偉い人にはそれが分からんのです

トウシル:今では投資で着実に資産形成し、30代でセミリタイア生活を送っているぱすたおさんですが、新卒で入った会社を一年半で辞めて、当時付き合っていた彼女の家に転がり込み、いわゆる「ヒモニート」時代があったと著書にあり、驚きました。


ぱすたおさん:新卒で入った会社の仕事が精神的に辛くて…。結局、わずか1年半で退職し、住んでいた独身寮を出ていかなくてはならなくなり、宿無しになりかけていたんです。


 そうしたら、当時付き合っていた彼女(現在の妻)が「うちにおいでよ」って言ってくれて、それに甘えてそのまま彼女の家に転がり込んで、仕事もしないで養ってもらっていました。結局、ヒモニート生活は6カ月間、続きました(苦笑)。


トウシル:次の職も決めずに辞めてしまうほど、毎日が辛かったのですね…。会社員時代に何があったのですか…?


ぱすたおさん:最初は「お金に詳しくなりたい!」「お金で困っている人たちの力になりたい!」という気持ちで銀行に就職しました。当時は融資業務の担当として住宅ローンやアパートローンなどの個人向け融資に加え、投資信託や保険商品、カードローンなども提案していました。


 しかし、それらの商品は手数料がモリモリで「これがお客さまの最適解なのだろうか…」と悩みながら売ることに。ノルマを達成するために、お客さまのためにならない商品をひたすら売らなくてはいけない状況が苦しくて、上司に相談しても「売らない選択ができるのは、成績を出している人だけだ。成績を出していない新人が言うのは違う!」と言われてしまい…。


 どんどんメンタルに支障をきたして最終的には会社に行くのも嫌になりました。朝を迎えるのが怖くて夜も眠れず、最寄り駅に着いたら体調を崩してしまうほどです…。


トウシル:体が拒否反応を起こしてしまうとは…相当、辛い状況だったんですね。


ぱすたおさん:退職もスムーズにいかなくて…。

先輩や人事部から引き留められたんですが、なんとか辞められました。退職が決まってからは、上司から裏切り者のような扱いをされて、思い出すだけでもトラウマですね(苦笑)。


 仕事でミスをすると「辞めるから手を抜いてるんだろ?」と直接言われたり、私を指導する先輩に対し「辞める奴を構う必要ねえよ」と言ったり…。もちろん自分にも至らない点はあったのですが、正直、少し大人気ないなと感じました。それもあり退職日にはメンタルがボロボロになっていましたね。


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9割の「普通の人」の最適解!「逆算ほったらかし」新NISA投資術/2024年12月18日発売/翔泳社/1,650円(税込)。書籍の中でも自身のニート生活やそこからの立ち直り方を隠さず大公開していて親近感がある

仕事に行く彼女を送り出し、自分はカフェで読書ざんまいのヒモニート時代

トウシル:無職時代は何をして過ごしていたんですか?


ぱすたおさん:療養期間ということで大目に見てほしいんですが、だいぶ自堕落な生活を送っていました(笑)。朝はベッドでダラダラ寝ながら「行ってらっしゃい」と彼女を見送ることから1日が始まります。その後は、ゆっくり起きて、朝ご飯を食べながらテレビを見て、気が向いたら近くのカフェに行って本を読むなど、我ながら優雅な生活を送っていました(笑)。


トウシル:うわぁ…。ほんとのヒモニートですね(笑)。彼女さんは怒らなかったのですか?


ぱすたおさん:心配性で悲観的な僕と違い、彼女は明るくて楽観的な性格なので、まったく怒られませんでした。働いている時も「仕事が辛い…」と相談したら「辛いなら辞めればいいじゃん」と、カラッと言ってくれました。


 実際に退職した時も、さすがに今度ばかりはフラれるんじゃないかと思いましたが、本人は平気で、仕事から帰ってきて、僕の作ったご飯をおいしく食べてくれていました。


トウシル:とても心の広い彼女さんですね!


ぱすたおさん:はい。もう感謝しかないです。


トウシル:ちなみに、優雅なヒモニート生活を送っている中、転職活動はしなかったのですか?


ぱすたおさん:本当に疲れていたので、まずは休もうと思い、1カ月くらい、何もしないゆったりした生活を送りました。就職活動に本腰を入れ始めたのは、ヒモニート生活2カ月目からです。


若さ故の過ちか…奥さまを悲しませた「ガンプラ事件」とは

トウシル:2カ月目でエンジンがかかったということですが、就職活動を始めたきっかけは?


ぱすたおさん:実は、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)を作っていたことがきっかけです。退職直後は「もう辛い仕事に行かなくていいんだ!」という開放感があり、精神的にとても楽になりました。ですが、1週間くらいたってから「この生活をずっと続けて大丈夫なのだろうか…」という不安が襲ってきたんです。


 当時は社会人2年目で、同期は仕事に慣れて頑張り始めたころなのに、自分はダラダラ生活していて大丈夫なのかと…。今思えば、自分の人生なので周りと比較する必要は全く無いのですが、当時は若かったこともあり、自分で自分を追い込んでしまっていました。


 そこで生産的なことをしたいと思い、何か形に残るものを生み出そうと思ったんです。そんな時に近所のショッピングセンターに行ったらセールで安くガンプラを売っていて、試しに作ってみたところ、意外と達成感があって、メンタルにいい影響を与えていることが自分でも分かりました。


 それを機に、ガンプラや妖怪ウォッチのプラモデルなどを量産するヒモニート生活が始まりました(笑)。


トウシル:うわぁ…(2回目)。

優しい彼女さんもさすがに怒ったのではないでしょうか?「軟弱者!」とか言われませんでしたか?


ぱすたおさん:いえ(笑)。彼女は「こんなに精巧なんだね!」「関節もこんなに動くんだ!」と面白がってくれていました。久しぶりに褒められたので、調子に乗って、もっとスゴイのを作って彼女を驚かせようと思い、MG(マスターグレード:1/100スケールのサイズ)という巨大なサイズのガンプラを頑張って作りました。


 帰ってきたらなんていうかな、と思ってMGのガンプラをリビングに置いて、隠れて待っていたんですが…。彼女が帰ってきて、それを見た瞬間、思っていたのと違う怒号みたいな声が聞こえてきて…(笑)。


トウシル:ついに堪忍袋の緒が切れたのですね(笑)。


ぱすたおさん:というより、あきれるというか、悲しませてしまったみたいです。「こんなに元気があるのに、何をしているんだ…」という気持ちを感じて、「この人を悲しませちゃいけない」と思い、就職活動に本腰を入れました。


トウシル:おお、やっとメンタルがフラットに戻ってきたんですね。よかったよかった。


ぱすたおさん:スタイリッシュなガンダムだったらまだ違ったかもしれませんが、私が好きなのは、ずんぐりむっくりな「ガンダム試作2号機」なんです。「アトミックバズーカ」という核爆弾クラスの力を持つ武器を持っていて、足がどっしりしていて、大きなシールドも持っていて…。

存在感が大きかったのもいけなかったのでしょうか…。


トウシル:え、それは関係ないと思いますよ(笑)。


ぱすたおさん:え、そうですかね?


トウシル:はい(笑)。そのガンプラたちは今も健在なのでしょうか?


ぱすたおさん:実は、その後に引っ越しをするタイミングで断捨離しました…。彼女から「さすがにこれは要らないよね?」と言われ、泣く泣く写真に収めてサヨナラしました…。いろいろな思い出が詰まっていたので、断腸の思いでしたね…。


貯金30万円からのスタート:ヒモニートから31歳で資産 5,000万円達成しました! 主夫投資家・ぱすたおさん[前編]
左はRX-78 GP02A ガンダム試作2号機、右はKAMPFER(ケンプファー)。いずれもガンダムのディープなファンにしか分からないツウなモビルスーツで、確かに女性受けはしない…。残念ながら引っ越し時の断捨離で写真のみが残っている。

6カ月でようやくヒモニート卒業!ぱすたお、仕事に行きまーす!

トウシル:ガンプラ事件をきっかけにスタートした就職活動はスムーズに進みましたか?


ぱすたおさん:はい、ヒモニート生活の2カ月目で就職活動を始め、3カ月目には再就職先が決まり、結局6カ月でヒモニート生活から脱却できました。再就職先は仕事内容も私に合っていて、人間関係も良好でした。最終的に7年ほど勤務し、いい会社員生活を送らせてもらったと感じています。


トウシル:それは良かったですね! 彼女さんも喜んでくれたことでしょう。


ぱすたおさん:それが、僕も喜んでもらえると思って報告したら「え~、もうニート生活終わっちゃうの?」みたいな反応をされました(笑)。思ったより早かったと感じたらしく、本当に面白い人だなと思いましたね。


トウシル:聞けば聞くほど、彼女さんがスゴイです。ぱすたおさんにとって、お金では買えない、一番価値がある「資産」なのでは…。


ぱすたおさん:そのとおりですね。再就職が決まったタイミングで彼女とファミリー向けの家に引っ越して、その後すぐに結婚しました。


トウシル:おめでとうございます! 後編では、31歳で資産5,000万円をためたぱすたおさんの投資手法などについても伺います!


後編 「ヒモニートから31歳で資産5,000万円達成しました 5,000万円でセミリタイアから億り人編 主夫投資家・ぱすたおさん[後編]」 へ続く>>


(トウシル編集チーム)

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