引き続きトランプ劇場に揺さぶられている米国株式市場ですが、そんな中だからこそチャンスを見つけて投資したいもの。株価が下落したことで狙い目の銘柄や、荒れ相場でもさほど下落していない底力のある銘柄などを厳選。

アルトリア・グループやベライゾン・コミュニケーションズ、エクソンモービルなどの投資妙味を解説します。


配当利回り3~6%!トランプ相場にも負けない底力のある米国株...の画像はこちら >>

 米国の株式市場は世界最大の時価総額を持ち、建国当初から株価は右肩上がりの成長を続けています。その理由の一つとして、常に企業の新陳代謝が起こり、時代ごとに革新的な企業を生み出していることが挙げられます。


 米国株式の代表的な株式指数は、鉄道・公共事業以外の工業株30銘柄で構成される「NYダウ平均株価」、NASDAQ(ナスダック)に上場している全銘柄を対象とした「ナスダック総合株価指数」、NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQに上場している大型株500銘柄を対象とした「S&P500種指数」があります。


 これらに採用されている企業は長期間にわたり利益を出し続け、株価も上昇し、配当を増配し続けている銘柄も珍しくはありません。


 そこで今月は、見通しが難しい米国市場の中で、権利落ち月や購入額で制限を付けずに、トランプ相場で注目の配当利回り3%以上の5銘柄を解説します。


▼参照データ
• 株価… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年4月12日終値を採用
• 時価総額… 楽天証券 のHPにて、日本時間2025年4月12日時点の記載情報を採用
• 配当情報、決算情報… Investing.com のHPにて、日本時間2025年4月12日時点の記載情報を採用
• 為替:1ドル=144.00円で計算
※上記日付のデータで数値を抽出・算出しております。記事公開後の市況変動で数値が異なる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。


 まずは日本と米国の高配当銘柄への投資で、特に重要な三つの違いについて、お伝えします。


(1)米国株の配当金は、通常米国で10%、日本で20.315%の2段階、約30%の課税がされます。しかし確定申告で還付を受けることにより、日本株と同じように20.315%の税率と同じになります。


 ただし、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座で購入した場合は、日本での利益・配当金はもともと非課税のため、還付を受けることはできません。

この場合は米国で10%の課税のみとなります。


※米国市場で上場していても、国籍が米国籍企業以外の場合、配当金にかかる源泉税率は日本との租税条約によって異なり、10%ではありません。


(2)米国株は日本株と異なり、権利落ち日が月末に集中していません。そのため、銘柄ごとに権利落ち日を確認する必要がありますので注意が必要です。


(3)米国株は日本円で買う円貨決済と、米ドルで買う外貨決済を選べます。日本円から外貨に替える為替手数料も、積み重なると大きな金額になるので、米国株を買い続けるなら、売却時にも外貨決済で米ドルにしなければ、無駄に手数料を支払うことになります。


 2024年に制度改正された新NISAは、つみたて投資枠と成長投資枠に分かれていますが、米国株も投資できる成長投資枠では、年間240万円を運用期間無期限かつ最大1,200万円まで投資が可能となり、制度期間も恒久化されています。


 とはいえ、米国株でNISAを必ず枠全部まで利用しなければいけないわけではありません。運用期間が無期限になったことにより、自分のペースで投資をすることができますので、無理のない範囲で長期投資の手段として有効活用していきましょう。


【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明は こちら 】


米国高配当株1: ステート・ストリート(STT)

 世界有数の金融機関であるステート・ストリートは、投資サービス、市場・資金調達ソリューション、投資運用など、機関投資家向け金融サービスのリーディング・プロバイダーです。


 主要な銀行子会社であるステート・ストリート・バンクなどの子会社を通じて、カナダ、中南米、欧州、中東、アジアを含む世界100カ国以上の地域で事業を展開しており、2024年12月31日現在、AUC/A(資産管理残高)は46兆5,600億ドル、AUM(運用資産残高)は4兆7,200億ドルとなっており、世界最大級の資産運用会社として革新的な投資ソリューションを世界中の機関投資家に提供しています。


 時価総額は233億4,990万ドルで、日本円で約3兆3,623億円となっています(1USD=144.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「投資サービス事業(Investment Servicing)」で、続いて「投資運用事業(Investment Management)」となります。


「Investment Servicing」では、投資信託、その他の投資プール、企業および公的退職年金、保険会社、投資マネージャー、財団、寄付金など、世界中の機関投資家に幅広いサービスと市場・資金調達ソリューションを提供しています。


 また「Investment Management」では、State Street Global Advisorsを通じてSPDR®ETF(上場投資信託)やインデックスファンドなどのさまざまな商品や、包括的な投資運用ソリューションおよび商品をお客さまに提供しています。


配当利回り3~6%!トランプ相場にも負けない底力のある米国株5銘柄
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として投資管理会社である ブラックロック(BLK) 、グローバルなオルタナティブアセットマネージャーである ブルックフィールド・アセット・マネジメントLTD(BAM) 、投資家にグローバルな投資顧問サービスを提供する金融サービス持株会社である Tロウ・プライス・グループ(TROW) などがあります。


注目ポイント

 株価は年初の水準を下回って推移していますが、配当は昨年増配しています。


 直近のマーケット変動の影響を受けて金融セクター全体の株価水準が下落しており、ステート・ストリートもその影響から株価は下落している状況です。


 運用資産総額は4兆7,200億米ドルで、世界第4位の資産運用会社であるステート・ストリートですが、株式市場から資金が流出すると、どうしても業績に影響が出てしまいます。


 一方で金融業界においてグローバルな、重要銀行に指定されており、会社がなくなることは考えづらいことと、株価が下落したことで配当利回りも上昇しており、トランプ関税を原因として株価が変動している間に、複数回に分けて分散して買い付けを行い、株式市場の回復を待ちつつ配当を受け取るのもよいのではないでしょうか。


業績動向

 2025年1月17日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、「2024年はステート・ストリートにとって重要な年となり、当社は営業モデルの変革、能力の強化、顧客サポートに継続的に取り組みながら、手数料収益の成長率を高めるという戦略を実行しました。これを起因として、記録的なNIIに支えられ、フィー収益と営業レバレッジの両方がプラスとなるなど、当期の業績は好調に推移し、全体として、2024年の年初に提示した業績見通しを上回ることができました」と発表しています。


「投資サービス事業」では、AUC/Aの新規獲得件数が1兆ドルを超え、「投資運用事業」では、運用報酬は過去最高となり、640億ドルの四半期純資金流入を達成するなど、好調な結果となりました。


 次回2025年4月17日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。


注意点

 マーケットの変動を受ける業種ですので買い付けのタイミングや、買い付け方法には注意が必要です。


株価動向、配当利回り紹介

配当:3.04ドル
配当利回り:3.83%
株価:79.41ドル(約1万1,400円)


 この銘柄の権利落ち日は、7月上旬の予定(権利実施は7月中旬)です。


 配当利回りは4月12日時点で3.83%、株価は4月12日終値が79.41ドルでおよそ1万1,400円から購入できます(1USD=144円計算)。


 2023年からの最高値は102.23ドル、最安値は62.93ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株2: エンブリッジ(ENB)

 北米を代表するエネルギー・インフラ企業です。エネルギーを必要とするあらゆる場所で、地球に優しいエネルギーを提供することをビジョンに、液体、天然ガス、再生可能電力、低炭素燃料などのエネルギーを輸送、分配、発電するインフラを構築。


 安価で信頼性が高く、安全なエネルギーへのアクセスを提供することで、社会の経済的・社会的福祉を実現する上で重要な役割を果たすことを目指しています。


 また、エネルギーシステムが変化している環境下で、低炭素エネルギー技術への選択的投資を含め、社会的責任のある方法で、よりクリーンなエネルギーの未来への架け橋となることを目標としています。


 時価総額は911億2,500万ドルで、日本円で約13兆1,200億円となっています(1USD=144.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「液体パイプライン事業(Liquids Pipelines)」で、続いて「ガス輸送事業(Gas Transmission)」、「ガス供給・貯蔵ガス輸送事業(Gas Distribution and Storage)」、「再生可能エネルギー事業(Renewable Power Generation)」となります。


「液体パイプライン事業」では、カナダと米国にあるパイプラインとターミナルで構成され、さまざまなグレードの原油や、その他の液体炭化水素を輸送・輸出しています。


 日量約600万バレル(mmbpd)を供給し、世界最大の原油・液体ネットワークとなっており、「ガス輸送事業」では、Texas Eastern Transmission, LPや、Algonquin Gas Transmission, LLC 、Maritimes & Northeastなどのガス・パイプラインおよび貯蔵施設を展開しています。


競合他社

 競合他社として北米における中流サービスを提供する会社であり、補完的な国内中流インフラ資産の多様なポートフォリオを所有・運営・買収・開発し、米国全土にエネルギーを供給する タルガリソーシズ(TRGP) 、収集、処理、分別、輸送、保管サービスを提供するミッドストリーム事業者である ONEOK(OKE) 、カナダを拠点とするエネルギー輸送およびミッドストリームサービスを提供する会社である ペンビナ・パイプライン(PBA) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準をすこし下回って推移していますが、配当は30年連続で増配しています。


 直近のマーケット変動の影響を受けてはいるものの、業種柄、株価の変動が少ないこともあり、他の銘柄に比べて大きな下落とはなっていない状況です。


 また株価が少し下落したことで、利回りは6%を超える状況となっており、配当を目的とするならば魅力的な水準ではないでしょうか。


 直近の決算で会社側は、「米国のエネルギー輸入関税案による影響は、エンブリッジの財務見通しに重大な影響を与えることはないと予想されます」と発表しており、今後の堅調な業績とそれに伴う株価の推移が期待されます。


業績動向

 2025年2月14日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、「2024年はエンブリッジにとって歴史的な年となり、1株当たりEBITDAとDCFは過去最高を記録し、19年連続で財務ガイダンスを達成または上回り、年間を通じてのエンブリッジの業務および財務実績により、投資家への年間総還元率は37%となりました」と発表しています。


 また、「当社の規模と多様性、既存の事業基盤、低リスクのビジネスモデルを組み合わせることで、北米のあらゆる形態のエネルギー需要が最高水準に達する中、当社は引き続き競争優位性を維持しています」とも発表しており、今後も堅調な業績が期待されます。


 次回は2025年5月9日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるかどうかに注目です。


注意点

「北米の天然ガス需要は、ピーク時需要やデータセンター建設による潜在的な成長によって長期的に安定すると予想していますが、天然ガス市場には成長見通しを困難にするリスクも存在しており、ネット・ゼロ・カーボン政策、低炭素燃料や、より効率的な技術などがそれに当たります」と会社側は発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:2.60ドル
配当利回り:6.01%
株価:43.24ドル(約6,200円)


 この銘柄の権利落ち日は、5月中旬の予定(権利実施は6月上旬)です。


 配当利回りは4月12日時点で6.01%、株価は4月12日終値が43.24ドルでおよそ6,200円から購入できます(1USD=144円計算)。


 2023年からの最高値は45.45ドル、最安値は31.38ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株3: アルトリア・グループ(MO)

 米国で最も収益性の高い紙巻きたばこメーカーであるPhilip Morris USA Inc.と、米国を代表する葉巻メーカーであるJohn Middleton Co.を傘下に、業界をリードするたばこ製品ポートフォリオを保有しています。


 世界最大の湿式無煙たばこメーカーであるU.S. Smokeless Tobacco Company LLC、口腔用ニコチンパウチメーカー大手のHelix Innovations LLCも、アルトリア・グループの傘下であり、成人喫煙者の煙の出ない未来への移行を責任を持って主導することをビジョンに事業を展開しています。


 時価総額は950億7,500万ドルで、日本円で約13兆6,900億円となっています(1USD=144.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「喫煙製品事業(Smokeable products)」で、続いて「オーラルたばこ事業(Oral tobacco products)」となります。


「喫煙製品事業」では、Philip Morris USA Inc.が製造・販売する可燃性紙巻きたばこ、John Middleton Co.が製造・販売する機械式大型葉巻などを取り扱っており、「オーラルたばこ事業」ではU.S. Smokeless Tobacco Company LLCが製造・販売する湿式無煙たばこ製品、Helix Innovations LLCが製造・販売する口腔用ニコチンパウチなどを取り扱っています。


配当利回り3~6%!トランプ相場にも負けない底力のある米国株5銘柄
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、グローバルな企業間取引(B2B)アグリプロダクト会社である ユニバーサル(UVV) 、6大陸の100カ国に100以上のブランドを持つブランド消費者向け食品のグローバルメーカーおよびマーケティング担当者である ゼネラル・ミルズ(GIS) 、中国に本拠を置くEベイパー会社である RLXテクノロジー(RLX) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は過去55年間で59回の増額をしています。


 直近のマーケット変動の影響はあるものの、他の業種に比べて株価の変動幅はかなり少なく推移しています。


 関税については、他国の供給業者から葉タバコを購入するコストを増加させ、葉タバコの需要減少を悪化させるかもしれないと発表しているものの、現在株価にはその影響は見て取れません。


 また、嗜好品を取り扱っていることから株価の変動も少なく、配当利回りは7%近い水準で推移していることから、荒れたマーケット下で、配当を目的として保有するのに良い銘柄ではないでしょうか。


業績動向

 2025年1月30日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想通りとなり、売上は市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、「2024年はビジョン達成に向けた大きな進展、堅調な財務実績、株主への多額の現金還元など、アルトリアにとって重要な年となりました」と発表しています。


 また、「当社の主要なたばこ事業は、当社の有力ブランドと有能なチームにより、堅実な収益成長と利益率の拡大を実現し、一方で当社は将来に向けた戦略的投資も行うとともに、2025年の通年調整後希薄後EPS(1株当たり利益)は、5.22ドルから5.37ドルの範囲になる見込みです」と発表しています。


 次回は2025年4月29日に四半期決算の開示予定ですが、前年同期の業績を上回る数字を出せるかどうか、注目です。


注意点

 たばこに対する規制などで業績に影響が出る可能性には注意が必要です。


株価動向、配当利回り紹介

配当:4.08ドル
配当利回り:7.20%
株価:56.65ドル(約8,100円)


 この銘柄の権利落ち日は、6月中旬の予定(権利実施は7月上旬)です。


 配当利回りは4月12日時点で7.20%、株価は4月12日終値が56.65ドルでおよそ8,100円から購入できます(1USD=144円計算)。


 2023年からの最高値は60.02ドル、最安値は39.26ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株4: ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

 子会社を通じて、消費者、企業、政府機関向けに通信、テクノロジー、情報、ストリーミング製品およびサービスを提供する、世界有数のプロバイダーである持株会社です。


 世界中に拠点を持ち、モビリティ、信頼性の高いネットワーク接続性、セキュリティに対する顧客の需要を満たすよう設計されたネットワークとプラットフォーム上で、データ、ビデオ、音声サービスおよびソリューションを提供しています。


 時価総額は1,806億8,000万ドルで、日本円で約26兆100億円となっています(1USD=144
.00円換算)。


事業の注目ポイント

 主要な子会社は「ベライゾン・コンシューマー・グループ(Verizon Consumer Group)」で、続いて「ベライゾン・ビジネス・グループ(Verizon Business Group)」となります。


「ベライゾン・コンシューマー・グループ」では、消費者向けの無線・有線通信サービスおよび製品を提供しており、ワイヤレス・サービスは、世界有数の広範なワイヤレス・ネットワークを通じて提供されています。


 また、「ベライゾン・ビジネス・グループ」ではFWAブロードバンド、データ、ビデオ、高度通信サービス、企業ネットワーク・ソリューション、セキュリティ、マネージド・ネットワーク・サービス、各種IoTサービスや製品を提供するためのネットワーク・アクセスなど、無線および有線通信サービスおよび製品を提供しています。


競合他社

 競合他社として「Spectrum」ブランドを通じて41州の5,700万以上の家庭や企業にサービスを提供するブロードバンド接続会社およびケーブルオペレーターである チャーター・コミュニケーションズ(CHTR) 、インターネットアクセス、プライベートネットワークサービス、光波長、光トランスポートサービス、データセンターのコロケーションスペースと電力を提供する施設ベースのプロバイダーである コジェント・コミュニケーションズ・ホールディングス(CCOI) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初の水準を上回って推移しており、配当は昨年増配しています。


 直近のマーケット変動の影響はあるものの、他の業種に比べて株価の変動幅はかなり少なく推移しています。


 また、18年連続で増配していること、GOOGLのモデルを使用して構築されたベライゾンのカスタマーサービス担当者向けのAIアシスタントにより、通話時間が短縮され、顧客に商品を販売することができるようになり、売上が急増したことなどから株価は堅調に推移しています。


 関税による株価への影響もほとんど見られず、配当も6%近い水準であることから、マーケット変動時への備えとして配当を受け取りつつ長期保有を目的として投資してもよいのではないでしょうか。


業績動向

 2025年1月24日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を上回りました。


 直近の決算で会社側は、「新製品やサービスが引き続き顧客の共感を呼び、業界におけるリーダーシップをさらに拡大する中で、同社は2024年度の財務目標を達成し、ワイヤレス・サービス収益の拡大、調整後EBITDAの拡大、潤沢なフリーキャッシュフローの創出という三つの優先事項において、優れた業績と成功を収めました」と発表しています。


 また、「現在進行中のフロンティア買収、新たな衛星パートナーシップ、AIの活用により、ベライゾンは強化され続けており、今年以降もさらに良くなるでしょう」とも発表しています。


 次回2025年4月22日に開示予定の四半期決算で、前年同期を上回る決算を発表できるかどうかに注目です。


注意点

 過去のサイバー攻撃やサイバーセキュリティの脅威によるリスクの増大を受けて、「FCCや他の規制当局はプロバイダーのサイバーセキュリティ慣行に対する規制を強化しようとしているリスクにさらされています」と発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:2.71ドル
配当利回り:6.20%
株価:43.73ドル(約6,300円)


 この銘柄の権利落ち日は、7月上旬の予定(権利実施は8月上旬)です。


 配当利回りは4月12日時点で6.20%、株価は4月12日終値が43.73ドルでおよそ6,300円から購入できます(1USD=144円計算)。


 2023年からの最高値は46.49ドル、最安値は30.67ドルとなっています(終値ベース)。


米国高配当株5: エクソンモービル(XOM)

 1882年にニュージャージー州で設立され、原油・天然ガスの生産、石油製品・石油化学製品・各種特殊製品の製造・取引・輸送、炭素回収・貯留、水素、低公害燃料、プロキシマTMシステム、炭素材料、リチウムなどの低公害・新規事業機会の追求を、米国をはじめとするほとんどの国で事業展開しています。


 また、エクソンモービルは、2024年末時点で、全世界で8,000件以上の有効な特許を保有しており、各事業で特定されたニーズに対応するため、幅広い研究プログラムを実施しています。


 時価総額は4,322億2,600万ドルで、日本円で約62兆2,400億円となっています(1USD=144.00円換算)。


事業の注目ポイント

 事業の中心は「アップストリーム事業(Upstream)」で、続いて「エネルギー製品事業(Energy Products)」、「特殊製品事業(Specialty Products)」、「化学製品事業(Chemical Products)」となります。


「アップストリーム事業」では、ガイアナやパーミアン盆地での継続的な成長、カタール、モザンビーク、パプアニューギニア、米国でのLNG拡張機会など、強力な開発プロジェクトを推進しており、「エネルギー製品事業」では、精製、ロジスティックス、トレーディング、マーケティングを含む燃料バリューチェーン全体にわたって重要な役割を担っており、国際的な石油会社の中でも最大かつ最も統合された事業の一つとなっています。


配当利回り3~6%!トランプ相場にも負けない底力のある米国株5銘柄
※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

競合他社

 競合他社として、子会社を通じて、石油ベースおよび低炭素液体輸送用燃料および石油化学製品の多国籍製造および販売を行う バレロ・エナジー(VLO) 、世界経済をけん引する製品を製造・輸送・販売する多角的かつ統合的な下流エネルギーを提供する会社である フィリップス66(PSX) 、総合石油会社である インペリアル・オイル(IMO) などがあります。


株式の注目ポイント

 株価は年初近辺の水準で推移しており、配当は昨年増配しています。


 直近のマーケット変動の影響はあるものの、業績の堅調な銘柄であることから、年初以降堅調に株価は推移しており、直近の下落で年初近辺の水準に戻った状況です。


 年間配当を42年連続で増配しており、これはS&P500企業のうち4%未満しか達成できない数字となっており、このような株主還元も堅調な株価につながっています。


 直近の決算でも、過去1年間、3年間、5年間でそれぞれ11%、25%、14%という業界トップクラスの株主総利回りを達成しており、さらに年間200億ドルの自社株買いプログラムを2026年まで延長する予定であるとも発表していることから、株価が年初近辺まで戻ったこのタイミングで保有を検討してもよいのではないでしょうか。


業績動向

 2025年1月31日開示の四半期決算では、1株利益・売上ともに市場予想を下回りました。


 直近の決算で会社側は、「パーミアンとガイアナで記録的な生産量を達成し、高付加価値製品の販売量も記録的な結果となり、337億ドルの利益と550億ドルの営業キャッシュフローを達成し、過去10年間で3番目に好調な年となりました」と発表しています。


 また、「財務面では、過去10年間で最高の収益と営業キャッシュフローを達成し、将来を見据え、価値創造のための長い滑走路を築いてきましたが、2030年だけでなく、それ以降も大幅な収益とキャッシュを生み出すという計画を確実に達成できると確信しています」と発表しています。


 次回2025年5月2日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるかどうかに注目です。


注意点

 エネルギーおよび石油化学製品の需要は、一般的に広範な経済活動および経済成長と密接な関係があることから、国や地域の貿易関税によっての景気減退はリスクであると発表しています。


株価動向、配当利回り紹介

配当:3.96ドル
配当利回り:3.84%
株価:103.14ドル(約1万4,800円)


 この銘柄の権利落ち日は、5月中旬の予定(権利実施は6月中旬)です。


 配当利回りは4月12日時点で3.84%、株価は4月12日終値が3.96ドルでおよそ1万4,800円から購入できます(1USD=144円計算)。


 2023年からの最高値は125.37ドル、最安値は96.80ドルとなっています(終値ベース)。


■著者・西崎努氏の著書 『やってはいけない資産運用 金融機関のカモにならない60歳からの資産防衛術』(アスコム刊) 、 『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊) が大好評発売中です!


配当利回り3~6%!トランプ相場にも負けない底力のある米国株5銘柄
出版社の担当編集からの「ここが読みどころ!」をまとめた書籍紹介ページも要チェック!

【要チェック】
 楽天証券「 トウシルの公式YouTubeチャンネル 」では、同筆者が執筆した「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。


 また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル 『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』 では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。


(西崎努)

編集部おすすめ