2025年1-3月期決算は予想上振れ、旗艦ゲーム「三国:謀定天下」がカギに

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 中国の動画プラットフォーム、ビリビリの2025年1-3月期決算は売上高が前年同期比24%増、調整後営業利益が5%増の3億4,200万元と、ともに市場予想とBOCIの予想を上回った。月間アクティブユーザー数(MAU)は3億6,800万人、1日当たりユーザー平均滞在時間数は108分と、四半期ベースで過去最高。

BOCIは旗艦ゲームタイトル「三国:謀定天下」の運営状況、特に5月末に始まるS8シーズンが2025年12月通期決算のカギを握るとみている。また、マネタイズの強化が、オンライン広告の持続的な成長を支えると予想。目標株価を据え置き、株価の先行きに強気見通しを継続した。


 BOCIは下期の海外市場での始動やミニゲームの効果を考慮した上で、「三国:謀定天下」の2025年通期の予想売上高を4%上方修正し、約40億元に設定した。一方の広告部門に関しては、トラフィックの安定成長や広告在庫の増加、広告商品の強化、インフラのアップグレードなどが継続的な成長エンジンになるとの見方。ただ、この分野では市場競争の激化と広告主の慎重な予算設定が続く見通しを示した。こうした点を反映させる形で、モバイルゲームの予想売上高を2-3%引き上げる一方、オンライン広告収入を1-2%下方修正。同社全体の2025-27年の売上高見通しをほぼ据え置いた。2025-27年の調整後EPADS(1ADS=米預託株式当たり利益)に関しては、粗利益率に関する想定値の小幅の上方修正や販売費の引き下げを反映し、8-10%上方修正している。


 1-3月期の売上高は前年同期比24%増の70億元と市場予想を1%上回る数字。月間と1日当たりのアクティブユーザー数を示すMAUとDAUは8%増の3億6,800万人、4%増の1億700万人だった。売上高の内訳はモバイルゲームが「三国:謀定天下」効果で76%増の17億元、オンライン広告が20%増の20億元。

全体の粗利益率は36.3%と前四半期比で上昇傾向を維持しつつ、四半期別で過去最高を記録した。また、旧正月の年越し番組「春節連歓晩会」への投資がかさむ中で、営業費用全体を抑制し、調整後営業利益率はBOCIの予想を上回る5%。繰延収益は前年同期比で29%増、前四半期比で1%増だった。


 BOCIは2025-27年の調整後営業利益見通しを年率平均44%増から40%増に下方修正しつつも、調整後EPADSに関する予想を0.66米ドルから0.72米ドルに上方修正。引き続き2025年予想PEGレシオ(グロース株向けの株価指標:株価収益率÷1株当たり利益成長率)0.8倍を当てはめ、目標株価を据え置いた。目標株価は2025年、2026年の予想調整後株価収益率(PER)で、それぞれ32倍、23倍に当たる水準となる。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIは中国経済の予想以上の減速、マネタイズの非効率性、コンテンツクリエイターやユーザーのエンゲージメント低下、コンテンツの供給と質の問題、ゲーム・ストリーミング・広告・データ収集・税制など各方面に絡む規制強化の可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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