6月10日のドル/円相場は、日銀総裁の発言が円安圧力となって145円台まで上昇しましたが、その後は144円台に押し戻されレンジ取引が続きました。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは145.75円↓下値メドは144.00円原油需要:世界GDP1%の低下で、石油需要は日量50万バレル減少
FRB:シカゴ連銀総裁「金利を調整する緊急性ない」
トランプ・インフレ:ベッセント財務長官「関税による物価の影響は一時的」
カナダ:トランプ関税で経済はリセッション、BoCは大幅利下げへ
ユーロ:トランプ関税は、米国のインフレと金利を上昇させて「ユーロ安」要因
前日の市況
6月10日(火曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.28円「円安」の144.91円。1日のレンジ幅は0.90円だった。
2025年115営業日目は144.50円からスタートして、東京時間昼前に145円台にのせると、5月29日以来の高値となる145.29円まで上昇した。
日銀の植田総裁はこの日、参院財政金融委員会での答弁で「基調的な物価上昇率は、物価目標の2%まで少し距離がある」との認識を示した。この発言は、来週(6月16~17日)の政策会合に向けたフォワードガイダンス(政策方針)として、日銀は追加利上げに後ろ向きであり、また現在の水準以上の円安をある程度許容していると受け取られた。
ただ145円台ではドル売りも強く、昼前には144.40円まで押し戻されて、この日の安値をつけた。その後はレンジ取引が続いたが、ロンドンで行われている米中貿易協議の良い結果を期待して下落は限定的だった。
レジスタンス:
148.45円 05/13
147.67円 05/14
146.75円 05/15
146.28円 05/29
145.29円 06/10
サポート:
144.40円 06/10
143.98円 06/09
143.34円 06/06
142.52円 06/05
142.37円 06/03
2025年 主要指標終値
今日の為替ウォーキング De Do Do Do、 De Da Da Da
今日の一言
愚者が退場するタイミングで賢者はエントリーする
De Do Do Do、 De Da Da Da
今日の注目指標は、日本時間21時30分発表予定の米国の消費者物価指数(CPI)。インフレ動向が焦点になる。予想を上回る結果なら、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期が後退するとの見方が強まり、ドルが上昇する可能性がある。一方で予想を下回れば、利下げ期待が高まり、株式市場にプラスに働くことが考えられる。
前回の4月のCPIは、前年同月比2.3%上昇し、市場予想を下回った。食品とエネルギーを除いたコアCPIは2.8%上昇で、前月から横ばい。伸び率の鈍化は3カ月連続で続いており、インフレの鈍化傾向が見られた。
トランプ関税の顕著な影響はまだCPIには表れていないようだ。
また、企業が関税引き上げ分を負担して衣料品や新車の価格にコストを転嫁していないこともある。ただこの状況が今後も続くわけではない。来月以降からはトランプ関税の影響が本格的にCPIに反映されると見られている。
米中貿易協議では、中国のレアアースの輸出と引き換えに、米国が貿易障壁を削減することが期待されている。とはいえこれで全て解決というわけではない。日本や欧州連合(EU)との交渉はこれからだ。そもそも3月時点と比べて関税率が大幅に高くなったことに変わりはなく、その影響は確実に現れてくるだろう。
今週の注目経済指標
(荒地 潤)

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