4-6月期の銅生産量が54%増を記録、金属価格の先行きを楽観
現地コード 銘柄名 01208五鉱資源
(エムエムジー)
株価 情報種類
4.11HKD
(7/23現在)
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中国政府系の非鉄鉱山会社、五鉱資源の銅生産量は、2025年4-6月期に前年同期比54%増加した。主要鉱山ラスバンバス(ペルー)の生産量が四半期別で過去最高を記録したことが背景。
同社の4-6月期の銅生産量は前年同期比54%増の約14万トン。うちラスバンバス鉱山では64%増の11万5,000トンと、四半期別で過去最高を記録した。2024年の拡張プロジェクトの完了で、鉱石採掘量が43%増加しただけでなく、精錬の品位(鉱石に含まれる目的の金属の割合)も前年同期の0.59%から0.94%に改善した。BOCIは現地事情の好転から、ラスバンバスの2025年通期の銅生産量が、経営陣のガイダンスの上限(40万トン)を超える可能性があるとしている。
中国の送電・発電施設向けの投資は世界の銅需要全体の約30%を占めるが、中国国内の電力網の整備はかなり進んでおり、この分野の投資は続かないとの懸念があった。こうした中で発表されたのが、ヤルンツァンポ川(チベット自治区)の水力発電プロジェクト。設計発電容量(約60GW超)と立地を考えれば、発電設備、送電施設の両面から、銅需要を長期的に後押しすることは確実という。
一方、Ivanhoe Mines社が運営するアフリカの巨大銅鉱山、カモア・カクラ(コンゴ民主共和国)では5月下旬以降、予期せぬ地震活動の影響で稼働率が低下。
また、米国ではトランプ大統領の新たな減税・歳出法案、「大きく美しい法案」(One Big Beautiful Bill)が採択され、連邦債務の上限を5兆米ドル引き上げることが可能となった。これは商品価格全般にプラスで、ブルームバーグのドル指数を見ると、米ドルは3月末以降、6.6%下落している(商品価格と米ドル相場は基本的に逆相関関係にある)。
BOCIは金属価格に関する想定値の引き上げやラスバンバスのコスト低減見通しを受け、同社の2025-27年の予想純利益を17-36%増額修正。ディスカウントキャッシュフロー(DCF)方式に基づく同社株の目標株価を引き上げた。うち銅価格に関しては、長期の想定値を1トン当たり9,900米ドルから1万200米ドルへ上方修正している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、現地の道路封鎖が続くことで、ラスバンバス鉱山の生産活動が停滞する可能性、買収予定のブラジルのニッケル事業の収益率が予想を下回る可能性を挙げている。
(Bank of China int.)