7月28日のドル/円相場は全体的なドル買い戻しが優勢だった。1週間ぶりに148円台を回復した。

しかしユーロ/円は172円まで下げて、先週の上昇分のほぼ全てを吐き出した。


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今日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは148.95下値メドは147.65

アニマル・スピリット:経済活動にしばしば見られる主観的で非合理的な動機や行動
トランプ関税:シカゴ連銀総裁「関税によるインフレが一過性で終わるか確信持てない」
スイス:スイス国立銀行(SNB)の利下げサイクル終了へ
スイス高:SNB「必要ならば為替介入する」「インフレは下落リスク」
トランプ関税:本格的な影響は今年の秋以降。関税前の在庫が掃けるまでに約3カ月


前日の市況

 7月28日(月曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.89円「円安」の148.55円。1日のレンジ幅は1.06円だった。


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出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2025年149営業日目は147.66円からスタート。ドル/円は東京時間昼前に147.52円までやや下げる場面もあったが、その後は1週間ぶりに148円台を回復して、明け方には148.58円まで上値を伸ばした。


レジスタンス:
149.18円 07/16
149.11円 07/17
148.88円 07/18
148.67円 07/21
148.58円 07/28


サポート:
147.52円 07/28
146.81円 07/24
145.85円 07/25
145.75円 07/10
144.22円 07/07


 この日の相場は全体的なドル買い戻しが優勢だった。日本に続いて欧州連合(EU)も、米国と関税交渉で合意に達した。このニュースを受けて、ユーロは対ドルで下落した。米国側からすると、報復関税合戦という最悪の事態が回避されたことで良いニュースではある。


 EU側にとっては、関税を巡る「不確実性」が低まった一方で、欧州企業は以前よりも大幅に悪い輸出条件が確定したことで、(日本のようには)喜んでいない。


 一部の国からは、米国に対して「反威圧措置」(EUの貿易を保護するために、関税の引き上げや輸入制限などを行うこと)を発動するべきとの意見も出ている。この日のユーロ/円は172円まで下げて、先週の上昇分のほぼ全てを吐き出した。


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主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング More Than Words

今日の一言

「それは1年経っても重要な問題なのか?」1年後に問題にならないなら、今だって問題ではない


More Than Words

 8月夏休み直前の今週は、超重要指標ラッシュの1週間だ。米国の指標で特に注目なのが、4-6月期国内総生産(GDP)速報、米連邦公開市場委員会(FOMC)、そして7月雇用統計である。


 6月のFOMC会合では、政策金利であるFF金利が4.25~4.50%で据え置かれた。トランプ関税の影響が明確に数字になって表れるのは、7月以降になるといわれている。従って、今回7月も政策変更を見送る公算が大きいというのがマーケットの意見だ。


 今回の雇用統計はFOMC会合より後に発表されるので、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策に直接的な影響を与えることはないが、予想よりも弱い結果になれば、9月以降の利下げペースが加速する確率が高まることになるだろう。逆に、雇用統計が引き続き強いままならば、利下げは10月あるいは12月まで延期されるかもしれない。


 FRBは「米経済の不確実性がさらに上昇している」と判断する中で、特にインフレと失業率上昇の両方のリスクを注視している。


 現状はインフレ上昇リスクにより重点を置いているため、インフレ圧力再燃の兆候がある場合は、雇用データが多少弱くても利下げに慎重になるとみられている。結局、雇用統計が強くても弱くても、予想から大幅に逸脱しない限り、マーケットのモヤモヤ感は夏休み中も続くことになりそうだ。


今週の注目経済指標

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(荒地 潤)

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