日経平均株価が史上最高値を更新し、バブル相場の入り口のような様相も見せている2025年夏の株式市場。この上昇に乗り遅れた個人投資家も多いと思いますが、今から買うなら「強い株」と「弱い株」、どちらを買ったらよいのでしょうか?


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令和夏バブル「乗り遅れ組」はどう動けばいい?

 2025年8月、日経平均株価は、2024年7月につけた史上最高値を更新しました。東証株価指数(TOPIX)も同様に高値更新となりました。


 一方、東京証券取引所(東証)が発表している「投資部門別売買状況」からは、個人投資家は、今回の株価上昇の間に大きく売り越していることが分かります。上昇初期に売却してしまい、株価上昇にうまく乗れていない個人投資家が多かったものと推測します。


 さて、株価上昇に乗り遅れた場合の対応法としては、「リスクを避けて買わない」か「リスクを覚悟で買いにいく」の二つなのですが、もしここからバブル相場が到来するとした場合、株価が想定以上の上昇となる可能性もあるため、「買わないリスク」(損はしないが利益を得られない)も踏まえた上で判断する必要があります。


バブル相場では「強い株」につくのがセオリー

 バブル相場の特徴として、「強い株がより力強く上昇を続ける」、というセオリーがあります。また、バブル相場も、おおむね全ての銘柄が上昇するタイプと、2000年ごろのITバブルのように、特定の銘柄のみが上昇するタイプがあります。後者のタイプだとなおのこと、強い株を買っていないとバブルの恩恵に乗ることができません。


 一方、バブル相場は、ひとたび天井をつけると、その後の下落スピードも大きいため、天井付近で買ってしまった場合、速やかに損切りをしないと、含み損を抱えた塩漬け株に苦しむことになってしまいます。


 ですから、高値更新が続く強い株を買う場合は次のような点に注意しましょう。


[1]買った後どこまで下がったら損切りするかをあらかじめ決めておく
[2]押し目買いなど、株価が上昇する中での一時的な調整局面を狙う(株価が大きく上昇している中を飛びつかない)
[3]一度に買わないようにする(一度に買った場合、それが天井近辺だったとき損失がかなり膨らんでしまう)


あえて「弱い株」を買うメリットとは?

 一方、バブル相場であっても株価があまり上がっていない銘柄や、逆に下落基調にあるものも存在します。


 株価が高値更新を続ける強い銘柄を買うのはさすがにリスクが高そうで気が引ける、という方は、あえてこうした「弱い株」を買うという選択肢もあります。


 ただし、業績が優れない銘柄は、たとえマーケット全般が強くても逆行安になってしまうおそれがあるため、業績が堅調なものから選択すべきです。


「弱い株」は、冒頭で説明した通り、バブル相場での上昇はあまり期待できないかもしれません。しかしマーケット全体の底上げが起こるようなときは、「出遅れ株」として投資資金が流入し、意外な上昇を見せる可能性もあります。


 そして、「弱い株」のメリットとしては、株価が上昇していないため、もしバブル相場が終了して株価が高値から下落する際も、おそらく下落スピードが大きくないため、大きな損失も回避できる可能性が高いという点です。


「山高ければ谷深し」という言葉もあるように、株価が大きく上昇すればするほど、その後の下落も大きくなりますから、それを避けたいのであれば足元であまり株価が上昇していない銘柄に投資するのも一法です。


投資する資金量でリスク管理を

 バブル相場ともなれば、やはりハイリスクとハイリターンは紙一重になりますので、大きな損失をしないよう、リスク管理を心がけたいものです。


 この際、買った株の損切りルールを設定し、実行することも重要なのですが、そもそも投資する資金量が大きいかそうでないかによっても、リスクは変わってきます。


 もし投資可能資金をフル動員して株を買った場合、うまくバブル相場に乗ることができたならば大きな利益につながりますが、天井を付け大きな下落ともなれば、損失も大きなものになってしまいます。


 特に株価上昇に乗り遅れ、後から参戦するような場合は、投資可能資金の全額ではなく、一部(例えば投資可能資金の半分程度)での投資にとどめ、将来安く買うことができる機会を待った方が大きな損失を回避できると思います。


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(足立 武志)

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