8月28日のドル/円相場の終値は、前日比0.46円「円高」の146.97円。1日のレンジ幅は0.83円で、値動きは比較的穏やかだった。
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 夏休みが終わり、円高相場が始まる 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは147.55円↓下値メドは146.50円トランプ関税:正しく計画された貿易税はコストを考慮する。適当に設定された税率は、コストが適切に考慮されているのか疑問
米中貿易摩擦:米国産大豆の最大輸入国の中国が、ブラジルからの輸入に切り替え検討
米経済:トランプ関税でリセッションはほぼ確実。報復関税でさらに悪化
Bond vigilantes(債券自警団):高い利回りを要求することで過度な政府支出に歯止めをかける投資家のこと
前日の市況
8月28日(木曜)のドル/円相場の終値は、前日比0.46円「円高」の146.97円。1日のレンジ幅は0.83円で、値動きは比較的穏やかだった。
2025年172営業日目は147.33円からスタート。月末のドル買い実需にも支えられて東京時間昼前に147.49円まで上昇したが、上値は重かった。147円台からは輸出企業によるドル売り注文や、日本銀行の利上げ前倒しの思惑がドル/円の上昇を抑えた。
ニューヨーク市場では米国の第2四半期実質国内総生産(GDP)改定値が発表された。前期比年率3.0%から3.3%に上方修正されたことで、「なんだかんだ言っても米国経済は良好」という楽観ムードになってドル買いが一時強まったが、東京時間につけた高値(147.49円)は超えられなかった。
米国の経済指標は良好とはいっても、ジャクソンホール会議の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長発言で、9月のFRB利下げ確率が80%以上に高まる状況では、最終的にはドル売りが優勢になった。東京時間未明には8月22日以来の安値となる146.66円まで下落。

レジスタンス:
151.21円 03/28
150.92円 08/01
148.78円 08/22
148.18円 08/27
147.49円 08/28
サポート:
146.66円 08/28
146.57円 08/22
146.22円 08/14
145.85円 07/25
145.75円 07/10
2025年 主要指標終値

今日の為替ウォーキング Fields of Gold
今日の一言
首から下が1日に稼ぎ出すのはせいぜい2、3ドルだろう。しかし、首から上を働かせれば、無限の価値を生み出すことができる。- エジソン
Fields of Gold
FRBの理想と現実トランプ大統領は、世界各国や地域への新たな関税率を今月の7日に適用し、日本には15%の関税を課した。日本政府は、先の日米合意で、従来の税率が15%以上の品目には上乗せされないなどと説明していたが、これが大統領令などに反映されず、従来の税率に一律で15%上乗せされたままになっている。
しかし、トランプ関税は結局のところ米国の消費者に対する増税と同じなので、米経済にブレーキがかかるのは避けられないという見方が大勢だった。それだけに、4~6月の米実質GDP改定値がエコノミスト予想も上回る前期比年率3.3%増加に上方修正されたことはサプライズだった。

FRBは、景気後退とインフレ上昇という方向的に相反する二つの圧力が混在する中で、経済減速がデータの数字となって明らかに現れるまでは、インフレ抑制を優先事項として、現在の金利水準を維持したいというのが本音だ。
とはいえ、経済が悪化するのを期待するというのは中央銀行の意図するところではなく、またトランプ政権の露骨で間断ない政治圧力もあって、来月には利下げをすることになるだろう。
9月から年末までに米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は3回開催される。毎会合で「生配信(ライブ)」をして合計1.00%の利下げを実施し、FF金利を3.25~3.50%の水準まで引き下げたのち、さらに2026年には0.75%の追加利下げを行い、最終的に2.50~2.75%まで引き下げる可能性がある。
(荒地 潤)