2025年上期利益の予想下押しも商業ビル事業で強固な地位、配当性向は100%に

現地コード 銘柄名 01209

華潤万象生活


(チャイナリソーシズ・ミックスシー・ライフスタイル・サービシズ)


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37.40HKD
(8/29現在)


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 国有デベロッパー華潤置地(01109)傘下の不動産管理会社、華潤万象生活の2025年6月中間決算は、売上高が前年同期比6.5%増の85億元と、BOCIの予想と合致した。粗利益は16.3%増と、予想を上回る数字。

ただ、利息収入の66.5%減が響き、中間期のコア純利益は15%増の20億元と、予想(17.7%増)を下回った。


 同社経営陣による2025年通期の増収見通しの下方修正(前年比10%未満)や利息収入の急減を理由に、BOCIは2025-27年の予想1株当たり純利益(EPS)を5.2-8.2%下方修正。これに伴い、目標株価を6.5%引き下げたものの、商業ビル分野における同社の強固なポジションと、高い粗利益率を前向きに評価。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 同社が発表した中間配当は1株当たり0.529元と、前年比89.6%の大幅増配。特別配当0.352元と合わせ、中間期のコア利益に対する配当性向は100%に上る。


 上期決算を事業部門別にみると、デベロッパー向け付加価値サービス(VAS)とコミュニティー向けVASがいずれも前年同期比30%超の減収となる中、基本の不動産管理業務の収入が予想を上回る伸びを確保した。


 商業ビルサービス(管理・運営)部門も好調で、売上高は14.6%増。部門粗利益率は37.1%と3.1ポイント改善し、BOCIの予想(0.7ポイント上昇)を上回った。ほかにコミュニティーVASとショッピングモールサービスの粗利益率も上昇し、デベロッパー向けVASの大幅な悪化をカバーした。


 引き続き商業ビルサービス部門の好調が目立ったが、中でもショッピングモール向け売上高が前年同期比30%増。対象施設の小売売上高は前年同期比21.1%増、既存店売上高は9.7%増を記録している。


 中国国内の高級品消費は低調だが、契約先の高級モールの小売売上高は13.2%増、既存店ベースで9.6%増と堅調。非高級モールの小売売上高は26.4%増、既存店売上高は9.8%増だった。同社が運営サービスを手掛けるショッピングモール数は上期に3カ所増え、125カ所に達している(うち親会社所有のモールが94カ所、第三者物件が31カ所)。


 不動産管理部門では、主に新規の第三者契約の獲得により、上期に契約面積を1,432万平方メートル増やした(うち71.2%は公共施設、21.1%が住宅物件)。総契約面積は2024年末の4億5,050万平米から4億5,210万平米に増加している。


 BOCIは2025年予想株価収益率(PER)23倍をベースに、目標株価を引き下げた。現在株価は同20.1倍に当たり、予想配当利回りは4.7%。商業ビルサービス部門における独自の競争力や業界トップレベルの粗利益率を考慮すれば、現在株価にはさほど割高感はないとした。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、景気減速局面において、現金回収が難しくなる可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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