全世界株式、米国S&P500指数、日経平均株価などに連動することを目指すインデックスファンドに投資する際、投資信託とETF、どちらを選んでいますか? 長期資産形成では、管理コスト(信託報酬)が低いファンドを選んだ方が良いでしょう。今回は、投資信託とETFの管理コストについて学べるクイズを出します。
今日のクイズ
「長期、分散、積立投資」が、資産形成の王道です。日経平均株価、米国S&P500種指数、全世界株価指数に連動することを目指すインデックスファンドに、毎月一定額をコツコツと積立投資していくことは長期の資産形成に有効です。
投資成果を少しでも高くするために心がけたいことが三つあります。
【1】 なるべく管理コスト(信託報酬)の低いファンドを選びましょう。
【2】 なるべくNISAなどの非課税投資口座で投資しましょう。
【3】 純資産総額が小さすぎるファンドは避けた方が良いでしょう。(投資信託は純資産総額100億円以上、ETFは純資産総額500億円以上が目安です)
今日は、株式インデックスファンドに積立投資する際、投資信託と上場投資信託(ETF)、どちらを使ったら良いか考えるためのクイズを出します。
【問1】
日経平均に連動することを目指して運用されている東証上場ETFの管理コスト(信託報酬)は、以下の通り、低い方で年率0.1~0.2%です。

上記3ファンドは、いずれもNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)成長投資枠で投資できます。NF日経225だけは、NISAつみたて投資枠でも購入可能です。
それでは、日経平均に連動することを目指した投資信託では、管理コストはどれほど低いものがあるでしょうか? NISAつみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも買うことのできるものに限ります。
以下【A】【B】【C】のうちから一つ選んでください。
【A】0.13~0.14%
【B】0.2~0.3%
【C】0.5~1.0%
【問2】
米国S&P500に連動することを目指して運用されている東証上場ETFの管理コスト(信託報酬)は、以下の通り、低いファンドで年率0.0945%です。

上記ファンドは、NISA成長投資枠で買うことができます。
これに対して、米国S&P500に連動することを目指して運用されている投資信託の管理コストは、低いものでどれくらいでしょう? NISAつみたて投資枠でも成長投資枠でもどちらでも買えるものに限ります。
以下【A】【B】【C】のうちから一つ選んでください。
【A】0.077~0.094%
【B】0.2~0.3%
【C】0.5~1.0%
【問3】
全世界株式指数に連動することを目指して運用されている東証上場ETFの管理コスト(信託報酬)は、以下の通り、低いファンドで年率0.078%です。

上記ファンドは、NISA成長投資枠で買うことができます。
これに対して、全世界株式指数に連動することを目指す投資信託の管理コストは、低いものでどれくらいでしょう? NISAつみたて投資枠でも成長投資枠でもどちらでも買えるものに限ります。
以下【A】【B】【C】のうちから一つ選んでください。
【A】0.056~0.058%
【B】0.2~0.3%
【C】0.5~1.0%
投資信託・ETFとは
日本の通常の投資信託(ETF以外)は、信託銀行が設定する信託勘定の中にファンドを組成します。投資信託のファンドは、個人投資家から集めた資金を使って、株式や債券などに投資します。
ファンドは上場していません。
<投資信託の仕組み>

投資家が投資信託を購入すると、ファンドに資金が追加されます。そして、ファンドは追加で運用資産(株など)を購入します。投資家が投資信託を売却(解約)すると、ファンドから資金が流出します。
次に、ETFを説明します。ETFは、投資を専業とする会社です。個人投資家はETFが発行する「投資証券」を購入し、投資法人はその資金を使って株式・債券などに投資します。
投資証券は、取引所に上場しています。投資した株式・債券などの時価変動に応じて価格が変動します。投資家は取引所が開いている時間は、いつでも売買することができます。
<ETFの仕組み>

投資家がETFの投資証券を購入するためには、取引所で他の投資家の保有する投資証券を買い取る必要があります。ETFは、基本的に投資家が購入や売却をするだけでは、ファンドに資金が出入りすることはありません。
正解
【問1】 A
以下の通り、投資信託の日経平均インデックスファンドの管理コスト(信託報酬)はとても低くなっています。

【問2】 A
以下の通り、投資信託の米国S&P500インデックスファンドの管理コスト(信託報酬)はとても低くなっています。

【問3】 A
以下の通り、投資信託の全世界株式インデックスファンドの管理コスト(信託報酬)はとても低くなっています。

投資信託とETF、メリットとデメリット
以上で分かった通り、投資信託もETFも、インデックスファンドの管理コスト(信託報酬)は非常に低い水準です。
最後に、投資信託とETFのどちらに投資すべきかは、以下のメリット・デメリットを考慮した上で、個人の好みで決めて良いと思います。

(窪田 真之)