10月10日まで絶好調だった日経平均株価。公明党連立離脱と、週末のトランプ関税発言で、10月14日には4万6,847円まで急落しました。

このように、前日の環境変化に寄り、当日朝から日本株が大きく下落して始まることが時々あります。こんなとき、株を買うべき? 売るべき? どう行動するのが最適解でしょうか?


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10月10日の日経平均先物が現物比で3,000円近くの急落に

 10月10日、日経平均株価は500円近くの値下がりとなりました。注意したいのは、日本株マーケットが閉まった後も、日経平均先物は翌朝6時まで開いているという点です。


 その日経平均先物は、自民党と公明党の連立解消のニュースが流れてさらに下落、そして米国市場が米中関係の悪化懸念などから大きく下落したことを受け、日経平均先物も下げ幅を広げました。日経平均先物は4万5,200円まで下落し、日経平均株価の終値4万8,088円80銭からみると1日で3,000円近くも下落したことになります。


 このように、前日の米国株の急落など、日本株マーケットが閉まってから翌営業日にオープンするまでの間に何かネガティブな出来事が生じたとき、日本株マーケットは朝から大きく値を下げてスタートすることが時々あります。


 このような極端な動きではなく、なだらかな株価の動きが続いているのであれば、特に苦労はありません。筆者であれば「25日移動平均線を超えたら新規買いをし、割り込んだら保有株を売却する」という自分で決めた投資ルールどおりに行動するだけです。


 ただ、株価が朝から急落する場合、いきなり寄り付きから25日移動平均線を大きく割り込んで始まる個別銘柄も多くあること、寄り付き後に株価がさらに下がることも、下げ止まって反発することもあり、判断がかなり難しくなります。


 また、株価が朝から大きく下がっているわけですから、「売るのではなく、逆に買う機会」と捉えている投資家も数多くいます。


 このように、株価が急落したときの対処法についてはいろいろな考え方があるので、それに振り回されないようにする必要があります。


波乱相場で、持ち株を売るべきかどうか?

 まず、株価急落時に真っ先に思うことが「持ち株を売った方が良いか?」です。


 もし、自分は長期保有だから株価がどうなろうが持ち続ける、という方であれば何も考える必要はありません。


 ただし、投資信託と異なり個別株の場合は天井を付けた後株価が大きく下がり、その後業績悪化などがあると株価が戻らず低迷を続け、塩漬け株になってしまうリスクがあることは理解した上で長期保有を選択してください。

「ここまで下がったら売ろう」というルールを持っているのであれば、基本的にはルールどおりに動くべきです。


 ただ、朝から株価が急落したときは、朝方に安値を付けた後に反発することもよくあります。


 そういう場合は、寄り付きは様子見をして、その後の株価の動きを見た上で、売却するか保有継続するかを判断するのも一手です。例えば、寄り付き後株価がさらに下がるようなら売却し、株価が反転したら保有する、といったように、柔軟に動くことも手法の一つです。


 また、とりあえずいったん売却し、その後反発した場合は買い直すという選択もあります。


新規に買うべきかどうか?

 次に、新規に株を買うかどうかです。これも考え方により行動方針は異なりますが、筆者であれば「株価が下がってもなお25日移動平均線を超えている銘柄」を買うようにしています。


 具体的には、株価が強く25日移動平均線を大きく乖離(かいり)していて買えなかった銘柄が、株価急落で25日移動平均線に近接したら買い候補とする、というものです。直近で株価が強い動きをしている銘柄の方が、株価の下落が収まった後も上昇しやすいからです。


 それ以外には、株価が25日移動平均線を大きく下回っても、株価が大きく下がっているのであれば安く買える機会として買い向かうという方法もあります。


 ただ、そこからさらに株価が下がってしまう可能性もあるので、買ってからさらに下がったらどうするのか(損切りするのか、塩漬け覚悟で持ち続けるのか)をあらかじめ決めた上で買い向かうことをお勧めします。


結論・自分自身のルールを決めてそれを守ることで株価に振り回されないようにする

 結局のところ、株価急落の際の考え方は人によりまちまちなので、「自分自身はどうするか」をしっかりとルールを決めておくことが大事です。そうしないと、株価が乱高下したときなどはその動きに振り回されてしまい、誤った投資行動により余計な損失を被る可能性が高くなってしまうからです。


 筆者であれば移動平均線を超えたら買い、割ったら売りという、自分自身のルール原則に沿った投資行動をしますし、長期保有を貫くのであれば何もしない、というのもありでしょう。


 また、株価が大きく下がったら買う、というポリシーを決めている人は、それに従って淡々と買っていくというのも一つの方法です。


 ただし、筆者は株式投資で最も重要なのは、「大きな損失を被らないこと」だと考えていますから、それに沿ったルール設定をしています。


 ですから、株価が25日移動平均線を割り込んでいる銘柄は基本的には買わないですし、株価急落で例外的に買う場合も、どこまで下がったら損切りするかを決めた上で買っています。


 特に今のように、日経平均株価が史上最高値を更新したところからの株価急落は、株価が当面の天井を付ける場合もありますので、保有継続により塩漬け株をつくってしまう可能性も踏まえた上で、自分自身でどう行動するかを決めていくようにしてください。


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(足立 武志)

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