iDeCoは一度設定したら終わりではありません。資産形成には、iDeCo特有の続け方やしてはいけない売買を知ることが重要です。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の山崎 俊輔が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 iDeCoの賢い続け方。「良いほったらかし投資」をしよう! 」
iDeCoで運用を始めたらどうすればいい?
iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、運営管理機関を選び、口座開設の書類を提出し終えた後、運用指図を行えば、あとは最初の掛金引き落としを待つばかりです。そこからあなたのiDeCoの資産運用がスタートします。
ここで重要になるのは、次のステップである運用の「続け方」です。というのはiDeCoの運用は、一般的な投資の売買と異なる条件があるからです。
一般的に、運用のテクニックは「買い方(銘柄選び・タイミング)」と「売り方(銘柄の評価・タイミング)」が中心のように思われがちです。しかし、iDeCoではこれらが行えません。個別企業を選んで買うようなことはできませんし、売買タイミングを見計らうようなこともできません。
投資金額を一度に大きく入金するような入金のタイミングも選べません。
下表を見てみるとよく分かりますが、iDeCoの投資は一般的な投資と異なるのです。
iDeCo 一般的な投資 入金タイミング 定期的
※年単位拠出を選べる場合あり 自由 購入タイミング 定期的 自由 購入金額の自由 なし(掛金額の範囲) 自由 銘柄選びや集中投資 できない(投資信託などから選択) 自由
こうした条件を踏まえてiDeCoの投資スキルを考えていく必要があります。
iDeCoの運用は「配分指定」と「スイッチング」で行う
また、iDeCoの売買には少し特殊なルールがあります。まず、運用の注文方法は「掛金の配分指定」「スイッチング」の2種類があります。
「掛金の配分指定」とは、毎月入金される掛金について、どの運用商品をどのくらいの割合で投資するのかを指定することです。こちらは、掛金額がいくらになっても注文が通るように「%」で指定するのが特徴です。
例えば、「A投資信託 50%、B投資信託 40%、C定期預金 10%」のように指定をしておくと、次回以降の掛金で購入する投資信託などの割合が決まります。この指定を金融機関が定める日までに変更できなかった場合、反映は翌月になります。
一方、「スイッチング」とは、「売り」と「買い」が一対になる注文を行い、運用商品の乗り換えを行う注文方式です。こちらは保有資産を対象に行います。
すでに保有している資産ですから、投資信託などの口数や金額で売却注文を出し、その売却された金額の全てが新規購入の金額として用いられます。
iDeCoの売買は、投資信託もしくは預金などの注文になり、指値や成行のようなリアルタイムトレードで行う注文はできません。
一般的な「現金化」も、実際に「投資信託」を売却して「銀行預金」を購入するスイッチングとみなします。
投資信託から別の投資信託への乗り換えを行う場合、売却金額の受け渡しが完了し、次の購入が完了するまでに複数営業日がかかるのが一般的です。
これはつまり、今日明日の価格の騰落を狙った利益確定のような戦術はiDeCoでは取れないということです。これもiDeCoの運用の特徴です。
iDeCo売買で「損をしたら手放す」「落ち着いたらまた買い直す」はしない
基本的に、iDeCoで値下がり時の損失確定は避けた方がいいでしょう。一時的に値下がりすることはあっても、元本割れした状態で手放す、つまり損失確定した場合、そのマイナスを取り戻すことは容易ではないからです。
理屈としていえば、マイナスの状態で手放したときの価格と同額、あるいはそれ以下で買い直さなければ、マイナス分を取り戻すことはできません。そうでなければ「ほったらかし」しておけばよかった、ということになります。
しかし、売却時点よりさらに値下がりした状況で買い直すことは、普通の人のメンタルではできません。
仮に、値下がりした後、手放した時点の価格まで戻ったときに買い直すことができればギリギリセーフです。しかし、元の価格からは大きく値下がりしているわけで、ほとんどの人は手が出せないでしょう。
最悪なのは、手放した時点より株価が回復したあたりで「そろそろまた投資をしてみようか」とばかりに買い直すような投資スタイルです。
これではマイナスを取り戻すことができないことになりますし、そんな売買を行うなら、何もしなければよかった、ということになります。
iDeCoの場合、市場が一時的に下落している時期に、しゅくしゅくと積立投資を継続することで平均購入単価を下げる効果、いわゆるドルコスト平均法の効果を得るよう工夫することが効果的です。
一時的なマイナスになっても焦って売らない方がいいでしょう。
いいほったらかし投資をしよう
ほったらかし投資、といえば山崎元さんと水瀬ケンイチさんが共著「ほったらかし投資術」で提唱した投資スタイルですが、この投資手法、iDeCoにしっくりくるところがあります。
iDeCoは頻繁な売買にはまったく不向きであり、集中投資もできません。「あえて新興国株投信だけを買う」のようなアセットクラスの集中はある程度可能ですが、「テスラだけに集中投資」のような個別銘柄への集中投資はできません。
引き落とし額は毎月一定で指示に従うしかなく、買付日も指定できません。私自身「その買付日ではなく先週くらいに買っておいてくれたら、もうちょっと安かったのに」と思うこともありますが、手動で注文を入れる投資スタイルにしていたら、サボって投資しないのがオチだと思います。やはりiDeCoのスタイルがいいのです。
もちろん、100%ほったらかしOKというわけではありません。ときどきは運用状況のチェックが必要です。これも、60歳あるいはそれ以降まで投資を続けるのであれば、1年に1回以下でもおそらく大きな支障は生じないでしょう。
1年に一度は、運用報告書を見て現状を把握し、投資方針継続の可否を判断しましょう。基本的にはそのまま続けていくといいでしょう。
例えば、自分の年齢で5と0の年にはiDeCoもじっくりチェックする、と決めておくのも良い方法です。これも「また5年、この調子で続けていく」としてもかまいません。
「よく分からないから、全額定期預金」「いくら増えているか、あるいは減っているかはよく分からない」「このペースで増やしていって、老後が安心かどうかもよく分からない」というのは「悪いほったらかし」です。
ほったらかし投資を「いい方向のほったらかし」にすることが大切です。頻繁な売買は必要ありませんので、よい形でのほったらかし投資をiDeCoで続けていきたいものです。
(山崎 俊輔)

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