AIラリーに高市ラリーが加わり、日経平均の最高値更新の勢いが止まりません。内閣支持率も71%(読売新聞調査)と高い数字となり、好調なスタートを切りました。

この期待はどこまで続くか、高市首相が外交・財政金融問題で成果を上げられるか。しばらく過熱感が高まる相場にあって、慎重に見守る必要があります。


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高市ラリー続く

 先週(営業日10月20~24日)の日経平均株価は、1週間で1,717円(3.6%)上昇して4万9,299円となりました。高市早苗・自民党総裁が新首相に決まった21日には一時4万9,945円をつけ、史上最高値を大幅に更新しました。外国人投資家による、高市内閣の成長戦略に期待した買いが続いたと考えられます。


<日経平均週足:2024年1月4日~2025年10月24日>


高市内閣、高支持率でスタート。日本株の上昇期待はどこまで続く?(窪田真之)
出所:楽天証券マーケットスピード IIより作成

 10月10日に公明党が自民党との連立を離脱したと発表した時には、高市氏が野党との連立をまとめられるか不安が出ました。その後、日本維新の会との連立、高市新首相誕生が決まったことで、改めて高市政権の成長戦略に期待する買いが出たと考えられます。


<日経平均と外国人投資家の売買動向(売越・買越、株式現物と株価指数先物の合計):2025年3月24日~10月24日(外国人投資家売買動向は10月17日まで)>


高市内閣、高支持率でスタート。日本株の上昇期待はどこまで続く?(窪田真之)
出所:QUICK・東証データより楽天証券経済研究所作成

 高市早苗氏が自民党総裁選に勝利したのは10月4日でした。その直前、外国人投資家は日本株を売り越しに転じていました。トランプ関税ショック後の外国人買いがそろそろ終わるかと思われていました。


 しかし、高市総裁が決まった直後、10月6~10日の週、日経平均を2,319円上昇させたのは、外国人投資家による1兆1,847億円の買い越し(株式現物と株価指数先物の合計)です。高市政権への外国人投資家の期待の高さが分かります。


 その次の週(10月14~17日の週)は、外国人投資家は再び売り越しになり、日経平均も反落しました。

公明党の連立離脱が出てから、高市政権への不安が出ました。


 ところが、自民―維新連立で高市政権が成立した先週(10月20~24日の週)は、再び日経平均が大幅高となっています。先週の外国人投資家の売買統計はまだ出ていませんが、外国人投資家の大量買いで日経平均は大幅上昇したものと思われます。


高市首相は歴史に残る強いリーダーとなれるか?

 外国人投資家は、高市首相が強いリーダーとなって、資本主義の成長戦略を進めるイメージで日本株を買ってきています。果たして、外国人投資家の期待通りとなるでしょうか?


 高市氏が自民党総裁に決まった直後の10月7日のレポートで、私は、高市氏が強いリーダーとなるために越えなければならない六つの関門を挙げました。以下です。


2025年10月7日: 高市ラリーで日経平均は史上最高値を更新!外国人投資家は日本の政局をどう見る?(窪田真之)


<10月7日レポートに挙げた「高市氏が強いリーダーとなるために越えねばならない関門>


高市内閣、高支持率でスタート。日本株の上昇期待はどこまで続く?(窪田真之)
出所:筆者作成

【1】【2】【3】までは、順調にこなしたと考えられます。


【1】公明党の連立離脱危機を日本維新の会との連立でカバーし、無所属議員の支持も得て、衆議院の首相指名投票で、過半数を獲得しました。
【2】閣僚は、「高市色」を強く出した人物を選び、現時点では評価を得られています。
【3】内閣支持率が出始めていますが、高い支持率が出ています。


 読売新聞社の調査では、高市内閣の支持率は71%と、発足時で歴代5位の高さとなりました。昨年9月、石破内閣時の支持率34%を大きく超えました。共同通信社が実施した調査では、高市内閣の支持率は64.4%でした。


 この先、【4】外交で成果を出せるか【5】公約実現できるか【6】解散総選挙をクリアできるか、注目されます。


日本株の投資方針

 日米株価にやや過熱感があります。株価の上昇分を少し利益確定売りするのも良いと思います。


 ただし、日本株の長期的な見方は変わりません。日本株は割安で、長期的な上昇余地は大きいと考えています。これからも、急落・急騰を繰り返しながら、上昇していくと思います。


 日本株の保有がほとんどない方は、少しずつ、時間分散しながら割安な日本株に投資していくことが長期の資産形成に寄与すると思います。


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(窪田 真之)

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