三菱UFJ FG、三井住友FGは、ともに非常に好調な中間決算を発表。両社とも通期の業績見通しを上方修正するとともに、増配と今期2回目の自社株買いを発表しました。

業績好調・株価割安な高配当利回り株として両社の「買い」推奨を継続する理由を解説します。


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三菱UFJ ・三井住友の「買い」継続

  三菱UFJ フィナンシャル・グループ(8306) (以下「三菱UFJ FG」と表記)、 三井住友フィナンシャルグループ(8316) (以下「三井住友FG」と表記)の2社が、中間決算(2025年4-9月期決算)を発表しました。


 決算発表と同時に、通期(2026年3月期)の業績予想を上方修正しました。また、2社とも、増配と今期2回目の自社株買いを発表しました。2社とも、3期連続最高益、5期連続増配を予定しています。


 筆者は2019年以降、この2社を一貫して「買い」推奨してきました。その投資判断は変わりません。好業績で株価割安な高配当利回り株として、「買い」推奨を継続します。


 三菱UFJ FG、三井住友FG2社の「買い」推奨を継続する理由は以下、三点です。


【1】2社とも金利上昇で利ザヤ拡大・3期連続で最高益更新の見通し


 長期金利上昇の恩恵で、2社とも国内で預貸金利ザヤ(貸付金利と預金金利の差)が拡大しています。日本のインフレ率・長期金利の上昇は来年以降も続き、来期以降も利ザヤ拡大につながると予想しています。


 2社の近年の株価上昇は、金利上昇の恩恵を評価する動きです。ただ、2社の評価ポイントはそこだけではありません。

海外展開・ユニバーサルバンク経営により2社とも、低金利でも安定的に高収益を上げるビジネスモデルが出来上がっていると判断しています。そこに金利上昇の追い風が加わっています。


【2】2社とも配当利回りの高いバリュー(割安)株であること


 2社とも近年、株価が大きく上昇しましたが、それでも現在の株価は株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)が低く、配当利回りが高いバリュー株であることには変わりません。


【3】2社とも、株主への利益還元に積極的であること


 2社とも、継続的に増配・自社株買いを行っていることが、高く評価できます。


2社とも最高益続く見通し

 三菱UFJ FG、三井住友FGが発表した中間決算(2025年4-9月期)は好調で、過去最高益を大幅に更新しました。


 決算発表と同時に、以下の通り、2社とも通期の純利益見通しを上方修正しました。


<三菱UFJ FG、三井住友FGの2026年3月期純利益(会社予想):期初予想との比較>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:両社決算説明資料より楽天証券経済研究所作成、三菱UFJ FGについては会社目標を会社予想と表記

 両社とも、国内金利上昇により国内で預貸金利ザヤ(貸付金利―預金金利)が拡大した効果が増益に寄与しています。また、投資銀行業務などで手数料収入が拡大していることも追い風です。海外では金利低下でわずかに利ザヤが低下しましたが、高水準の利ザヤおよび収益が確保できています。


 今回、利益見通しを上方修正した理由として、2社とも期初に見込んでいたトランプ関税によるマイナス影響が顕在化しなかったことを挙げています。期初予想では、トランプ関税によって、世界景気が悪化して日本および米国の金利が低下する可能性などを織り込んでいました。


 三井住友FGは今回純利益見通しを2,000億円上方修正しましたが、うち1,000億円は本業好調の効果、800億円は関税によるマイナス影響を下方修正した(マイナス1,000億円からマイナス200億円に修正)効果としています。


 三菱UFJ FGは今回純利益見通しを1,000億円上方修正しましたが、本業好調(顧客部門の利益拡大)、トランプ関税の影響縮小(世界景気悪化で金利が低下しなかった効果など)、持分法投資損益の拡大などが貢献と説明しています。

 


 両社とも、金利上昇が追い風となっています。ただし、それだけではありません。ユニバーサルバンク経営で低金利下でも高収益を稼ぐビジネスモデルが出来上がっているところに、金利上昇の追い風が加わっています。


<三菱UFJ FG、三井住友FGの連結純利益:2014年3月期~2026年3月期(会社予想)>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:各社決算資料、QUICKより楽天証券経済研究所が作成。2026年3月期は会社予想

 上記の業績推移をご覧いただくと分かる通り、両社とも金利低下局面(2014~2019年)も安定的に高収益を稼いでいます。金利低下で国内商業銀行部門は不振でしたが、海外事業の拡大とユニバーサルバンク経営で高収益を維持しました。


 金利上昇局面に入った2021年以降は、最高益を大きく更新する展開が続いています。


2社とも株価割安のバリュー株

 過去3年、三菱UFJ FGと三井住友FGは株価が大きく上昇しました。それでもなお、株価指標で見て割安なバリュー株であることに変わりありません。


<2社の株価バリュエーション:2025年11月19日時点>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:両社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは2026年3月期会社予想ベース1株当たり配当金(DPS)を11月19日株価で割って算出。DPSは、三菱UFJ FG74円、三井住友FG157円

2020年まで金利低下を嫌気して過度に売り込まれていた

 三菱UFJ FG、三井住友FGの株価は2021年以降大きく上昇しましたが、それでも株価指標で見て割安です。2020年まで、金利低下を嫌気して株価が長期にわたり低迷していたからです。日本および世界の金利低下を嫌気して売り込まれていました。それが、2021年以降、世界的な金利上昇を好感して、株価が急上昇しています。


<日経平均および三菱UFJ FG、三井住友FG株価の動き比較:2007年1月~2025年11月(19日まで)>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:2007年1月末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 三菱UFJ FG、三井住友FG株とも金利低下が続いた2020年まで、日経平均株価を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株が売り込まれ、その流れで両社とも売り込まれました。


 ただし、既にご覧いただいたように、三菱UFJ FG、三井住友FGとも金利低下期でも安定的に高収益を稼いできました。「金利が下がると銀行の収益が悪化する」というイメージは、この2社には当てはまりません。


<日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2025年11月(19日)>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

前期に続いて今期も増配

 両社とも株主への利益配分に積極的です。以下の通り、両社とも、コロナ禍で配当を据え置いた2021年3月期を除けば、安定的に増配を続けています。


<三菱UFJ FG、三井住友FGの1株当たり配当金:2017年3月期実績~2026年3月期(会社予想)>


五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
出所:各社決算資料・QUICKより楽天証券経済研究所が作成、三井住友FGの配当金は、2024年10月1日の1対3株式分割を考慮して修正

 両社とも、さらに自社株買いを積極的に行っていることが高く評価できます。


 三菱UFJ FGは、上半期に2,500億円の自社株買いを実施しましたが、今回さらに2,500億円(発行済株式総数の1.08%)の自社株買いを追加発表しました。11月17日~来年2月27日の間に市場買い付けする予定としています。


 三菱UFJ FGは合わせて今期5,000億円の自社株買いを実施する予定です。現在の株価で計算すると、発行済み株式数の約2.16%に相当する自社株買いとなる見込みです。


 三井住友FGは、上半期に1,000億円の自社株買いを実施しましたが、今回さらに1,500億円(発行済株式総数の1.3%)の自社株買いを追加発表しました。11月17日~来年1月31日の間に市場買い付けする予定としています。


 三井住友FGは合わせて今期2,500億円の自社株買いを実施する予定です。

現在の株価で計算すると、発行済み株式数の約2.16%に相当する自社株買いとなる見込みです。


 最後に告知事項および著書紹介です。


【告知事項】 みずほフィナンシャルグループ(8411) は投資判断の対象外


 楽天証券は、みずほFGの子会社であるみずほ証券の出資(49.0%)を受けている。そのため、みずほFGは投資判断の対象外。筆者は三井住友FG株を1万5,000株保有。


 株式投資のテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析を書籍で勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)と、決算書の見方などを学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。


「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの 株トレ 」


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五期連続増配の好利回り株、三菱UFJ・三井住友FG「買い」継続の理由(窪田真之)
「株トレ」 シリーズ2点 書影

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(窪田 真之)

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