買いたい株が大きく値上がりしてしまい、残念に思っていたら、ようやく株価が下がってきた。これはチャンスなのでしょうか? 乱高下する株の売買タイミングを見極めるヒントになるのが長期の株価チャートです。
クイズ
いつか買いたいと思っているA社の株価が11月に入ってから少し下がってきました。この株価チャートを見て、すぐに買っても良いか判断してください。
<A社株価チャート(株価・売買高の週次推移):2024年7月1日~2025年11月18日>
【ヒント】売買高の変化に注目
売買高が120万株の箇所に紫色の線を引きました。売買高がこの線を超えているところに注目し、その意味合いについて考えてください。
長期の資産形成でも、個別株を買う時はチャートを見ましょう
今日は、チャートを読むクイズです。株を買う時、一度はチャートを見るようにしましょう。1カ月や2カ月の短いチャートではなく、1年以上の長めの期間の動きを見ましょう。
毎月一定額を積立投資しているならば、チャートまで見る必要はありません。短期的な上昇下落は気にせず、毎月淡々と積み立てしていけば良いでしょう。
ただし、個別銘柄に投資する場合や、一度に大きな金額を投資する場合は話が別です。投資前に株価チャートを見てください。今にも崩れ落ちそうなチャートの時はすぐに買わずに様子見し、上がっていきそうなチャートの時は早めに買うことをお勧めします。
株価チャートを見ると言っても、テクニカル分析の専門書を読み込む必要はありません。
クイズの正解の後にある、テクニカル分析の詳しい解説も読んで勉強してください。
テクニカルの投資判断は100%当たるとは限らない
チャートを見て、株価の先行きを予測する手法を、テクニカル分析と言います。株価売買のタイミングを計るのに役立ちます。とは言っても、テクニカル分析の判断は100%当たるわけではありません。チャートに出ているのは、その株の現在の需給です。買いの勢いが強いか、売りの勢いが強いか、あるいは売り買いの力が均衡しているのかをある程度推測することができます。
株価は、短期は需給、長期はファンダメンタルズで動きます。ファンダメンタルズに大きな変化がなければ、株価はチャートに表れている需給の力関係で動きます。ファンダメンタルズに大きな変化が起こると、需給も変わります。
株価チャートに買いシグナルが出ている株でも、強烈な悪材料が出れば株価は急落します。一方、株価チャートに売りシグナルが出ている株でも、強烈な好材料が出れば株価は急騰します。チャートのシグナルは、ファンダメンタルズの変化には勝てないということです。
それでも、ファンダメンタルズに大きな変化がない限り、シグナル通り動くことが多いため株価チャートを見る意味はあります。
正解
A社のチャートを見ると、「すぐに買わず、少し様子見した方が良い」と判断できます。
あるいは、少しだけ買って様子見するのも悪くないでしょう。トータルで1,000株買おうと思っているならば、とりあえず100株だけ買って様子見するという方法です。
A社の株価には、テクニカル分析での明確なシグナルは出ていません。買いの勢いが強く、早いピッチで上昇が続いてきたものの、足元、急速に買いの勢いが低下して、株価に転機が訪れる可能性が少し出てきたところです。
このようなケースでは、急いで買う必要はありません。さらに上昇していくにしても、しばらく値固めが必要です。場合によっては、もう少し下がる局面があるかもしれません。
そのように考える理由を以下に説明します。特に売買高が増えている箇所は要注目です。
<再掲:A社チャート(解説用)>
【1】2024年8月パニック売り
2024年8月に、株価が急落した所で売買高が急増しています。下げに耐えられない投資家が一斉にパニック売りを出したためだと思われます。
しかし、急いで売りたい投資家は全て売り終えたため、それ以上の売りが出なくなり、株価は直後から急反発しました。
【2】2025年4月パニック売り
2025年4月にも、まったく同じことが起こりました。株価が急落したところで、売買高が急増しています。パニック売りで売りたい投資家が一気に売り終わってしまった後、株価は急反発しました。
【1】【2】は、大底圏での売買高急増は、テクニカル分析でいう「株価底入れシグナル」です。パニック売りで短期的に株価が下げ過ぎているため、その後に反発しやすくなります。
【3】2025年10月熱狂的買い
2025年10月、株価が1,000円を超えたところで大商い(売買高が多いこと)となりました。熱狂的な買いが入っていたと思われます。ところが、その直後、2025年11月には株価が急落して900円台まで下がりました。
この結果、急いで買おうとしていた人が少し冷静になり、「少し様子見しよう」と考えるでしょう。高値で急いで買った人は、「しまった!」と感じているかもしれません。
以上の理由から、A社株はすぐには買わずに、少し様子見した方が良いと私は考えます。
A社株の今後半年~1年後の動向は、ファンダメンタルズ(企業業績)によって決まります。ファンダメンタルズの変化を見つつ、様子見しながら考えた方が良い局面だと思います。
A社の正体
「A社」の株価は、日経平均株価の値を50分の1にしたものです。売買高は、東京証券取引所の売買高を1万分の1にしたものです。
元の日経平均のチャートは以下の通りです。
<日経平均株価チャート(週次推移):2024年7月1日~2025年11月18日>
日経平均が12月末にかけてどう動くかは、最終的にはファンダメンタルズ(景気・企業業績)によって決まります。需給変化とファンダメンタルズの変化の両方を見ながら考えていきましょう。
2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ
最後に、テクニカル分析を書籍で勉強したい方に、私がダイヤモンド社から出版した「株トレ」をご紹介します。
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ」
私が25年の日本株ファンドマネジャー時代に得たテクニカル分析のノウハウを初心者にも分かりやすく解説しています。クイズ60問を解いて、トレーニングする形式です。株価チャートの見方が分からなくて困っている方にぜひお読みいただきたい内容です。
(窪田 真之)

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