2008年の世界金融危機以降の17年間は持続不可能な人工的な借金まみれの時代だったのか? QEとゼロ金利によってあおられた17年間の蜃気楼だったのか? 来年後半に、われわれはその答えを知ることになろう。
2008年の世界金融危機以降は持続不可能な人工的な借金まみれの時代だったのか?
日本銀行は金曜日(19日)にようやく金利を引き上げるらしい。
【ドイツ銀行で為替ストラテジストを務めるティム・ベイカー氏は「インフレ率が3%を超える中、日本銀行の利上げペースは緩やかで、実質金利が大幅なマイナスの状態をそのままにしているのは奇妙だ」と語り「日銀は市場から中央銀行としての信頼を失いつつある」と指摘する】
(12月16日 日本経済新聞 日銀利上げ「奇妙なほど遅い」 ドイツ銀行為替ストラテジスト)
日本の債務はインフレと戦うために金利を上げることが不可能になるレベルに達している。
国内総生産(GDP)に占める政府債務の割合は以下のようになっている。
日本:234%
中国:96%
インド:80%
パキスタン:73%
マレーシア:70%
タイ:64%
フィリピン:58%
韓国:54%
オーストラリア:50%
インドネシア:41%
バングラデシュ:40%
ベトナム:33%
世界の株式市場の推移と日銀の政策金利「生産性を高めずに財政赤字を計上し、国債を発行し、貨幣を増発し続けることはできず、それは長期的に持続不可能だ」
(レイ・ダリオ)
日本10年国債金利(日足)
2008年の世界金融危機以降の17年間は持続不可能な人工的な借金まみれの時代だったのか? QEとゼロ金利によってあおられた17年間の蜃気楼(しんきろう)だったのか? 来年後半に、われわれはその答えを知ることになろう。
米国の負債とGDPの推移
日米の金融当局は、プリンティングマネー(紙幣増刷)によって資産インフレ(バブル)を起こして好景気を演出し、通貨の下落によって債務(借金)の価値を下げるというインフレ(ステルス増税)政策を続けている。高市政権の政策もそうした方向性と整合的だ。
米連邦準備制度理事会(FRB)や日本銀行といった中央銀行はもはやインフレと戦っていない。金融政策の独立性を保っているかのように見せかけながら、市場介入を続けて金融システムの崩壊と戦っているのだ。
1971年(金本位制終了)以降の国家債務増加率を見てみよう。
米国:9,548%
日本:18,858%
英国:5,124%
フランス:9,597%
イタリア:6,100%
ドイツ:6,122%
カナダ:7,490%
オーストラリア:6,760%
世界的な債務危機が不換紙幣(紙切れ)と違って「印刷できないゴールド」の価格を押し上げている。ゴールドが上がっているのではなく、通貨が購買力を失っているのだ。
ゴールド/ドルCFD(週足)
通貨(日本円)の崩壊は日本が長年の疑似MMTという異常な金融政策の代償として支払っているものである。結果、通貨インフレという詐欺的増税が到来している。日銀は世界の中央銀行による型破りな政策の大実験の終結を示すことになるだろう。
ゴールド/円CFD(週足)
FRBや日本銀行を見ていれば分かるが、インフレは危機ではなく、借金の実質的な価値を下げる巨大な債務の解決策なのである。いずれにせよ、債務問題の解決にはインフレが使われる。
通貨を大量に印刷していることから、株式市場が大きく上昇する一方で、ゴールドの上昇は通貨の購買力が大きく下落していることを示唆している。米国も日本も資産価格を維持しつつ、通貨を下落させ借金の価値を下げる選択をしている。従って、株式市場よりも危ないのは「通貨」である。
日経平均CFD(日足)
ドル/円(日足)
ユーロ/円(日足)
世界の政府債務の利子支払いは年率換算で過去最高の4.9兆ドルに達した。過去3年間で利子コストは1.6兆ドル増加した。同期間に世界の債務は55兆ドル増加し、過去最高の346兆ドルに達した。これは長期的には持続不可能である。
米国経済は負債と資産を両方膨らませるという「両建て経済」となっているが、両建てどころか負債の方が多い。つまり、経済の成長が負債に追いついていないのである。
債券王のジェフリー・ガンドラックが指摘しているように、「米国人が見ているのは成長の幻想だ。借用証書を発行して、それを使った数字を成長とうたっているにすぎない」のである。そもそも歳出は決して成長ではないのだ。
われわれに残っているのは、旧態依然としたカジノ化した市場にけん引された「仮想的な富の効果」だけだ。
本来、経済が成長し、賃金上昇率やインフレ率が高まる好循環にあるのだとすれば、FRBによる利下げや金融市場への介入、また政府による財政赤字を伴う支出は必要ないはずである。しかし、この先、米国では利下げとQE5が行われるだろう。
中央銀行はプリンティング・マネーしかできない。投資家は今後予定されている「利下げ」と「QE5」の波に乗って、最後まで「死の舞踏」を続けるだろう。相場はまだ上昇するだろう。
だが、資産と負債を際限なく膨らます両建て経済でカジノ化した市場の怖さは、「相場が急落すると資産は減るが、負債は減らない」ということだ。
2026年の相場は波乱含みだ!
S&P500CFD対数チャート(月足)
「上昇相場であれ下降相場であれ、トレンドの最終段階を取引する準備は、教室での訓練では到底できない」
(ポール・チューダー・ジョーンズ)
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