年末年始の株式市場は日米ともにおだやかな展開でした。今週は米国の12月雇用統計、次期FRB議長人事、半導体メモリ価格高騰、CESの開催、内需小売株の決算発表といった材料が盛りだくさんです。

週末には米国が南米ベネズエラを軍事攻撃したことで状況が急変。短期収束なら株高につながる可能性もあります。


今週のマーケット:2026年の日経平均は一時1,600円超え...の画像はこちら >>

今週のトピック:日本市場の大発会。内需小売株に多い2025年9-11月期決算発表

日付 イベント 1月3日(土) ・米国がベネズエラを軍事攻撃しマドゥロ大統領を米国に移送。「米国が運営する」方針を表明 1月5日(月) ・日本市場、大発会。2026年の取引スタート
・米国の12月ISM製造業景況指数 1月6日(火) ・ 高島屋(8233) などが2025年9-11月期決算発表
・米国ラスベガスでテック見本市「CES」開催 1月7日(水) ・米国の12月ISM非製造業景況指数、12月ADP民間雇用統計、11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 1月8日(木) ・ イオン(8267) 、 セブン&アイHD(3382) などが決算発表 1月9日(金) ・ 安川電機(6506) 、 ローツェ(6323) などが決算発表
・米国の12月雇用統計、1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値
  • 米国トランプ政権が3日(土)、南米ベネズエラを軍事攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束。短期収束なら株高期待も!?
  • 2026年の日本株の取引が開始。8日(木)の イオン(8267) など内需小売株や9日(金)のフィジカル人工知能(AI)関連株・ 安川電機(6506) の決算発表に注目!
  • 米国で重要景気・雇用指標が発表。9日(金)の12月雇用統計などが落ち込むと、逆に1月の追加利下げ期待が高まり米国株上昇!?
  • 1月6日(火)~9日(金)、世界最大のテック見本市「CES」開催。エヌビディア最高経営責任者(CEO)ジェンスン・ファン氏の講演をきっかけにAIの新テーマに注目集まる!

1月5日(月)の日経平均

 2026年の取引開始となる5日の日経平均株価は、昨年から671円高となる5万1,010円でスタート。AI・半導体関連株の影響を受け、後場では一時1,600円超高となる大幅拡大。終値は前営業日比1,493円高の5万1,832円で取引を終えました。


今週:米国のベネズエラ攻撃で先行き不透明。
国内では内需小売株の好決算に期待!

 2026年の株式市場はいきなり波乱の幕開けとなりそうです。


 1月3日(土)、米国トランプ政権は南米のベネズエラを軍事攻撃。マドゥロ大統領を拘束して米国に移送し、麻薬テロ犯として米国内で起訴するもようです。


 短期的な国際紛争は株価にとって朗報なことが多いのも事実です。有事の際に買われる金(ゴールド)や、ベネズエラが世界有数の産油国であることから原油価格高騰で海運・資源株が上昇する可能性もあります。


 トランプ大統領はベネズエラの政権移行が完了するまで同国を運営すると発言。事態が長期化したり、米国の動きに乗じてロシアや中国が他国に軍事行動を仕掛けた場合、地政学的リスクの高まりで長期的には株価が急落する恐れもあります。


 一方、2026年の日本株は好調な展開が続きそうです。


 昨年2025年の日経平均株価(225種)は前年末比1万445円(26.18%)高の5万0,339円で終了。


 もし2026年も同じ上昇率が続くなら、年末には6万3,517円に到達してもおかしくありません。


 日本株上昇の前提条件の一つは円安トレンドの継続ですが、2025年は1ドル=157円21銭で始まり、新年1月2日(金)も156円80銭台をつけ、心地よい円安が続いています。


 年率3%前後の物価高時代、値上げで収益が向上しやすい内需株、トランプ関税の悪影響が想定以下だった外需株の両輪がうまく回れば、2026年の日本株も右肩上がりの上昇が続きそうです。


 今週、日本では内需小売株に多い2026年2月期決算企業の第3四半期(2025年9-11月期)決算の発表が相次ぎます。


 6日(火)には中国人観光客の減少が心配な百貨店の 高島屋(8233) 、8日(木)にはプライベートブランド商品の売り上げが絶好調で今期も増収増益を見込む流通最大手のイオン(8267)、9日(金)にはフィジカルAI関連株として株価の反転上昇が続く産業用ロボットの安川電機(6506)などが決算発表。


 内需小売株は相次ぐ値上げによる消費減退で今後は業績成長の鈍化も懸念されます。


 2025年末には、それまで青天井だった株価上昇の勢いが多少鈍っているだけに、決算発表後の株価の反応に注意が必要かもしれません。


 米国市場でも今週は月初恒例の重要雇用・景気指標が発表されます。


 7日(水)には米国給与計算代行会社 オートマチック・データ・プロセッシング(ADP) の12月民間雇用統計や米国雇用動態調査(JOLTS)の11月求人件数が発表。


 前回11月のADP民間雇用統計は1万人増の予想に対して3.2万人減少。今回12月分は4.7万人増の予想です。


 9日(金)には12月雇用統計も発表されます。12月の非農業部門新規雇用者数の予想は5.5万人増、失業率は4.6%から4.5%に低下する見通しです。


 前回12月16日発表の11月雇用統計は強弱まちまちながら、全体として見ると米国雇用市場の減速を示す結果でした。


 米国の雇用指標は極端に悪化しない限り、多少の落ち込みは逆に1月28日(水)終了の米連邦公開市場委員会(FOMC)での4会合連続利下げ期待につながるため、米国株上昇の要因になりそうです。


 ベネズエラを電撃的に攻撃し、またもや世界を騒がせたトランプ大統領ですが、2026年1月早々に5月15日退任予定のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に代わる次期FRB議長の人事を発表すると発言しています。


 今週はさすがにベネズエラ国内の抵抗勢力との軍事衝突も想定されるため、FRB人事発表は延期になるかもしれません。


 その最有力候補のケビン・ハセット現国家経済会議(NEC)委員長は「自分が議長なら今すぐ利下げする」と発言するなど、FRBに大幅利下げを要求しているトランプ大統領の言いなりに動く可能性が高そうです。


 もしハセット氏が次期FRB議長に指名された場合、短期的には2026年の利下げ期待が高まり、米国株が急伸する可能性もありそうです。


 ただ週末のベネズエラ攻撃、FRBの独立性に対する攻撃など、2026年もトランプ大統領の予測不能な政策・行動が続くようだと、投資マネーの米国離れがさらに加速してもおかしくないでしょう。


 ドル安・金(ゴールド)高がさらに進み、米国株から日本株、欧州株、新興株へ投資マネーが移動する可能性も高そうです。


今週:半導体メモリ株、フィジカルAI株が2026年の主役に!?テック見本市CESに注目!

 今週は6日(火)~9日(金)にかけて米国のラスベガスで世界最大のデジタル技術見本市(CES)が開催されます。


 日本時間6日(火)午前にはAI半導体の覇者である エヌビディア(NVDA) のジェンスン・ファンCEOがAI技術の次の展開について講演を行う予定。


 2025年はAIデータセンター向けの巨額な設備投資で潤うエヌビディアなどAI半導体メーカーやAIデータセンターに光ファイバー、銅製の電子部品などを提供する関連株が急上昇しました。


 ただ、米国の巨大IT企業などが果たして過剰投資に見合うだけの高収益なAIサービスモデルを確立できるかどうかが今後の懸念材料になっています。


 2026年は、AIが人間の指示を受けず自律的に業務を行うAIエージェント、AIで動く人型ロボットの開発などフィジカルAIといった分野が注目されるでしょう。


 特にエヌビディアのジェンスン・ファンCEOが注力する人型ロボットの開発では、同社と提携関連にある ファナック(6954) などに注目したいところ。


 日本の産業用ロボットメーカー各社は世界屈指の技術力やシェアを誇っているだけに期待が膨らみます。


 先週1月2日(金)の米国市場では、AI向けの旺盛な需要による半導体メモリの価格急騰を好感してメモリメーカーの マイクロン・テクノロジー(MU) が前日比10.5%高。


 同じくメモリメーカーの サンディスク(SNDK) が15.9%も急騰しています。


 今週の日本市場でも、2025年に株価が6.4倍も上昇した キオクシアホールディングス(285A) など半導体メモリ株が人気を集めそうです。


 2026年にどんなAI関連の新テーマが相場の主役になるか、最初の1週間のAI株の物色動向に注目しましょう。


先週の振り返り:物言う株主が狙う割安高財務企業、高市国策銘柄が上昇。トランプ関税骨抜きは自動車株に追い風!?

 昨年12月29日(月)~30日(火)の日経平均株価は410円(0.81%)安の5万0,339円と利益確定売りに押されて小幅安でした。


 米国のS&P500種指数も12月29日~1月2日の1週間は前週末比1.04%安で終わりました。


 ともに下落したものの、年末年始に起こりがちな乱高下もなく、全般的に落ち着いた値動きでした。


 日本株では、株式非公開化を進める 養命酒製造(2540) が、米国投資会社 ケー・ケー・アル・アンド(KKR) による株主公開買い付け(TOB)に村上ファンド系のアクティビスト(物言う株主)が応じなかったことで前週末比14.5%高。


 養命酒製造は有利子負債がゼロの高財務企業ながら、業績は低迷しています。


 2026年も物言う株主による株式買い占めなど、株価が割安でキャッシュリッチな企業に対する注目度が高まりそうです。


 またレアアースを含む泥の回収技術を持つ 東洋エンジニアリング(6330) が13.4%高。

2026年1月から南鳥島沖でレアアースの試験採掘が始まることが材料視されました。


 台湾有事に対する日中の緊張関係が継続していることもあり、2026年もレアアース関連株や防衛、造船関連など高市政権が推進する危機管理投資の恩恵を受けそうな企業の株価上昇に期待が持てそうです。


 具体的には資源、エネルギー、原発、防衛、国土強靭化(きょうじんか)、食料安全保障に関連する企業が注目されるでしょう。


 2025年12月末には米国トランプ政権が木製家具の関税引き上げの1年延期やイタリア産パスタへのアンチダンピング関税の大幅引き下げを発表しました。


 2026年11月の米国中間選挙を前に、トランプ大統領は支持率低下につながっている米国内の物価高を和らげるため、自らが打ち出したトランプ関税を実質、骨抜きにする動きを見せています。


 トランプ関税引き下げの動きが日本の米国への主力輸出品である自動車・自動車部品などに広がる可能性も高く、2026年は自動車株など外需株の見直し買いが進むかもしれません。


(トウシル編集チーム)

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