2026年は『フォース・ターニング(第四の転換)』の18年目にあたり、内戦、革命、世界的な紛争の真っただ中にある。帝国の最終局面は、2,000年前のローマでも現在の米国でも同じシグナルで終わるのが通常だ。
十大トレンドの一つにチェックが入り始まった2026年
世界情勢が劇的に変化し、次々と危機に見舞われそうだ。これから迎える次の章は、事態を全く異なるレベルへと引き上げようとしているように感じられる。トランプ米大統領は3日、「ベネズエラへの大規模な攻撃を成功裏に実施した」と発表するとともに「マドゥロ大統領を妻とともに拘束し、国外に移送した」と明らかにした。
トランプ大統領はこれまでも繰り返し、ベネズエラへの地上攻撃を示唆してきた。トランプ氏の発表に先立ち、マドゥロ氏は全土に国家非常事態を宣言し、米軍の攻撃について「帝国主義の攻撃だ」と述べ、対抗するために国内の全ての社会的・政治的勢力の総動員を命じていた。
ゼロヘッジの3日の記事「10 Very Important Trends To Watch As We Enter 2026(2026年に向けて注視すべき10の重要なトレンド)」は、われわれが現在経験している状況を「パーフェクトストーム」と表現している。
2026年はすでに非常に異例のスタートを切っており、今後数カ月はさらに多くの混乱が起こることが予想されるとし、2026年に向けて注目すべき10の重要なトレンドを具体的に以下の通り取り上げている。一部を抜粋して紹介しよう。
(1)銀価格
銀価格は世界の金融システムの水面下で大きな問題が起こっていることを示唆している。銀価格を抑制しようとする劇的な動きがあったにも関わらず、2025年に銀価格は約140%上昇した。世界中で取引されている現物の銀の価格の差は、極めて憂慮すべき事態となっている。
シルバーCFD(日足)
(2)住宅価格高騰の危機
残念なことに、米国の人口全体の約3分の2が基本的な生活費の支払いにさえ苦労している。CBSニュースが先月実施した世論調査では、米国人の10人中7人が食料、住宅、医療費の支払いに苦労していると答え、何百万世帯にも及ぶ住宅価格高騰の問題が浮き彫りになった。
(3)イスラエルとイラン
イスラエルとイランが再び戦闘を始めれば、世界情勢は急激に悪化するだろう。年末にイスラエルのネタニヤフ首相とトランプ大統領の会談が行われた。その中で、イランへの新たな空爆が話し合われたようだ。その空爆が実際に始まるまでそう長くはかからないだろう。会談中、ネタニヤフ首相は、テヘランがウラン濃縮活動の停止を拒否し続けた場合にイスラエルがイランに対して行う可能性のある追加空爆計画の詳細をトランプ大統領と共有した。米当局者と他の2人の米情報筋によると、イスラエルは2026年に空爆を検討しているという。
(4)ウクライナ戦争
ロシア軍はウクライナの東部戦線と南部戦線で着実に前進しており、ロシアはウクライナと欧州同盟国の要求に応じるつもりはないだろう。ロシア軍司令官らはプーチン大統領に対し、自軍がウクライナのドネツィク州ミルノフラド、ロディンスケ、アルテミフカの各都市と、ザポリージャ州のフリャイポレとステポノヒルスク各都市を占領したと伝えた。
(5)戦争に備える欧州
ロシアは他のヨーロッパ諸国を攻撃するつもりはないことを明確にしている。しかし、どういうわけか、欧州は戦争に向けて熱心に準備を進めている。
新たな大規模な兵役制度の一環として、ドイツの男性は全員、18歳になった瞬間、軍の質問に答えることが法的に義務付けられる。書類を無視することは許されない。質問票への記入を拒否したり、軍からのその後の要求を繰り返し無視したりする若い男性は、最高1,000ユーロ(800ポンド)の罰金を科せられる。政治家たちは、この制度について徴兵制度には程遠いと主張している。
(6) ベネズエラ
トランプ政権は、麻薬密売船を爆撃し、石油タンカーを拿捕するなどして、ベネズエラのマドゥロ大統領の政権と対立してきた。これにより、米国は中国と衝突する可能性がある。中国はベネズエラからの原油購入を止めるつもりはない。米国がベネズエラに接近する中国の石油タンカーを拿捕し始めれば、大きな国際問題を引き起こす可能性がある。
(7)台湾
中国は、台湾の本格的な封鎖がどのようなものになるかを訓練する軍事演習を終えたばかりだ。中国と台湾の間の緊張は近年で最も高まっている。中国政府はこの1年、大規模な軍事演習、空軍や海軍による侵攻、そして厳しい政治的メッセージを通じて台湾への圧力を着実に強めてきた。
(8)疫病
2020年に発生した疫病は今もなお世界中の人々を苦しめている。
米国の一部の州ではインフルエンザの症例数が急増している。「スーパーインフルエンザ」が米国全土で爆発的に増加しており、一部の州ではこれまでにないほど多くの感染者が出ている。次の大規模な世界的パンデミックが到来するのは時間の問題であり、科学者たちはそれがさまざまな方向からやってくる可能性があると警告している。
(9)環太平洋火山帯の地震活動
2025年には環太平洋火山帯の地震活動が劇的に増加した。2026年を迎えるにあたり、カリフォルニア州はほぼ毎日大きな地震に見舞われている。
(10)近代史上最大の世界食糧危機
私たちは現代史上最大の世界的な食糧危機の真っただ中にいる。国連世界食糧計画のサイトによると、1963年の国連世界食糧計画(WFP)設立以来、飢餓がこれほど深刻な状況に陥ったことはかつてないという。新たな紛争の勃発、気候変動の影響の深刻化、食料や燃料費の高騰などにより、何百万人もの人々が日々飢餓の危機に瀕している。
2026年は『フォース・ターニング(第四の転換)』の18年目にあたり、内戦、革命、世界的な紛争の真っただ中にある。帝国の最終局面は、2,000年前のローマでも現在の米国でも同じシグナルで終わるのが通常だ。最初の兆候の一つは、戦争の敗北、過剰な負債、赤字、通貨の切り下げ、衰退だ。永遠に続くものなど何もない。
Anglo-American history 1483-2030
ダグ・ケイシーは、ウィリアム・ストラウスとニール・ハウの著書『フォース・ターニング(第四の転換)』を引用し、「米国は今、大きな転換期を迎えており、内戦のようなものに向かっている。南北戦争が起きた1860年代と同じくらい深刻な事態になる可能性はある。おそらく、今後3年間、トランプがまだ大統領である間にそうなるだろう。彼はまさにその完璧な触媒だ」と述べている。
「これまで起きなかった」は、「今回は違う」と同様に危険な慢心である
国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストであり、ハーバード大学経済学、公共政策学教授であるケネス・ロゴフ氏は、2011年にカルメン・M・ラインハート氏とともに「国家は破綻する──金融危機の800年」(原題はThis Time Is Different)を共著した。
800年間にわたる世界各国の金融危機と国家破綻の事例を分析し、その共通パターンを明らかにしたものである。国家が基本的な機能を果たせなくなり、経済的、社会的な崩壊状態に陥ること、過剰な債務(政府、銀行、家計)の蓄積と「今回は特別」という慢心が、金融危機や国家破綻の共通パターンであると論じている。
そのロゴフ氏が昨年12月22日、プロジェクト・シンジケートに「Expect Turbulent Asset Markets in 2026(予想される2026年の資産市場の混乱)」を寄稿した。
ロゴフ氏は、昨年最大の驚きは、世界的な資産価格の急騰ではなく、4月のトランプ米大統領による「解放の日」の関税発表後の一時的な不安を除いて、投資家がリスクに対する懸念をほとんど示さなかったことであるとし、世界的な債務と株式のバリュエーションが経済のファンダメンタルズからますます乖離(かいり)しているため、2026年ははるかにリスクの高い年になりそうだと指摘している。
その中で、日本についても不確定要素だとして取り上げている。日本銀行がどこまで金利を引き上げるのか、また、投資家が円建てで借り入れ、高利回り資産に投資することで世界的な価格高騰を招いている円キャリートレードの解消がどれほど急速に進むのか、誰にも分からないが市場をかく乱させる可能性のある要因だとしている。
日本の長期金利が上昇しているにもかかわらず、円安が止まらないことについては専門家といわれる人々の多くが懸念を示している。直近で、日米の長期金利の差は2.09%ポイントまで縮小し、2022年3月以来の最低水準となった。
過去数年間、ドル/円の為替レートは日米の金利差ということで説明されてきたが、昨年以来、この密接な関係は崩れ金利差が縮小する中でも米ドルは円に対して引き続き強含みとなった。これは、投資家が金利上昇に伴う日本の巨額債務負担と急増する利払い費用の懸念を強めていることを示唆している。
ドル/円(日足)
ユーロ/円(日足)
スイスフラン/円(日足)
ポンド/円(日足)
豪ドル/円(日足)
国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、ゴールドマン・サックスチーフ為替ストラテジストを歴任し、現在はブルッキングス研究所の上級研究員のロビン・ブルックス氏は自身のサイトにおいて日本の債務に対する厳しい見方を明らかにしている。
昨年末(2025年12月30日)に公開されたコラム記事「Debt Crisis in Japan(日本の債務危機)」では、円安によって日本に深刻な債務危機が起こる可能性が高まっていると論じている。
日本の長期金利が急上昇している一方で通貨である円がG10諸国に対する貿易加重ベースで史上最安値を記録しているデカップリング状態について、円が「不合理に」弱体化している兆候だと捉える声が多いが、これについては正しくないとし、次のように指摘している。
「重要なのは、日本の長期金利は大幅に上昇しているものの、市場が自由に設定できた場合の水準を依然としてはるかに下回っている。現状では、日本銀行は依然として国債の総額ベースで非常に大きな買い手であり、長期金利は実質的に抑制されていることを意味する。金利を押し上げる債務危機リスクの高まりは、債券市場には織り込まれず、代わりに円に織り込まれている。これが円の重しとなっている。日本の財政リスクを測る上で注目すべきは金利ではなく通貨である」
日本10年国債金利(日足)
以下は横軸に各国の2024年の各国政府の債務残高、縦軸に直近の30年国債利回りをプロットしたものである。日本の総債務残高はドイツを大幅に上回っているにもかかわらず、利回りはドイツと同水準にある。
主要各国の債務残高と長期金利の水準
「重要な問題は、どちらの市場価格が現実をよりよく反映しているのかということだ。長期金利なのか円なのか?上のグラフが示しているように日本国債の利回りは本来あるべき水準をはるかに下回っている。日銀の国債買い入れは、市場が適切なリスクプレミアムを織り込むことを妨げ、結果として円安という形で表れている。円安は注目すべきシグナルであり、日本の債務危機リスクの高まりを示唆している」
前半に取り上げた2026年注視すべきトレンドの中に日本円は取り上げられていなかったが、押さえておくべき項目として、日本円の動き、ひいては日本の長期金利と債務残高を入れておくべきだろう。過剰なまでに積みあがった債務と「これまで起きたことがない」という慢心は危険過ぎるだろう。
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