金(ゴールド)と猫、プラチナと犬。一見無関係に見えるこれらには、実は意外な共通点があります。

本稿では、これらの共通点を確認しつつ、今後の貴金属投資に役立つアイデアを紹介します。さらに、国内初の新たなプラチナ投資信託についても解説します。


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猫と金(ゴールド)犬とプラチナ

 筆者は1年ほど前、「猫と犬、金(ゴールド)とプラチナ、どっち?」というレポートを書き、特徴の共通点をきっかけに、猫を金(ゴールド)やその値動きに、犬をプラチナやその値動きに見立てて分析しました。今回はこれらの共通点を振り返りつつ、金(ゴールド)とプラチナの状況を確認します。


 猫は、古代エジプトで穀物を食い荒らすネズミや害虫を退治する「守護の力」を持つ存在として重用され、家の中で飼われるようになった最初の動物の一つとされています。人々との関わりは比較的独立的で、敬意と崇拝の対象でもありました。


 現代でも、世界各国で猫は美しさやきらびやかさ、神秘性を象徴する存在として、そして自由で気まぐれな性格を持ちながらも、身近で愛される存在として、人間の生活に溶け込んでいます。


 金(ゴールド)は、美しく妖艶な輝きを放ったり、神秘的な雰囲気を醸し出し、古代から人間を魅了してきました。しばしば崇拝の対象となるなど、歴史的にも人間にとって特別な存在です。そして、柔らかく加工しやすい特性が生かされ、装飾品などに用いられ、人間の生活に柔軟に溶け込んでいます。


 近年の価格推移は、歴史的高値を更新するきらびやかな面があります。同時に、株高時でもドル高時でも高騰するなど、きまぐれな面もあります。猫と金(ゴールド)は、多くの共通点を持っていると言えます。


図:猫と金(ゴールド)、犬とプラチナに共通するキーワード(一例)


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:筆者作成 イラストはPIXTA

 犬は、人間が家畜化した最初の動物とされ、狩猟や防衛、家畜の番など、人間の暮らしを支え続けてきました。犬が持つ忠実さや信頼性が、人間社会の発展の一助となった場面も多くあります。現代においても、災害救助の場面で活躍するなど、人間にとって忠実で献身的な頼れる存在です。


 プラチナは、厳しい環境で真価を発揮する強靭(きょうじん)さ、多機能さが評価され、重要な場面で人間を支えてきました。耐久性と化学的な安定性が求められる産業用途や、宝飾向け用途などで活躍してきました。


 近年の価格推移を振り返ると、低位安定を強いられ、それを耐え忍ぶ力強さを見せてきました。長期視点でいつか花開く可能性を秘めていると見られていましたが、2025年、急反発を見せ、関係者を驚かせました。犬とプラチナもまた、多くの共通点を持っていると言えます。


図:金(ゴールド)とプラチナ価格の推移 単位:ドル/トロイオンス


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:世界銀行のデータより筆者作成 イラストはPIXTA

※上記は、伝統的な経緯を考慮した猫と犬のイメージです。技術革新によって多様な品種が出現しているため、この記載に合わない場合もあります。


ポートフォリオ内で猫と犬を愛でる感覚

 伝統的に人間に愛され続けている猫と犬、飼うならばどちらでしょうか。この問いは、きらびやかに高値を更新し続け、時には株高時でもドル高時でも気まぐれに上昇する金(ゴールド)と、長きにわたり続いた低位安定の時期を終え、今まさに超長期視点の価格反発が出現しつつあるプラチナ、買うならばどちらでしょうか、という問いに似ています。


 一つの家庭で異なる動物の「多頭飼い」は難しいケースがあるといわれています。

例えば、猫と犬を同時に飼うことについては、飼い主を巡りお互いをライバル視したり、室内にいるケースが多い猫が、外出する頻度が高い犬が持ち込んだ病原菌におかされたりする懸念があったりするため、現実的ではないと指摘する専門家もいます。


 このため、飼うとしても、猫か犬、どちらか一方が選択されるケースがほとんどです(猫と犬、両方を飼っていると回答した人の割合は1.2%程度だった、という調査もあるようです)。


図:どっちを飼う?どっちを買う?


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:筆者作成 イラストはPIXTA

 しかし、貴金属を買う場合はどうでしょうか。金(ゴールド)とプラチナは、容易に同時保有が可能です。犬と猫の間で起こり得るように、金(ゴールド)とプラチナがお互いをライバル視したり、物理的にどちらかがどちらかの存在を脅かしたりすることはありません。つまり、違う種類での「多頭買い」が可能なのです。


 このことは、金(ゴールド)のきらびやかで気まぐれな猫のような値動きと、プラチナの長きにわたり続いた低位安定の時期を終え、超長期視点の価格反発が出現しつつある値動きの両方を、同時に享受できる可能性があることを意味します。


貴金属投資の重要性

 以下の図は、S&P500種指数が「ショック」が冠される急落に見舞われ、回復するまでに要した期間における、ニューヨーク金(ゴールド)先物と米国債の騰落を示しています。リーマン・ショック、コロナショック、トランプ関税ショックなどの際に、金(ゴールド)価格はおおむね上昇しました。一方で米国債は下落する場面もありました。


図:S&P500のショック発生から回復までに要した期間における、各種銘柄の騰落率


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:Investing.comのデータを基に筆者作成

 これらの値動きは、株式と債券を2本の柱とした伝統的なポートフォリオを、近年の市場環境に応じて修正する必要があることを示唆しています。筆者は現時点で、「60(株式):40(債券)」から、「60(株式):30(債券):10(貴金属などのコモディティ)」に変えることが望まれると考えています。


 原則、金利や配当がつかない貴金属などのコモディティは、ポートフォリオのメインにはなり得ません。

あくまで、債券のパフォーマンスを補う、補佐的な役割です。


図:これまでの投資戦略と、想定されるこれからの投資戦略


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:筆者作成

 この「10」の全てを金(ゴールド)あるいはプラチナで保有する場合もあるかもしれません。しかし、例えば、「ペットを飼う」という意思が固まっていた場合でも、猫を飼う動機と犬を飼う動機は必ずしも同一ではありません。


 同様に、「貴金属の投資を検討したい」というアイデアがある場合でも、金(ゴールド)とプラチナの特徴は異なるため、金(ゴールド)を買う動機とプラチナを買う動機は必ずしも同一にはなりません。


 特に、金(ゴールド)とプラチナの同時保有などの「多品種買い」の場合は、単品買いの時よりも一層、特徴の違いに留意する必要があります。これは「多品種買い」の投資効率を高めるために、欠かせないポイントです。


「長期低迷+反発」で積立投資は効率化

 以下は、金(ゴールド)とプラチナの積立投資を行った結果(推計)です。条件は、月々の積み立て設定金額が1万円、手数料が買付時に1.65%(税込)、分配なしです。楽天証券の「金・プラチナ取引」の価格データを用いています。


図:金(ゴールド)とプラチナの積立投資の結果(2016年1月から10年間)


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:楽天証券のデータを基に筆者作成

 投資家の損益を示す「資産額」(右上)を確認します。2025年にプラチナの資産額が急激に金(ゴールド)に迫ったことが分かります。一方、価格(左上)は、まだ圧倒的に金(ゴールド)が高い位置にあります。金(ゴールド)の価格はプラチナの価格のおよそ2倍(プラチナの価格は金(ゴールド)価格の半値程度)です。


 なぜ、価格が半値程度であるにもかかわらず、プラチナの資産額が金(ゴールド)の資産額に急接近したのでしょうか。答えは簡単です。左下のグラフのとおり、「保有数量」が金(ゴールド)よりも大変に多いからです。


 積立投資においては、価格が安い時の方が、保有数量が増えやすい、という特徴があります。この推計の期間は2016年1月から10年間です。この期間、金(ゴールド)価格は大きく上昇しましたが、プラチナ価格は長期低迷が続きました。


 この長期低迷の期間に、プラチナの保有数量が大きく増えました。そして2025年の価格の急反発時に大きく増えた保有数量が功を奏し、資産額が大きくなりました。長期低迷とその後の価格反発が資産額を大きくした、積立投資ならではの事象です。


 以下は、シミュレーションです。足元、金(ゴールド)価格が2万3,000円、プラチナ価格が1万1,000円として、今後5年間、価格は変動せず、その後の5年間でともに5,000円、上昇したとします。


 この合計10年間の積立投資のシミュレーションの結果、資産額が大きくなったのは、金(ゴールド)ではなく、プラチナでした(右上)。

最終的な価格が1万円以上高くても(左上)、金(ゴールド)の資産額はプラチナに及びませんでした。理由は、先ほどの推計と同様、プラチナの保有数量が金(ゴールド)よりも多くなったためです(左下)。


図:金(ゴールド)とプラチナの積み立てシミュレーション(2026年1月から10年間)


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:筆者作成

 こうした推計とシミュレーションから分かることは、できるだけ長い期間、安値を有効活用して保有数量を増やし、価格が反発したところで売却する、というやり方が積立投資の効果を大きくすることにつながる、ということです。


「プラチナの投資信託」に有用性あり

 その意味では、価格の比較において高い金(ゴールド)と安いプラチナを、どのように保有するかどうか(「10」をどう使うか)という議論において、「取引可能年月」が長い人ほどプラチナを多めにする、というアイデアが生まれます。ここでは、「10」を積み立てと随時(スポット)取引の合計とします。


 積み立ては年金を構築することに主眼を置いたiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)(成長投資枠)を利用した投資信託のほか、関連上場投資信託(ETF)・個別株の積み立て、純金積立の3種類があります。


関連ETF・個別株:楽天証券のサービス「かぶツミ®」や「米株積立」を利用


 価格変動に応じたスポット(随時)での取引は、投資信託や純金積立におけるスポット取引、関連ETF・個別株、商品先物、商品差金決済取引(CFD)などで行うことができます。


図:貴金属投資のイメージ(投資開始時点)


金(ゴールド)と猫、プラチナと犬、その意外な共通点
出所:筆者作成

 先日の発表「楽天・ゴールド、楽天・プラチナ(国内初)がついに登場!~希少性の高い実物資産に、投資信託でかんたん投資!~」のとおり、当初募集期間が1月13日(火)~1月19日(月)15時まで、運用開始日(設定日)が1月21日(水)の予定で、新たに金(ゴールド)とプラチナの投資信託が誕生します。


▼先日の発表

楽天・ゴールド、楽天・プラチナ(国内初)がついに登場!~希少性の高い実物資産に、投資信託でかんたん投資!~


 プラチナの投資信託の登場は国内初とのことで、投資信託故に100円から投資ができる、NISA(成長投資枠)を活用できる、換金しやすいなどの特徴があります。


 金(ゴールド)に比べて価格が安いこと、以前の「【予測】2026年のプラチナ相場は歴史的高値を更新する」で述べたとおり、長期視点で価格反発が予想されることなどを考えると、プラチナの投資信託は投資家の皆さまのポートフォリオ構築の一助になると、筆者は考えています。


▼以前のレポート

【予測】2026年のプラチナ相場は歴史的高値を更新する


 猫に接する感覚で金(ゴールド)に、犬に接する感覚でプラチナに向き合いつつ、価格水準と投資可能期間を照らし合わせながら「10」の内訳を調整し、「多品種買い(飼い)」を進めることで、これまで知り得なかった貴金属投資の世界が開けてくると、筆者は考えています。


[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

純金積立

純金積立・スポット購入


投資信託

※「楽天・ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし/あり)」「楽天・プラチナ・ファンド(為替ヘッジなし)」の当初募集期間は1月13日(火)~1月19日(月)15時まで、運用開始日(設定日)は1月21日(水)。


三菱UFJ 純金ファンド
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
楽天・ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし/あり)
楽天・プラチナ・ファンド(為替ヘッジなし)


中期:


関連ETF

SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
GXゴールド(425A)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)


短期:


商品先物

国内商品先物
海外商品先物


CFD

金(ゴールド)、プラチナ、銀、パラジウム


(吉田 哲)

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