宇宙産業は、私たちの日常生活に不可欠な役割を果たすようになりました。今後、商業利用が大きく成長すると期待されており、株式投資でも重要なテーマになるでしょう。

今回は宇宙産業で活躍する日本企業について学べるクイズを8問、出題します。


【投資クイズ】宇宙産業で活躍する日本企業はどこ?の画像はこちら >>

クイズ

【第1問】

 宇宙開発予算において、他国を圧倒する規模を誇り、宇宙産業で最も先進的な技術を有する国はどこでしょう?


【1】日本
【2】米国
【3】ロシア
【4】中国


【第2問】

 宇宙産業の2大事業は、ロケット事業と衛星事業です。ロケット事業は人工衛星を衛星軌道まで運ぶ役割を果たします。「再利用ロケット」を実現し、年100回ものロケット打ち上げを実施している世界で唯一の組織または企業はどれでしょう?


【注】
 ロケットは地上100キロまで打ち上げるのに多大な燃料を使います。1段目ロケットを100キロ地点で切り離し、2段目以降がさらに上空の衛星軌道へ向かいます。切り離した1段目ロケットは棄却(焼却あるいは海中投棄)されていましたが、それを打ち上げ地点まで戻し、再利用することで打ち上げコストを大幅に削減できます。


【5】日本のJAXA(ジャクサ:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)
【6】米国のNASA(ナサ)
【7】米国のスペースX(テスラ創業者イーロン・マスク氏が立ち上げた宇宙開発企業)
【8】欧州のESA(欧州宇宙機関:欧州各国が加盟する国際機関) 


【第3問】

 人工衛星を使って、私たちの生活に不可欠なさまざまな機能を提供するのが衛星事業です。以下の機能を提供する人工衛星のうち、日本が単独で実現していないものはどれですか? 一つ選んでください。


【9】通信・放送衛星(地球から来た電波を地球に送り返す)
【10】測位衛星(地球に電波を送信、受信者に地球上のどこにいるか位置を知らせる)
【11】観察・偵察衛星(地球を撮影して、その画像を地球に送る)
【12】有人宇宙ステーション(常時人が滞在、科学実験・素材や医薬品の開発など行う)


【第4問】

 私たちは「GPS(全地球測位システム)」を使うことで、インターネットがつながらない場所でも自分の位置を特定できますが、その利用にはいくつかの条件があります。以下から二つ選んでください。


【13】上空に障害物がないこと
【14】GPS電波を受信する機器(スマホなど)があること
【15】晴れた日であること
【16】スマホが最新機種であること


【第5問】

 GPSに使われる人工衛星は、どこの国の所有・運営でしょうか?


【17】日本
【18】米国
【19】ロシア
【20】中国


【第6問】

 以下の日本の人工衛星のうち、GPS機能を補完する目的で打ち上げられた衛星はどれでしょう? 一つ選んでください。


【21】ひまわりシリーズ(気象庁が運営)
【22】みちびきシリーズ(内閣府が運営)
【23】だいち2号(JAXAが運営)
【24】JCSATシリーズ( スカパーJSATホールディングス(証券コード9412) が運営)


【第7問】

 以下の日本の宇宙開発企業群の中で、H3ロケットの開発・製造を主導しているのは、どの企業群でしょう?


【25】三菱重工・川崎重工業・IHI
【26】三菱電機NEC
【27】三菱商事・三井物産
【28】NTT・スカパーJSAT


【第8問】

 以下の日本の宇宙開発企業群の中で人工衛星の開発・製造を主導しているのは、どの企業群でしょう? 一つ選んでください。


【29】三菱重工・川崎重工業・IHI
【30】NEC・三菱電機
【31】三菱商事・三井物産
【32】NTT・スカパーJSAT


正解

【第1問】

 世界最大の宇宙予算を持ち、もっとも先進的な宇宙技術を有するのは、米国です。


<海外政府の宇宙関係予算>
【投資クイズ】宇宙産業で活躍する日本企業はどこ?
出所:内閣府宇宙開発戦略推進事務局「各国の宇宙開発動向」2025年5月より楽天証券経済研究所作成、原データ:Bryce Tech「The 2022 Global Space Economy at a Glance」Government Budgets注:集計方法や為替レートにもよるため一概に比較できないことに留意が必要

【第2問】

 再利用ロケットを実現したのは、イーロン・マスク氏が立ち上げた「スペースX」です。


 圧倒的な低コストで年間100ものロケットを打ち上げ、商業用ロケットでは完全なひとり勝ちです。


 日本を含む、世界11カ国(地域)が自前のロケットを打ち上げていますが、コスト面でスペースXにかないません。ただし、ロケット打ち上げは各国が国家事業として行うものなので国家予算によって各国ともロケット打ち上げは続けます。再利用ロケットを次に実現するのがどこか、注目されています。


【第3問】

 日本が単独で実現できていないのは、「有人宇宙ステーション」だけです。世界中のどの国もまだ単独では有人宇宙ステーションを運営していません。


 現在、人が常駐する有人宇宙ステーションは一つしかありません。米国、ロシア、欧州、日本、カナダが共同で運営している国際宇宙ステーション(ISS)だけで、2030年まで運営が続く予定です。


 ISSの運営が終了した後、民間の宇宙ステーションがスタートする予定で、米国企業を中心にさまざまな計画が進められています。


【第4問】

「全地球測位システム(GPS)」を使うために必要な条件は、以下の二つです。


  • 上空に障害物がないこと
  • GPS電波を受信する機器(スマホやカーナビなど)があること

 GPS衛星が宇宙から発信する電波を機器で受信できれば利用可能です。ただし、位置の特定には、最低四つの衛星からの電波を受信することが必要です。


 電波は、荒天時(台風、雷、大雪)でも届きます。ただし、大気中の水分や雷による電磁波ノイズで、GPS信号が弱くなり、非常に激しい雨や雪、雷の下では、測位精度が低下することがあります。


 スマホが最新機種である必要はありません。GPS機能が付いていれば使用できます。


【第5問】

 GPSに使われる人工衛星を所有、運営管理しているのは、「米国政府」です。


 日本を含む世界中の国々が、米国のGPSを利用しています。米国政府は、全世界の利用者が無料で利用できる公共財としてGPSを提供しています。


 米国と敵対している国々(ロシア・中国など)もGPSは利用しています。ただし、ロシアや中国はGPSだけに頼らずに済むように、自前の測位衛星も打ち上げています。


 日本および欧州も、自前の測位衛星を打ち上げています。自国の測位衛星と、GPSを両方使うことで、測位の精度を上げるようにしています。


【第6問】

 日本の人工衛星で、GPS機能を補完する目的で打ち上げられたのは、「みちびき」シリーズです。日本の頭上で8の字軌道を描きながら飛んでいます。現在5機が運営されています。

7機そろえばGPSがなくても日本での位置特定は可能になります。GPSと併用することで、より精度の高い測位が可能になります。


 ご参考まで、その他の衛星の機能は以下の通りです。


◆ひまわりシリーズ(気象庁が運営)

 3万6,000キロの静止軌道(赤道上空)にある日本の衛星で、気象衛星画像を撮影して地球へ送信します。その画像データは、日本では気象庁、民間企業、調査機関などが受信して、天気予報などに利用されています。ひまわりのデータは、無償で国際的に共有されており、韓国、中国、台湾、モンゴル、東南アジア、オセアニアの国々でも利用されています。


◆だいち2号(JAXAが運営)

 現在だいちシリーズでは、だいち2号だけが運営されています。628キロメートルの低軌道を秒速約7.5キロメートルで飛び、14日で全地球をカバーしています。全地球の精密画像を撮影することができ、JAXAを通じて、研究機関や自治体などに提供されています。


◆JCSATシリーズ(スカパーJSATが運営)

 静止軌道にある静止衛星です。「スカパー!」など衛星放送サービス、企業向け通信サービス、船舶・航空機や山間部・離島での通信サービスなどに使われています。日本だけでなく、インドネシア、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、インドなどでも利用されています。

スカパーJSATは民間の営利企業なので、利用料を徴収しています。


【第7問】

 H3ロケットの開発・製造を主導しているのは、
「三菱重工・川崎重工業・IHI」


  三菱重工業(7011) は、宇宙開発で国内最大手の企業です。日本の主力基幹ロケット「H3」をJAXAと共同開発し、製造や打ち上げまで行っています。


  川崎重工業(7012) はH3ロケットのフェアリング(大気圏通過時に先端部分を保護する重要部材)の開発・製造を行っているほか、人工衛星・宇宙ロボットなど、さまざまな宇宙機器の研究開発を行っています。


  IHI(7013) は、H3ロケットなどのエンジンの開発・製造を行うほか、多岐にわたる宇宙機器を開発・製造しています。


【第8問】

 人工衛星の開発・製造に関与しているのは、「三菱電機・NEC」


  三菱電機(6503) は、人工衛星システムの開発・製造を行っています。気象衛星「ひまわりシリーズ」、GPS補強衛星「みちびき」など開発・製造の実績があります。人工衛星に搭載される太陽電池パネル、アンテナ、通信中継器、バッテリーなど、さまざまなコンポーネントの開発・製造でも高い技術力を有します。


 また、衛星を打ち上げた後、その軌道制御、コマンド送信、データ受信などを行う地上管制システムの設計、構築、運用支援も行っています。さらに、宇宙から得られたデータを活用したソリューション開発にも注力しています。


  NEC(日本電気:6701) も人工衛星の開発・製造を行っています。「だいち2号」を開発製造した実績があります。小型・高性能の地球観測衛星に強みを有します。衛星をコントロールする地上システムの構築にも強みを持ちます。


【参考】三菱商事・三井物産
  三菱商事(8058) は、地球観測衛星データの活用事業に投資・参画し、農業、インフラ監視、防災などにおけるソリューション開発を進めています。また、宇宙ゴミ除去やロケット打ち上げなどに取り組む宇宙企業や、宇宙関連スタートアップへの投資・育成を行っています。


  三井物産(8031) は、衛星通信サービス事業者への投資や自社の通信衛星を活用して、ブロードバンド通信、IoT通信、船舶・航空機向け通信などのサービスに対応しています。また、衛星打ち上げ支援や宇宙データ解析サービスを手掛けているほか、さまざまな宇宙開発事業に参画しています。


テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ

 最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「 株トレ 」(黄色の本)と、決算書の見方など学ぶ「 株トレ ファンダメンタルズ編 」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。


【投資クイズ】宇宙産業で活躍する日本企業はどこ?
「株トレ」 シリーズ2点の書影

(窪田 真之)

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