望外の上昇を続ける日経平均ですが、下落したときの備えはできていますか? 特に新NISAから始めた投資初心者は下落未経験のため注意が必要です。2026年もさらなる株価上昇を期待しつつ、万一の急落に慌てないための心構えをお話しします。
国内株、全世界株ともに望外の株価上昇が続いた2025年
2025年は、ほとんどの個人投資家にとって、良い意味で予想を上回った年になったのではないでしょうか。
型破りなキャラクターで知られるトランプ大統領の就任と、就任当初に打ち出した関税自主権の濫用騒動は、株価が大きく下落してもおかしくない印象をもたらしました。
実際、トランプショックと言われるような株価の下落も生じました。ところが、関税の交渉も各国はほどよい落とし所を見つけ、イランへの電撃的な空爆も、懸念されていたような武力衝突にならないところで収束するなど、危ういながらもバランスを取った政権運営をしています。
株価だけに着目すれば、トランプショックによる下落幅はあっという間に回収され、AI関連銘柄の上昇を背景に大幅な上昇が継続、2025年もまた株価上昇の一年となりました。
日本国内の株式市場も、まさかの上昇で日経平均株価は5万円を突破しました。石破内閣の不人気や、高市内閣の心配もどこ吹く風、といった感じです。2025年の株価上昇率は26%(日経平均株価)という記録的な一年となりました。
いずれにせよ、短期売買をしていた人も、長期投資をしていた人も、資産が大きく増えた一年だったと思います。資産が増えたのであれば良い年だった、ということです。
もし、同じだけの下落が生じたとしたら?
しかし、あなたがもし「2026年も同様に26%の株価上昇があるカモ~」と軽く思っているなら、むしろ「同じくらいの株価下落もあるかもしれない」と考えてみてほしいです。そうしないとあなたは相場のカモになってしまうかもしれません。
確かに、2025年の上昇率と同じ下落率を記録することは考えにくいでしょう。2025年末の日経平均株価終値は5万0,339円でしたから、これが26%下がったとすれば驚きの3万7,250円です。
しかし、たとえこれだけ下がったとしても、実はこの数字は2023年末の株価より高かったりします。しかし、私たちはそう感じることができません。イメージのスタート地点(参照点)が変わってしまったので、「2024年の1月時点に戻っただけ」とは考えず、「5万円まで達した日経平均株価が大きく下がった」と捉えてしまうでしょう。
特に新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)以降、株式投資の世界に足を踏み入れた人ほど、「2025年初の水準に戻っただけ」と思うことは難しいことでしょう。しかしそこでパニックになってはいけません。
起きるかどうか分からないことも覚悟するのが投資のポイント
投資においては、うまくいったときの想像をしてニコニコするのも大切ですが(そうでなければ、投資をしたいと思えないでしょう)、大きく下がったときに備えていくイメトレもまた重要です。
株価が上がったときは何も考えず笑っていられます。安易に利益確定をしてしまい、その後値上がりしたとしても、利益自体は確保しているので、多少の後悔があっても笑っていられます。
ということは、うまくいかなかったとき、つまり下落基調に陥ったときのことを、より真剣に考えておくべきなのです。
まずは、値下がりがあり得ることを考えておきましょう。リーマンショッククラスの下落は考えにくいとしても、短期的に30%くらい下がることは株式市場にはあり得ることです。地政学的な問題が新たに噴出すれば、このくらいの急落はいつでもありえます。
下落のイメージを少しでも持つことができれば、急落時にパニックにならずにすみますし、狼狽(ろうばい)売りすることも減ります。
短期的な下落時には、とにかく焦って売らないことです。もし大きく含み益が出ていて、かつ投資を終了させてもいいのであれば、全額売却も選択肢の一つです。
しかし、現役世代は、「全額売却した後、市場が回復、上昇に転じた未来」のリターンを取り逃すことになります。それなら何もせず回復を待ったほうがいいでしょう。特にNISAの年間投資枠の制限を考えると、「売って、買い直し」はできるだけ少なくしたいところです。
また、現在行っている積立投資は絶対に続けましょう。下落基調は、積立投資家にとっては安値で購入するチャンスといえます。未来永劫(えいごう)、市場は回復しないと確信した人以外は、積立投資を続けていくことです。とはいえ、こちらは「何もしない=積立投資継続」なので、下手に動かないだけでいいです。
それでも、できれば株価上昇の一年を期待
ここまで連続して株価が上昇している年が続くと、「今年はさすがに下がるのでは」と考えてしまいます。株価が一時的に下落することは株式市場では避けられないことであり、十分に起こりえることです。
特に新NISA以降、初めて投資をしたという投資初心者層は、下落経験をしていない方が多いと思うので、下落に関する注意喚起をしておきたいと思います。
それでも、やはり2026年も株価上昇に期待したいところです。できればAI関連銘柄だけでなく、市場全体の底上げに期待したいですし、世界的に見ても上昇が遅れていた日本の株式市場にはさらなる躍進を期待したいところであります。
2026年も、株価が上昇する一年となりますように祈りつつ、「でも、下がったときの用意はしておいてね」と小さな声でアドバイスをしておきたいと思います。
(山崎 俊輔)

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