企業から自社製品やサービス券などが提供される「株主優待」は、株式投資の大きな魅力です。今回は、株主優待を目的とした投資における注意点や、資産形成に役立つヒントをお届けします。
クイズ
【第1問】
以下の内容で株主優待を提供する企業があるとします。この企業に投資する場合、一番コスパの良い(100株当たりの優待獲得が大きい)保有株式数を【1】~【5】より、一つ選んでください。
<株主優待の内容>
期末の株主名簿に記載されている株主に以下の自社製品を送る。
【1】100株保有
【2】200株保有
【3】500株保有
【4】1,000株保有
【5】25万株保有
【第2問】株価が20%下落したらどうする?
Aさんはお気に入りの飲食店の優待券(飲食に使える金券)を目当てに外食企業の株を購入しました。その後、その企業の業績が悪化し、株価は購入時より20%下落しました。このような状況で投資家はどのような行動をとるべきでしょうか?【1】~【3】より一つ選んでください。
【1】買い増し:いつか株価は戻るはずなので、さらに買い増しする
【2】継続保有:株価変動に一喜一憂しない。株価は見ずに持ち続ける
【3】損切り:いったん売却して仕切り直す
【第3問】手元に届いた優待券、使い切っていますか?
Bさんは、毎年たくさんの企業から株主優待を受け取っています。しかし、外食チェーンの食事券や百貨店の割引券といった有効期限がある優待券を「忙しくてなかなか行けない」「使う機会がない」といった理由で、よく失効させています。Bさんはどうすれば良いでしょうか? 以下【1】~【4】から、一つ選んでください。
【1】絶対に失効させない。何が何でも有効期限が切れる前に使う
【2】使うのが難しい優待券は失効したあと捨てるしかない
【3】使うめどが立たない優待券は、金券ショップやフリマアプリなどで売却する
【4】有効期限のある優待券を出す銘柄には投資しない。自社製品を送ってくるなど確実に優待を受け取れる銘柄に投資する
正解
【第1問】【1】の「100株保有」が、最も効率的です。
優待内容から、100株当たりで受け取れる優待の金額を計算したのが、以下の表です。
このケースでの、経済メリット享受額は、最小単位(100株)を保有する株主が1,000円で最大です。
個人株主数を増やすために、優待制度を利用して個人投資家を増やそうとしているのでしょう。従って、効率的に優待を受け取りたい個人投資家は、優待が受け取れる最小単位の株式を購入して、なるべく多くの優待銘柄に分散投資するのがお得です。
第2問、第3問は、唯一の正解があるわけではありません。あくまで「私見」として、私がどのような判断をするかをお伝えします。もし共感いただければ参考に、またご自身の状況に合わせて最適な選択をしてください。
【第2問】
私の考える正解は、【3】の「損切り:いったん売却して仕切り直す」です。
会社の中身をしっかり調べて買って、長期的に良くなると確信している銘柄が20%下がった時に【1】買い増しするのも、【3】継続保有するのも、必ずしも間違いではありません。
「良い銘柄なのに下がっている」と思う時であれば、私も買い増しや継続保有をするでしょう。
また、日経平均株価が20%下がるなど日本株市場が全体的に低調な時に、保有している優待株が20%下がったとしても、損切りを検討すべきケースに該当しません。
ただし、会社の中身をよく知らずに優待の魅力に惹かれて買った銘柄ならば、いったん損切りして仕切り直すのが無難です。特に日経平均が下がっていない時に、持ち株だけ20%も下がっているような時は要注意です。
私の経験則では、株価が買い値から20%以上も下がる銘柄は、構造的な問題を抱えている可能性があります。そこから反発することもあり得ますが、下落が加速する可能性の方が高いと思われます。
<損切りを検討した方が良いケース(イメージ図)>
私はファンドマネージャーだった時、「何%下がったら売り」のような損切りルールは決めず、銘柄ごとに判断基準を変えていました。
私が徹底していたのは、当初投資した時とイメージが変わり、株価下落が続くような銘柄を損切りすることです。
私が運用していたファンドはベンチマーク(競争相手)である配当込みTOPIX(東証株価指数)を上回るパフォーマンスを達成しました。そのために重要だったのは「暴落する銘柄を持ち続けないこと」です。良い銘柄に投資すること以上に、下落し続ける銘柄を売ることが大切です。
「どこまで下がったら売りか」判断するのは、難しいかもしれません。「20%下落で損切り」と決めておけば、判断に迷わなくて済みます。「安いところで売って失敗した」と思うより、「あの時思い切って損切りして良かった」と思う可能性の方が高いでしょう。
売却して頭を冷やし、別の有望銘柄に投資し直した方が、結果的に良いパフォーマンスにつながることが多いと私は思います。
業績が構造的に悪化していく銘柄は、優待廃止や減配をすることがよくあります。
【第3問】
私が考える正解は、【3】の「使うめどが立たない優待券は、金券ショップやフリマアプリなどで売却する」です。
人気の優待券に、外食企業の「食事券」があります。人気の株主優待券ならば、ネットやチケットショップで売却できる場合もありますが、売却額はかなり割引されます。例えば、500円の食事券が400円で売れれば良い方で、300円や250円でしか売れないこともあります。
人気のない優待券は、買い取りを行うチケットショップがないこともあります。また、有効期限が短すぎる優待券も、売れないことがあります。
人それぞれ事情は異なりますが、【3】以外の選択肢は良いものではないと私は考えています。
【1】絶対に失効させない。何が何でも有効期限が切れる前に使う
これでは本末転倒ですね。優待券を使っているのか、優待券に使われているのか分かららなくなります。
ただし、事情によっては、これが非常に良いこともあります。
それでも優待券を使って必ず家族や友人と食事に行くと決めて、それを家族や友人にも伝えていたとします。そういったケースでは、「絶対に失効させない。何が何でも使う」と決めることは良い選択肢だと思います。
【2】使うのが難しい優待券は失効したあと捨てるしかない
それは仕方のないことです。いつもうまく使えるとは限らないでしょう。ただし、失効させてばかりならば、何か対策を考えた方が良いかもしれません。
【4】有効期限のある優待券を出す銘柄には投資しない。自社製品を送ってくるなど確実に優待を受け取れる銘柄だけに投資する
私はそもそも投資銘柄を、優待の魅力だけで選ぶことは絶対にありません。アナリストの視点から長期投資に値すると思う銘柄で、かつ優待が魅力的な銘柄しか投資しようとは思いません。有効期限の有無が銘柄の選別基準となることはありません。
とは言っても、事情は人それぞれ異なります。
配当利回りも見ましょう
株主優待はしっかり活用すべきですが、配当利回りにも着目しましょう。配当利回りが高くても、株主優待をまったく出していない銘柄はたくさんあります。そのような高配当利回り株を投資対象外にするのは、もったいないと感じます。
参考までに、私がアナリストとして長期投資したいと思い、予想配当利回りが高く、株主優待が魅力的な銘柄に、 ソフトバンク(9434) や KDDI(9433) などがあります。両銘柄について、詳しい説明は、このレポート末尾で紹介しているレポートを参照してください。
補足ですが、予想配当利回りが高いのは移動体通信が中核事業のソフトバンク(9434)であり、親会社の ソフトバンクグループ(9984) ではありません。
私は、親会社のソフトバンクグループも買い推奨していますが、同社は値動きの激しい銘柄ですので中上級者向けの投資だと思います。
テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく勉強したい方へ
最後に、株式投資を書籍でしっかり勉強したい方に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「 株トレ 」(黄色の本)と、決算書の見方など学ぶ「 株トレ ファンダメンタルズ編 」(水色の本)が出版されています。どちらも一問一答のクイズ形式で株式投資の基礎を学ぶ内容です。
▼著者おすすめのバックナンバー
3分でわかる!今日の投資戦略:
2026年1月27日: ソフトバンク、伊藤園…配当&株主優待、両方もらえる5銘柄!(茂木 春輝)
(窪田 真之)

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