2月8日に衆院選を控え、株価や為替は思惑で大きく動いています。しかし、長期・積立投資家は選挙結果でNISAやiDeCoの運用をブレさせる必要はありません。

市場の短期的な変動に一喜一憂せず、継続しましょう。


NISA・iDeCoは継続あるのみ。長期投資家は短期の思惑に...の画像はこちら >>

衆議院が解散総選挙 2月8日投票へ

 今回の記事は、「選挙結果がどうなっても、長期投資家・積立投資家はブレなくてよい」ということをこれから伝えるため、選挙の動向を見ずに書いています。


 参議院選挙は3年に一度実施されますが、衆議院は首相の判断で任期途中の解散総選挙が行われることがあります。選挙の可能性が出てくると、政局が大きく動くだけでなく、株価や為替も思惑により大きく動きます。


 今回も、1月半ばに「解散か」という臆測報道が出始めたあたりで、日経平均株価が最高値を記録しました。まだ解散することも確定していなければ、解散して与党が議席を伸ばすことも確定していない段階での動きです。市場の思惑としては与党の勝利を予想し、現政権の政策に基づき「株価上昇」に向かったわけです。


 選挙に勝って、政権の方向性維持が公表された後であればともかく、ここまで早い段階での株価上昇は、さすがに実体を伴っているとはいえません。株価が未来の変化を先取りするものだとしても、そもそも選挙を行うことすら決まっていなかったからです。


 また、過去には解散総選挙を決断直後、野党連合の報道や消費税減税による財政悪化懸念などから株価が大きく下落していました。


 こうした短期的思惑で株価が動くのも投資の一要素でありますが、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)で投資をしている個人にとっては、悩ましいところがあります。


 資産価値が1日単位で数%上下動するのはあまりにも早く、「一度、相場から降りたほうがいいのではないか」「ここはむしろ買いタイミングではないか」といった、投資に予断を加えかねないからです。


長い目で見れば、選挙は一時的なイベント

 結論は冒頭で述べていますが、基本的に長期投資家・積立投資家は機動的な対応の必要がありませんし、運用方針を変える必要もありません。


 選挙というイベントは確かに騰落に影響を及ぼしますが、長い目で見れば継続的な株価上昇を支えているのは経済成長そのものです。


 政治や行政が経済政策を通じて経済成長を促す面は確かにありますが、実体のない経済成長はどんな政策でも実現しません。


 短期的な騰落を目当てに短期的なトレードから収益を確保しようとする投資家はじっくり悩んでいただければと思います。しかし、長期投資・積立投資においては、上げ相場の継続も、下落相場の時期も、調整のタイミングであっても、ただ持ち続けていくことが効果的です。


 また、選挙の時期は流言飛語が飛び交いますので、そうしたノイズからは離れておくことがおすすめです。


 例えば、「ここで○○が勝つと日本が終わる」といった極端な言説が乱れ飛びますが、どちらの政党が政権を担ったとしても、過去に日本が終わったためしはありませんので、選挙トークだと考えてください。個人投資家は気にしないことです。


 同様に、「○○が勝てば、△△銘柄が伸びる」のようなSNS記事やショート動画などにも注意しましょう。これらは、選挙を利用したSNS詐欺のパターンです。株価が不安定な時期ほど、投資詐欺をたくらむ者のチャンスにもなりますので、ご注意ください。


長期投資家、積立投資家はNISAやiDeCoの運用をブレさせないこと

 長期投資を意識している人や、積立投資により資産形成を行っている人は、短期的な変動によるポジション調整のようなことはあまり考えないようにしましょう。


 今保有している銘柄はそのまま持ち続ければよいですし、今月新規購入予定の積立投資額は予定通り引き落としをかけてください。


 もしあなたが、「今回の選挙には、向こう10年以上、運用方針を変更するだけの決定的な理由がある」と思うのであれば、運用方針の見直しをしても構いません。しかし、そのようなことはまず起こらないと思います。


 選挙一つで世の中が劇的に変わることはありません。変わってほしいと願う気持ちは分かりますが、実際には少しずつ変わっていくことになります。


 悩むくらいなら、今の長期積立分散のスタイルを継続してください。結局は、継続こそがあなたの資産形成の一番の力となるでしょう。


例外?60代以上で「売る」べきケース

 原則としては、「動かない」のが結論ですが、もちろん例外もあります。もし例外を設けて「ポジションを見直した方がいい」という人がいるとすれば、以下の事情がある人たちです。


  • リタイア間近などの理由で現金化を考えている(=相場ではなく自分自身に売る理由がある)
  • 目の前の流動的な相場が、過度に高い状態であると考えている(=長年の投資経験に基づき「天井」を感じている)
  • この先にさらに株価が上昇しても、利益確定して後悔しないと判断できる

 この場合も、ポイントとして押さえてほしいのは「株価もそうだが、自分自身に売るだけの理由がある」ということです。リタイアに限らず、資金使途が近づいていて急落を回避したいなら、それは選挙かどうかにかかわらず売却の理由たり得ます。


 ただし、この場合も全額売却するのではなく部分的な売却により、投資ウエートを落とし、現預金の保有割合を高めるようなポジション調整にとどめておくのがいいでしょう。


「全額売り!」から「全額買い!」のタイミングを探るようなことは避けておくのが無難です。


まとめ

 投票日前にこう書いていながらも、選挙結果がどうなるかはやはり気になるところです。さて、結果はどうなるのでしょうか。


 国民一人一人が投票権をきちんと行使することは大切です。

もし今回投票されなかった方は、次回以降必ず意思表示をしてほしいと思います。前回の参議院選挙では若い世代の投票動向が少しだけ議席を左右し、その小さな力は永田町に少なからずインパクトを起こしています。1票は小さくても、その積み重ねが大きな変化をつくるはずです。


 とはいえ、選挙結果がどのような形であっても、「投資スタイルをいじる必要がない」という結論は変わりません。一時的な株価の調整はあり得るものですが、中長期的には再び上昇に転じると考え、議席数に一喜一憂する必要はないでしょう。


「投票で社会を変えよう」というのと、「選挙結果は究極的には経済に影響しない」というのは矛盾するように感じるかもしれませんが、それもまた、現実の大人社会の答えなのです。


(山崎 俊輔)

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