相場状況にかかわらず優待投資は人気です。優待には単なる株式投資にはない魅力があるといえるのではないでしょうか? 自民党が選挙で大勝し、改めて高市内閣が発足されました。

国内だけでなく海外からも改めて日本経済や株式市場が注目されている中だからこそ、投資に関しては冷静になるべきです。


こんな株主優待は危険!相場好調な時ほど気を付けたい「優待銘柄...の画像はこちら >>

お悩み

株式投資の調子がいい!もっと優待銘柄を増やしたいけど問題はない?

鈴木 雅美さん(仮名)・会社員・50歳女性(既婚、共働き、子どもは1人)


 鈴木さんは優待が大好きです。株式投資を始めたきっかけもWebメディアの株主優待記事を見たことで興味を持ったからでした。ささいなきっかけではありましたが、ちょうどタイミングよく購入できてその後株価も上昇していきました。


 そこから企業の分析はよく分からないけど、投資家が魅力的だと感じる優待を出している企業なら消費者からも人気で業績も伸びていくと考えて、自分が普段お金を使っている小売業の銘柄や、よく名前を聞く企業の銘柄に少しずつ投資しています。


 少し優待銘柄の数が増えすぎたかなと懸念もしていましたが、日本株式市場が好調で最高値付近で推移していることで保有銘柄のほとんどで評価益が出ていました。


 こうなってくるとまた次も優待銘柄を探したくなってきています。優待も使いきれなくなってきているので、優待にこだわる必要はないのは分かっていても、良いと思う優待を見つけるとつい投資したくなってしまいます。


 鈴木さんが今後資産運用をするにあたって、優待投資とはどのように向き合っていけばよいでしょうか?


魅力的な優待投資ならではの投資の立ち回り方とは?

 優待投資はあまり相場に慣れていない人でも「優待」の魅力に引かれて始めやすい投資であり、気軽に行いやすいことであまり考えずに投資をしてしまいがちです。優待を楽しみながら投資をすること自体が楽しいことですが、せっかくなら株式投資としての利益もしっかり得たいところです。


 今回で優待投資に関する記事は6回目となりました。これまでお伝えした内容も踏まえつつ、今回は優待投資をする際には避けたい留意点をお伝えしたいと思います。


<これまで寄稿した優待投資の記事>


「 やってはいけない優待投資!損をしないための鉄則3選 」
鉄則1:優待内容を最優先で投資をしないこと
鉄則2:優待クロスorつなぎ売りの活用も検討すること
鉄則3:優待が廃止・不要になる可能性も考えておくこと


「 優待投資、始める前に知っておきたい注意点3選 」
注意点1:投資する銘柄を増やし過ぎないこと
注意点2:優待銘柄がもらえる条件を確認すること
注意点3:購入するタイミングを焦らないこと


「 株主優待で損をしたくない人、知っておくべき3つのポイント 」
活用法1:優待の付加価値を利用する
活用法2:優待銘柄の株式情報の特徴をみる
活用法3:企業の優待や株主への対応方針を知る


「 優待を新設したての銘柄には落とし穴が?知らずにやってはいけない株主優待投資 」
気をつけたい点1:なぜ優待を新設するのかを知る
気をつけたい点2:優待の継続性を確認する
気をつけたい点3:買い付けする口座をどうするか検討する


「 波乱相場×優待投資、損をしないための3原則! 」
原則1:優待銘柄の株価動向に要注意
原則2:優待が継続されるか、企業業績を確認
原則3:優待内容の将来的なメリットを確認する


こんな優待は危険!銘柄選択の留意点1:優待内容が魅力的すぎる銘柄

 株主優待を出している企業の思惑はさまざまですが、何も考えずに優待を出している企業はいないと思います。惰性で優待を続けている可能性は否めませんが、「魅力のある優待で個人株主を増やしたい」「優待を通じて商品・サービスを知ってほしい」「優待でより利便性を高めたい」などさまざまな理由で優待を始めたはずです。


 ただ最近は厳しくなった上場維持基準を満たすために優待を利用したり、株価の下落によって優待内容が魅力的になっている銘柄もあったりします。

そうした優待銘柄には注意が必要なこともあります。


 株主優待内容が良すぎるということは、投資家にとっては良いかもしれませんが、企業にとっては負担になっている可能性が考えられます。また株価が下落しているようなら投資としては本末転倒です。


 普段なら冷静に考えて優待銘柄を判断できている方でも、投資がうまくいっている時や銘柄数が増えてくるとつい判断が甘くなりがちです。優待銘柄を楽しみつつも投資対象としての選別はしっかりしていきましょう。


銘柄選択の留意点2:業績が良くないのに優待は良い銘柄

 業績が落ち込んでいるのに優待は良い、もしくは維持している銘柄は、今後業績が一段と悪化するシグナルかもしれません。優待は企業にとってはコストであることを忘れてはいけません。


 優待投資で気をつけることの一つに急な優待の廃止・改悪のリスクがありますが、それは企業がコスト削減のために優待を突然廃止したり、内容を投資家によって魅力が減る方向へ変更したりするということです。


 こうした銘柄は業績が良くないことで株価が下落し、結果的に優待内容が株価対比で魅力的になっている可能性があります。優待投資では優待第一ではなく、株式投資なので企業の株価上昇が期待できることが前提となります。


 株価が下がっているタイミングで投資する「逆張り」を好む個人投資家は多くいます。気になった銘柄に投資する良いチャンスと捉えがちですが、そもそも業績が悪いのなら下落方向に動きやすいと考えるべきです。これも投資がうまくいき過ぎている時にありがちな話なので気をつけるようにしましょう。


銘柄選択の留意点3:優待は魅力的だがうまく使えていない

 優待投資が好きな方だと、10銘柄以上への投資をしているケースも見受けられますし、場合によってはもっと多い人もいます。一つ一つには投資した理由があるにせよ、銘柄が増えることによって管理しきれなくなることが往々にしてあります。


 そうなると、「優待券の期限切れ」「優待を使える店舗が近くにない」「その時は興味があったが使わなくなったサービス」などのようなケースでせっかくの優待が無駄になることもあります。


 それでも優待が届くこと自体が楽しみだ!という考えもあるかと思いますが、投資判断としては優待にこだわり過ぎないほうが良いでしょう。気が付けば投資のつもりが浪費になっているかもしれません。


 優待投資だけでなく配当投資のように、売買せずとも何か投資から得られる利益があるとそれ自体で満足してしまい、トータルの損益から目を背けやすくなってしまいます。優待を楽しみながら生かすことや、株式投資の一種であることを忘れないようにしましょう。


投資はうまくいっている時ほど冷静になるべき

 投資の格言には「人の行く裏に道あり花の山」という戒めの言葉があります。これは、みんなが強気でうまくいっている相場こそ、冷ややかに株式市場を見つめて、あえて逆の行動をとる冷静さが必要だ、という意味です。


 投資はうまくいっている時には、どれだけリスクをとっていたとしても、大きなリスクだと感じなくなる傾向にあります。だからこそ客観的な視点を忘れないように落ち着いた気持ちで投資をできるかどうかが重要です。


 優待投資を長く楽しむためにも、基本をおろそかにしないように時折自分の投資を見つめ直すようにしましょう。


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(西崎努)

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