高市政権の積極財政への期待から「宇宙」が注目される。東証グロース市場には関連企業が多く、特にSynspectiveとQPSHDは、世界でもわずか5社しかいない小型SAR衛星プレーヤー。
今回のお題 大型受注GET!SAR衛星ツートップ
2月の衆院選では、自民党が特別多数を得る歴史的圧勝となりました。直後から日経平均株価&TOPIXが史上最高値を更新したのは、高市政権による積極財政アジェンダの実行期待も当然含んでいるはず。いわゆる“17の戦略分野”のロードマップは3月にも策定されますが、そのテーマ性に含まれるのが「宇宙」です。
宇宙関連は、最高値には程遠い微妙な東証グロース市場に多く存在。なかでも時価総額が大きいSynspective、QPSHDはテーマ性に加え、タイミングよく防衛省関連での大型受注も獲得しています。非常に楽しみな存在ながら、上場市場が“日経平均が上がっても大して上がらない(下がる時も多々ありな)東証グロース市場”…。市場不人気の逆風に打ち克ち、高い成長性を反映するでしょうか?世界でもわずか5社しかいない小型SAR衛星プレーヤーである Synspective(290A) と QPSHD(464A) 、ここから買うならどっち?この2社で比べてみます。
Synspective(290A) QPSHD(464A)
上記両社の株価のポイントや株価データを見ながら、双方を比較し、皆さんの相場観で購入検討するならどちらにしますか?
A: Synspective(290A)
ここがGOOD
政府やJAXAと近い宇宙ベンチャー慶応義塾大学発の宇宙ベンチャーで、小型SAR衛星を開発・製造しています。従来の主流だった地球観測衛星は光学衛星ですが、マイクロ波を照射するアプローチのSAR衛星には特徴があります。最大の特徴は、天候や時間の影響を受けず、撮影が可能ということ。つまりは衛星データを24時間撮り続けられるわけで、連続的変化の抽出に優れています。
小型SAR衛星を展開する企業は世界でわずかに5社で、参入障壁は激高とも言えるビジネス。今回の比較対象としているQPSは競合ですが、上場タイミングという点ではQPSに次ぐ2番手でした。
ビジネスモデルとしては、SAR衛星で取得した観測データを、政府や民間の顧客に販売したり、解析したソリューションを提供。これらをワンストップで行う世界でも希少な企業です。 設立の経緯として、内閣府主導の「ImPACT」プログラムというイノベーションプロジェクトを起源としており、政府やJAXAとの関係性が強い点が評価ポイントです。
右肩上がり確定のトップライン
日本政府を相手に契約実績を積み上げ、2025年~2029年にかけて宇宙戦略基金第1弾から、約5年間で238億円の助成が予定されています。さらに、直近決定した防衛省の人工衛星画像の購入案件が大注目で、当初受注額は約961億円のビッグディール(契約期間は2026年2月~2031年3月)になりました。これは、協力企業として名前の挙がる東証グロース上場の同社、QPSHD、アクセルHDの3社で最大額です。
5年で961億円という受注額は、25年12月期の同社の売上高23.76億円に対して約40年分相当!とんでもないですね(^^; そして、この961億円の決算期別の配分は、26年12月期に74億円、27年12月期に149億円、28年12月期に215億円、29年12月期に261億円、30年12月期に261億円。来期に倍増、その後も右肩上がりに増加していきます。
この受注額が確定したことで、確実な大幅増収により、26年12月期以降の確実な大幅経常増益が見込めます。宇宙関連株って赤字イメージありますが、今後は黒字確実、かつ大幅増益確実。ここまで確かなグロース株、滅多にありませんよね。
ここが心配
衛星打ち上げの失敗がリスク衛星の打ち上げを果たしていくことが成長シナリオの全てといえるビジネスモデル。それでいえば、衛星打ち上げ時期の延期には弱く、そういったニュースが出た場合はマイナス材料視されてしまいます。
同社では、2028年以降を目標に、衛星30機以上の体制確立を目指すという数値目標を掲げています。それだけに、目標通りに打ち上げられない場合はアナリストによる業績予想の引き下げ(=目標株価引き下げ)につながってしまうためリスク要因です。
グロース市場の地合い影響不可避
時価総額は1,600億円超で、グロース市場全体でも時価総額4位に位置しています(QPSは同14位で1,000億円超)。QPSHDの後に上場したのですが、IPOの段階から二番手上場の同社は、QPSを上回る時価総額スタートでした。当時はQPSより売上高も小さいのに、同社の時価総額が大きい逆転現象に首をかしげるところもありましたが…。時価総額が大きい分、指数影響度も高く、指数(グロース市場全体)とも高い感応度があります。地合いが悪化した場合、もらい事故的に巻き込まれるのは仕方ないといえます。
なお、小型SAR衛星の打ち上げ費用がかさむため、前期までは赤字企業でした。赤字企業が類似会社との株価比較をする際、PSR(株価売上高倍率)という株価指標を使います。PSRでQPSと比較してみると…今26年12月期予想のPSRは同社が25.4倍、QPSが24.3倍でほぼ同等。もし、売上計画未達になる事象が発生した場合、ライバル企業が存在するゆえの株価調整リスクも存在します。
Synspective レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化
B: QPSHD(464A)
ここがGOOD
九州大学発の宇宙ベンチャー2023年12月に上場した小型SAR衛星をビジネスとする初のIPOが同社でした(その後、組織再編して持ち株会社となっています)。九州大学発の宇宙ベンチャーで、創業は2005年と結構古め。九州大学での研究をベースに技術開発し、小型SAR衛星で天候に左右されず24時間の地表観察データを取得しています(Synspectiveと全く同じ)。
日本政府のSAR衛星画像取得予算が拡大しており、これがダイレクトに同社の事業拡大につながっています。より小型なSAR衛星の製造能力を有するSynspectiveに対し、同社の強みは46cmという極めて高い分解能(地上の物体の見分けやすさ)を実現した点にあります。取得したSAR画像データのエンドユーザーには、資源開発・管理、海洋情報の提供、防衛・安全保障など幅広いニーズが存在しています。
既に黒字化、今後の増益も約束される
予想PERが194倍台と、Synspectiveの同61倍と比べて高い点は心配不要。同社の決算期が26年5月期なのに対し、Synspectiveは26年12月期とズレがあるためです。この間に計上する防衛省からの受注額の差が利益差の理由で、黒字化したタイミングはむしろ同社の方が先でした。来27年5月期の1株当たり利益は130円程度に拡大する可能性があり、来期ベースでの予想PERは15倍台まで急低下するほどの増益が見込まれます。
Synspective同様、宇宙戦略基金から約4年間で212億円の助成が予定されています。加えて、防衛省の人工衛星画像の購入案件。同社の受注額は約697億円で、これは26年5月期予想の売上高40億円に対して約17年分相当!この697億円の決算期別の配分は、26年5月期約14億円、27年5月期約77億円、28年5月期約118億円、29年5月期約167億円、30年5月期約174億円、31年5月期約146億円。
ここが心配
衛星開発が遅れた場合はリスク要因に成長戦略の要は、一手に“運用機数の増加”にあります。これまでの小型SAR衛星打ち上げ実績では、世界に5社いるプレイヤーの中でも3位に位置。稼働する衛星数でも2位とSynspectiveに対して先行しています。今26年5月期の運用機数は10機の見込みですが、これを28年5月期で24機へ拡大させることを目標としています。
衛星打ち上げを順調に行うことで、観測頻度がアップ。それが、建設、保険など民間企業や、防災・安全保障・インフラ監視といった官公庁からの新たな需要を獲得することにつながるわけで…衛星の打ち上げを果たしていくことがミッションのビジネスモデルです。それだけに、衛星の開発の遅れはリスク要因となります。
人気あるが故に…信用勢多い
上場タイミングは最初でしたが、事業規模では国内のSAR衛星プレイヤーで2番手です。上場当時は類似会社がいなかったこともあり、「何者?」扱いでもありました。結果、安い公開価格(390円)設定になったこともあって、セカンダリー(上場後)の値上がりは目を見張るものがありました。上場タイミングが早かったこと、上場後のパフォーマンスが良好だったことで、同社株は非常に高い知名度を有しています。
結果、時価総額はSynspectiveの6割程度ですが、信用買い残は金額ベースでSynspective以上に存在します。
QPSHD レーダーチャート ※各指標の数値に基づき独自基準でスコア化
あなたなら、どっちを買う?
東証グロース市場の人気株で、両社の株価がグロース市場自体に影響すると言っても過言では無い存在。今回の防衛省からの大型受注確定で、今後5年にわたる成長が約束された2社でもあります。双方注目されそうですが、そのためには一段と時価総額が大きくなり、機関投資家の資金流入がさらに活発化する展開が望まれますね。
PSR(株価売上高倍率)や、今回の防衛省からの受注額と時価総額との見合いなどから、今の双方の株価バランスはうまく取れているようにも見えますが、知名度ではQPSHDに軍配が上がりそう。Synspectiveか、QPSHDか、あなたならどちらを選びますか?
銘柄投票にぜひ参加してみてください
【銘柄を投票】Synspective vs QPSHD 大型受注GET!宇宙関連ツートップ 買うならどっち?
各指標の説明 予想PER 1株当たり利益の何倍(何年分)まで株価が買われているかを示す指標。同業他社と比較する際に使われ、低いほど割安と判断します。 PBR 1株当たり純資産の何倍まで株価が買われているかを示す指標。同業他社と比較する際に使われ、低いほど割安と判断します。この数値が1倍を下回る企業に対し、東証は「1倍を上回るよう頑張れ」と指令を出しています。 配当利回り 今期の予想配当金ベースの利回りで、高いほど配当妙味が高いと判定します。定義はありませんが、3%以上なら配当利回りが高いと認識されています。
(岡村 友哉)

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