中東情勢緊迫化からWTI原油先物は一時1バレル=119ドルに。日経平均は急落し、日本版恐怖指数といわれる日経VIは一時66まで上昇。

トランプ大統領の「戦争ほぼ終了」の発言を受けて、原油先物は1バレル=81ドル台に急落。過去の経験則では「恐怖のピーク」が日本株の買い場でした。割安な日本株に少しずつ投資を再開して良いと思われます。


日経平均さらに急落、イラン戦争長期化の不安、恐怖のピークはい...の画像はこちら >>
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中東危機を受けて日経平均急落

 3月9日の日経平均株価は、前週末比2,892円(5.2%)安の5万2,728円と、先週に続き急落しました。米国のイラン攻撃の緊張が激化し、原油価格急騰を受けて、世界景気悪化とインフレが同時に懸念される事態となったことを嫌気して、外国人と見られる売りが続きました。日経平均は「高市ラリー第二弾」の上昇分をほぼ帳消しにした形です。


<日経平均週足:2025年1月6日~2026年3月9日>
<WTI原油先物(期近):2022年1月3日~2026年3月9日(日本時間夕方まで)>

 中東危機が長期化する懸念が強まったことで、金融市場で「恐怖指数」と呼ばれる指数が急上昇しました。日本版恐怖指数ともいわれる日経VI(ボラティリティー・インデックス)【注】の動きを見てみましょう。


【注】日経VI
 日経平均オプションのIV(インプライド・ボラティリティー)などを使って、日本経済新聞社が算出している指数。日本株式市場での投資家の恐怖(リスクへの警戒)がどれほど高まっているか計測して、指数化したもの。「日本版恐怖指数」といわれることがある。


<日経平均と日経VI(ボラティリティー・インデックス)週次推移:2024年4月1日~2026年3月9日>

 グラフをご覧いただくと分かるとおり、日経VIは平常時は24くらいの水準で推移していますが、日経平均が急落すると急上昇します。


 日経平均は2024年8月に「令和のブラックマンデー」といわれる急落がありました。

2025年4月には「トランプ関税ショック」による急落がありました。いずれも恐怖指数である日経VIが急騰しています。後から振り返ると、日経VIの急上昇局面は、日本株の良い買い場となっています。


 今また、日経VIが急上昇しています。3月9日には一時66.6まで上昇しました。過去の経験則では、そろそろ恐怖のピークに近いと考えられます。ということは、日本株は買い場が近いと考えて良いのでしょうか?


 私は、日本株の過熱感は解消され、現水準で長期的に良い買い場を迎えていると判断します。


 それでは、以下、日経VIの長期の動きを見てみましょう。


日経VIが40を超えるのはまれ、リーマンショックでは92まで上昇

 日経VIが、長期でどう推移してきたか、2007年以来のデータを見てみましょう。


<日経平均と日経VI、月次推移:2007年1月~2026年3月(2026年3月9日)>

 グラフをご覧いただくと分かるとおり、日経VIは、通常24前後で推移していますが、日経平均が急落すると上昇します。ただし、40を超えることはめったにありません。2007年以降で40を超えたのは、以下の通り、5回だけです。


【1】2008年のリーマンショック
【2】2020年のコロナショック
【3】2024年の令和のブラックマンデー
【4】2025年のトランプ関税ショック
【5】2026年の中東危機


 こうしてみると、2024年以降、日経VIの40超えが3回も集中しているのは、異常ともいえます。それだけ、日本および世界を揺るがす事態が、ひんぱんに起こるようになったということです。また、先物オプションなどデリバティブズ(派生商品)を使って暴れまわる投機的資金が大きくなったためともいえます。


 日経VIは3月9日に一時66まで上昇し、過去のピーク時に近い水準に達しているとの見方もできます。しかしピークに近いものの、リーマンショックや令和のブラックマンデーの際には80を超える水準まで上昇した事例もあります。


 日経VIがどこまで上昇したらピークアウトするか、日経平均が反発するか、経験則だけでは判断できません。


 とはいえ、日経VIがピークに近いところにいるとは言ってよいと思います。割安になった日本株を、ゆっくり少しずつ慎重に買っていってよいと思います。


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(窪田 真之)

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