中東危機で日経平均は2週続けて大幅安となりました。危機前に出ていた株の過熱感は解消され、長期投資の観点では日本株を買い増ししていきたいところです。
中東危機長期化の見通しから日経平均急落
先週(営業日3月9~13日)の日経平均株価は、1週間で1,801円下落して5万3,819円となりました。
イラン戦争・エネルギー危機が長期する見通しが広がったことを受け、2週間連続の大幅安となりました。
9日に、一時5万1,407円まで下がり、26週移動平均線(5万1,321円)に接近しましたが、そこからは急反発して、先週末に5万3,819円となりました。日経平均は、かろうじて13週移動平均線に留まっています。
<日経平均週足:2025年1月6日―2026年3月13日>
中東危機の先行きについて、情報が錯そうしています。トランプ大統領が「イラン戦争はほぼ終結」と発言した時には、原油先物が急落しましたが、イランがホルムズ海峡封鎖を強化するニュースが出ると、原油先物は反発しました。原油先物の乱高下につれて、日経平均も乱高下しています。
<WTI原油先物(期近):2022年1月3日―2026年3月13日>
ホルムズ海峡封鎖を続けるイランに対し、米国は、イラン原油の9割を積み出す輸出基地であるカーグ島を攻撃するという禁じ手に出ました。トランプ大統領は、カーグ島のあらゆる軍事目標を破壊したものの、石油インフラは狙わなかったと表明しています。
イラン原油の供給が途絶えると、主要な輸出先である中国での原油不足が深刻になり、さらなる原油高騰につながるリスクがあるので、慎重な対応が必要です。トランプ大統領は、イランがホルムズ海峡封鎖を続けるならば、石油インフラまで破壊する可能性を示唆しています。
これに対しイランは、湾岸産油国の米国関係の施設への報復攻撃をさらに強化すると表明しています。中東危機が長期化するか収束するか、まったく見通せない状況が続いています。
米国株がAI株への不安で下げ始めていることに注意
中東危機による株の下落率は、中東原油への依存度が高い東アジア諸国(日本・韓国・台湾)が高くなる一方、世界最大の産油国である米国株は相対的に下落率が少なく済んでいます。ただし、足元、下げが大きくなりつつあることに注意が必要です。
<米国S&P500指数の週足:2025年1月3日~2026年3月13日>
米国株には、別の不安があります。オープンAIやアンソロピック、メタ、グーグルが進める巨額のAI開発投資が充分な収益を生まず、過剰投資となっていないか不安視され始めています。これに伴い、AI関連株が値下がりしています。原油が上昇していることは、米国にとってマイナスは大きくないものの、米利下げ見通しが低下したことを通じて、米ハイテク株安につながっている面もあります。
日米の景況は良好だがショック安は終っていないと思われる
中東危機および米ハイテク株安の先行きが見通せない間は、日米ともに株の上値は重いと思われます。足元の日米景気・企業業績は堅調ですが、しばらく下値不安が続くことを意識し、株の買い増しは少しずつ、ゆっくり、慎重に行っていくべきと思います。
<米国ISM景況指数:2021年1月―2026年2月>
<日銀短観・大企業DI:2020年3月―2025年12月>
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(窪田 真之)

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