4月入りした先週の日本株、不透明な中東情勢を背景に、急落・急反発を見せる慌ただしい展開となりました。日経平均は「高値から10%安」で底打ち感も出始めたものの、強気サインとしては弱さもあります。
先週の日本株:急落後に急反発、方向感定まらない値動き
「月またぎ」で4月相場入りした先週の日経平均株価ですが、週末4月3日(金)は5万3,123円で取引を終えました。
前週末終値(5万3,373円)からは250円安と、週間ベースで小幅安となりましたが、週間の値動きは前週に続いて大きなものとなりました。
<図1>日経平均の5分足チャート(2026年3月30日~4月3日)
図1は先週1週間の値動きを5分足チャートで示したものです。
週初の3月30日(月)の日経平均は、「米国がイランでの地上作戦を準備している」等の報道をきっかけに、中東情勢への警戒感が高まり、急落して始まりました。翌31日(火)には5万0,558円まで株価水準を切り下げるなど、軟調な推移が目立っていました。
ところが、4月を迎えた1日(水)の取引では、トランプ米大統領の発言をはじめ、米国とイランの戦闘終結に向けた動きに関する報道が相次いだことを受けて急反発。この日は歴代4位の上昇幅(2,675円)を見せるなど、相場のムードが一転したような印象となりました。
とはいえ、中東情勢をめぐる不透明感は払拭できず、続く2日(木)の取引開始直後に5万4,258円の週間高値をつけて以降は伸び悩みを見せています。週末の3日(金)も、前週末終値の株価水準を意識したもみ合いを維持しながら週間の取引を終えた様子がチャートから確認できます。
結局、「相場の方向感が定まりにくい中、値動きだけは大きい」展開が先週も続いたことになります。
日足チャートから読み取れる「迷い」の意識
続いて、こうした先週の値動きを日足チャートに落とし込んで見ていくと、どんな相場の状況が読み取れるのでしょうか?
<図2>日経平均(日足)とMACDの動き(2026年4月3日時点)
図2は日経平均の日足チャートの下段にMACDを記したものです。
先週の株価は、5分足チャートでも確認したように「急落からの急反発」でしたが、日足チャートでは、3カ月間の値動きの中心線である75日移動平均線からの下方乖離と、その修正の値動きであったことが分かります。
それと同時に、株価の上値は25日移動平均線、もしくは直近高値(2月26日の5万9,332円)からの10%安の株価水準(5万3,398円)あたりで抑えられている様子もうかがえます。
一般的に、高値からの10%安は、調整局面入りの判断材料とされるため、「本格的な調整局面入りを何とか回避した」状況と見ることもできそうです。また、下段のMACDを見ると、下向きだったMACDが反転しつつあり、目先の底打ち感の可能性も出てきています。
実際に、東証株価指数(TOPIX)の日足チャートを見ても、図2の日経平均と似たような値動きの印象を受けます。しかし、先週の下値が高値から10%安の株価水準がサポートとなっていることや、75日移動平均線を上回っていること、そして、下段のMACDがシグナルを上抜けるクロスが出現しているなど、日経平均よりも「目先の底打ち感」が強い状況となっています(図3)。
<図3>TOPIX(日足)とMACDの動き(2026年4月3日時点)
日経平均とTOPIXがこのまま株価の反発基調を維持できるかは、株価が25日移動平均線を上抜けできるかがカギになります。
図2と図3の両方で、25日移動平均線が75日移動平均を下抜ける「デッド・クロス」が出現しそうな状況となっていますが、前回のレポートでも指摘したように、移動平均線の計算上、これから計算に加わる株価が計算から抜けて行く株価よりも高ければ移動平均線の傾きは上を向くことになります。
▼前回のレポート
2026年3月30日: 日本株急落!4月相場は正念場:イラン情勢と「200日線」への時間軸修正リスク
今週末10日(金)から遡って25日前のローソク足の箇所を図に矢印で示していますが、今週末時点の株価が、25日前の株価(日経平均5万5,278円、TOPIXが3,702p)を上回っていれば、移動平均線の傾きが上向きとなります。これにより、「デッド・クロス」を回避、もしくは早期回復が見込めることになります。
このように、日足チャートからは、調整局面入りとされる「高値から10%安」が意識される中、さらなる下落警戒と共に、目先の底打ち期待も残っているという、弱気と強気が入り混じる「迷い」が生じている状況と考えられます。
信用残から見る相場のムードの変化
となると、「結局はイランをめぐる中東情勢の動向に振り回されやすい相場地合いが続きそう」ということになりますが、中東情勢が緊迫してから1カ月という時間が経過する中で、投資家の心理に変化が現れているのかどうかをチェックする必要があります。
そこで、注目したいのが信用取引残高です。
<図4>信用買い残高の推移(2市場、制度・一般合計)(2026年3月27日時点)
図4は、東京証券取引所が公表する「信用取引残高」における、買い残高と日経平均の推移を示したものです。
信用取引残高は原則として、前週末時点の信用取引残高の状況が、翌週の第2営業日夕方(16時ごろ)に公表されます。
つまり、先週31日(火)に公表されたデータは前週末27日(金)時点のものとなりますが、この時点での買い残高は5兆4,419億円で、前回公表時から3,600億円ほど減少しています。
買い残高の規模は過去のピーク(2006年2月10日週の5兆9,836億円)に近い高水準であることが図4からも読み取れますが、投資家心理を探るため、もう少し詳しく見ていきます。
<図5>信用取引の状況比較
図5では、信用取引における、「買い残高」と「売り残高」、両者を合計した「残高規模」、買い残÷売り残のバランスを示した「信用倍率」、そして「信用評価損益」の状況を、過去と比較したものです。
2026年相場が始まって3カ月が経過し、2025年末から信用取引は活発に推移しています。例えば、残高規模は昨年末の5兆9,420億円から、1月末6兆2,683億円、2月末6兆5,439億円、そして直近3月27日時点6兆9,839億円と、増加傾向が続き、昨年末から約1兆円増加しています。
この3カ月間、信用取引が活発だったことは明らかです。しかし、減少傾向にあった売り残高が足元で1兆5,420億円まで増えていることや、2月末にマイナス0.13%のところまで改善していた評価損益率が直近でマイナス6.09%まで悪化していることを踏まえると、単純な買い残高の推移からは読み取れない「投資家心理の変化」が感じ取れます。
つまり、日経平均がピークをつけた2月末では、日本株買いという「上昇トレンドを意識した取引」が活発で、それに伴って信用倍率が上昇したり、評価損益率も改善したりしていました。
それが、3月に入ると、不透明な中東情勢を受けて、株価変動が激化。「(株価の)振れ幅を意識した取引」が活発となり、売り残の増加や評価損益率の悪化が目立ち始めてきたと考えられ、活発だった信用取引の中身が3月に入って変化している可能性が高いと言えそうです。
そのため、4月1日の日経平均が歴代4番目の上昇幅をみせたのは、強気の見方が増えたというよりも、「当面の株価は下落していくだろう」として増え始めていた売り方が慌てて買い戻しを入れて、株価上昇に拍車を掛けた面もありそうです。
少なくとも、2月末までと3月以降とでは様子が異なってきていると思われ、今週7日(火)に公表される3日(金)時点の信用取引残高の状況の変化を引き続きチェックする必要がありそうです。
今週は「材料」を消化しつつ、株価水準を探る展開か?
このほか、今週の株式市場は、先週末に公表された米3月雇用統計の結果を織り込む格好でスタート。その後も、国内の景気ウォッチャー調査をはじめ、米国と中国の消費者物価指数(CPI)など、3月分の経済指標が公表される予定となっており、イラン情勢の影響が出始めるか否かが注目されます。
そのイラン情勢については、政治的な発言と軍の動きが一致していないことによって「実際のところはよく分からない」状況が続き、反発基調と一段安のどちらに転んでもおかしくない不安定な値動きが続いています。
そのため、今週も経済指標の動向を消化しつつ、不安定な相場地合いが継続することが見込まれます。さらに、週末10日(金)には、国内株価指数先物のmini先物取引およびオプション取引のSQが控えているため、需給の思惑も重なる中で、「落ち着きどころのよい株価水準」を探っていく展開となりそうです。
<図6>日経平均(日足)の動き(2026年4月3日時点)
では、落ち着きどころのよい株価水準の目安はどのあたりになるのでしょうか?
下値水準の目安については、前回のレポートから変化はなく、図6における(2)の範囲内、とりわけ5万円の攻防が目先では強く意識されそうです。
反対に、先ほども見てきたように、株価が25日移動平均線を上抜け、反発基調を強めていった場合には、2月26日の高値をつける前にもみ合っていた株価水準(5万6,700円)が意識されそうです。
この水準は、もみ合いの際にサポート(支持)となっていましたが、ここを突破できないと、今度は抵抗(レジスタンス)として機能する可能性があるため、注目されやすい株価水準となります。
(土信田 雅之)

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