年初から世界情勢は揺れ動き、個人の資産運用もここ数年の株式上昇相場とは違う様子をみせています。不安定な時ほど株式投資にチャンスも生まれますが、投資の分散を考慮するなら債券への投資も考えたいものです。
お悩み
まとまった資金が入ってきたが、何で運用したらいいのだろう?
鈴木 悟さん(仮名)・会社員・60歳男性(既婚、妻は専業主婦、子ども2人は独立済)
鈴木さんは一人っ子で自分の子どもも独立していて、今は妻と二人暮らしをしていました。つい先日親の相続でまとまった資金を受け継いだこともあり、健康で体力があるうちに早期退職をして退職金と合わせた資金で老後はのんびり過ごしたいと思うようになりました。
これまでお金や投資のことについてはファイナンシャルプランナー(FP)と相談しながら対応していて、NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や生命保険などについて悩みを相談して信頼していたので、今回の大きな資金をどう運用したらいいのかも相談することにしました。
しかし、これまではNISAを利用した積立投資などで株式インデックス運用を丁寧に説明してくれていたFPの方に、「金額が大きくなるし、運用資金を生活費にすることを考えているなら債券投資がおすすめ。だけど、具体的な提案だとFPでは銘柄選定もできないので、金融機関へ聞いてみた方がいい」と提案されました。
これまでは長年の付き合いがあるFPからの提案だったので安心して投資をすることができましたが、いきなり他で相談となると不安になってきました。とはいえ、まずは勧められた通りに金融機関へ相談してみるつもりでいます。
鈴木さんが債券投資でうまく運用をしていくためにはどうしたらいいのでしょうか?
債券投資の三大リスクはうまく活用するべし
債券投資の主なリスクといえば、資金調達のために債券を発行する発行体の「信用リスク」、市場金利の変化によって債券価格が動く「価格変動リスク」に、外貨建て債券の場合は為替が円高・円安に動くことによる「為替変動リスク」があります。
こうしたリスクは回避するという目線で考えるだけではなく、許容して生かすことも考慮した方が収益性を高めることができます。安定的な運用を基本とした債券投資において収益を追い求めすぎることは本末転倒になりかねませんが、安全性ばかりを重視しては利益を逃してしまうことになってしまいます。
そこで今回は、債券投資でうまくリスクを活用して運用成果を良くするためのポイントをお伝えしたいと思います。
債券投資をする時のポイント1:「信用リスク」を生かして利回りアップ
「リスクをとる」と聞くとなんとなくハイリスク・ハイリターンを狙っているように考えてしまうかもしれませんが、そもそも投資は適切なリスクを取りつつリターンを狙うものです。
それは債券投資の信用リスクについても同様で、投資目的や投資への考え方次第で国債のように信用リスクが極めて低いといわれる債券や世界的大企業の高格付けの社債へ投資する方もいれば、低格付けであるハイイールド債に投資をする方もいます。
ただそこまで両極端でなくても、投資適格と呼ばれる範囲でもやや格付けの高い銘柄や、やや低めの銘柄も数多くあり、自分にとって許容できる範囲での債券銘柄を選ぶことで利回りの向上も十分狙えます。
特に決算発表で会社の業績が悪化したり、設備投資など財務的な負担が増えたりした時などは信用リスクが増加して債券の利回りも上昇する可能性が高いです。これは株式投資とは違う投資目線ですが、債券満期までの会社の支払い能力に問題がないと判断できるなら良い投資となるでしょう。
ポイントその2:「価格変動リスク」は残存期間の調整で対応する
債券価格も日々変動していますが、いくつかの要素のうち市場金利の変動による価格変動が主な要因です。ほとんどの債券は固定利付債券なので、金利が上昇すると債券価格は下落し、逆に金利が下落すると債券価格は上昇します。
こうした債券の金利変動に対する価格感応度を示す値を「デュレーション(単位:年)」といい、債券投資においてよく用いられる投資指標です。さらにデュレーションを「(1+最終利回り)」で割ることで、利回りが1%変動するときにどのくらい変動するかを表した修正デュレーションという指標があります。
修正デュレーション5年の債券なら最終利回りがプラスマイナス1%変動すると、債券価格はプラスマイナス5%変動すると想定されます。多くの場合は残存年数と修正デュレーションは比較的近い数値になるので、残存年数が長くなればなるほど価格変動リスクも大きくなることが分かります。
上場投資信託(ETF)や投資信託に投資する場合は、平均利回りだけでなく修正デュレーションの確認も必須です。また個別銘柄の債券の場合は、満期には保有中の価格変動に関係なく、償還価格は原則100円(100%)になり、満期に返ってくる金額が分かっていることにも着目し、債券投資の戦略を考えることが重要になります。
ポイントその3:債券の利息をどう生かすのか?
債券で利益を得る場合には主に定期的にでてくる利息になります。利率に合わせた利息が年2回に分けてでてくることが一般的ですが、この利息をどうするかは人によってさまざまです。個別銘柄の債券を投資した事例でお話をします。
例えば外貨建て債券の場合、まず利息を外貨のまま受け取るのか、円貨で受け取るのかを選ぶことになります。
また受け取り方法が円貨の場合には利息を使って生活資金や交際費に使っていくこともあれば、NISAや他の商品で運用することもありますし、外貨で受け取るなら基本的には外貨マネー・マーケット・ファンド(MMF)や海外ETFで運用することが良いでしょう。
債券の利息は投資する前から満期まで受け取れる金額が計算できるので、利息をどうするのかは事前に考えておく必要があります。債券は途中売却前提で長期債を買い付けする方もいますが、基本は満期保有で考えるべきで、途中売却前提ならETFの利用も検討することが重要になります。同じ債券投資でも投資目的に合った商品選定をしていきましょう。
投資はリスクとうまく付き合うことで資産を増やす
投資に慣れていない人ほどできるだけ投資資産の値動きを抑えるような運用を考えがちですが、そうした「リスク」と投資のリターンは表裏一体です。リスクを避ければ避けるほど投資対象は限定され、期待できるリターンは減少していきます。
リスクを取れない資金であれば無理に運用する必要はありませんし、運用に慣れていないならまずは金額を少なめにして始めてみると良いかもしれません。私の経験上だと、投資を始める前までに入念に準備する方ほど、投資を始めてからも値動きに翻弄(ほんろう)されがちです。
毎年何かしらの大きな出来事が日本や世界で起きており、相場もいろんな理由で変動しています。そうした変化に慣れるためにも、投資経験や知識を得ることで自らの判断力を身につけることができるでしょう。
【動画で解説!】
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(西崎努)

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