トランプ発言で日経平均が急落・急騰。これまで何度も見てきたことが繰り返されています。

去年は高率の関税を「発動する・延期する」と、トランプ氏の発言が変わるたびに世界中の株が乱高下しました。今年はイランとの駆け引きが乱高下につながっています。
 日本株は割安と評価しますが、買い増しは少しずつゆっくり慎重に行うべきと思います。


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トランプ発言によって先週の日経平均は急落後に急反発

 先週(営業日3月23~27日)の日経平均株価は、1週間でほぼ横ばい(約1円の上昇)で、5万3,373円となりました。


 トランプ大統領が「イランが48時間以内に停戦に応じない場合は発電所を攻撃する」と述べたことを受けて一時5万1,515円まで下落する場面がありましたが、その後「停戦に向けた話し合いが順調に進んでいるので攻撃を延期する」と表明したことを受けて、反発しました。


 トランプ大統領の発言によって乱高下した1週間でした。


<日経平均週足:2025年1月6日~2026年3月27日>
日本株はいつ買うべきか?中東情勢が再び緊迫化。米AI株の下げも続く(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

【1】3月22日「48時間以内にホルムズ海峡を完全に開放しない場合、発電所を攻撃し、壊滅させる」と発言、これを受けて3月23日の日経平均は急落しました。


【2】3月23日「イランと生産的な対話が行われているので、発電所への攻撃を5日間延期する」と表明。これを受けて、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は一時1バレル85ドル台まで急落。3月24・25日の日経平均は反発。ただし、この報道に対して、イラン側は、「米国との間で一切の対話は行われていない」と表明。


【3】3月26日「イランの発電所への攻撃を猶予する期限を来月6日まで10日間、延期する」とトランプ大統領がSNSで表明。


中東情勢は再び緊迫化

 いったん沈静化したと思われた中東情勢が、先週末に再び緊迫化しました。3月27日(金)、イスラエル軍がイランの核関連施設や製鉄所、発電所などを攻撃しました。


 これを受けて、イランの革命防衛隊は、米国イスラエルと関係する中東地域の工業拠点への報復を表明しました。イランのアラグチ外相は、トランプ大統領が外交のために延期した期限とイスラエル軍の攻撃が矛盾すると非難しました。


 早期の戦闘終結と原油価格の鎮静化をはかりたいトランプ大統領と、イランの軍事産業の弱体化をはかりたいイスラエルの思惑が一致していないと思われます。


 中東情勢が再び緊迫化したため、27日にWTI原油先物は再び1バレル100ドル近辺に上昇しました。これを受けて、今週の日経平均は急落して始まる見込みです。


<WTI原油先物(期近):2025年末~2026年3月27日>
日本株はいつ買うべきか?中東情勢が再び緊迫化。米AI株の下げも続く(窪田真之)
出所:QUICKより作成

米国株がAI株への不安で下げ始めていることに注意

 中東危機によって日本株が乱高下していますが、今起こっている株安は、中東危機だけが要因ではないことに注意が必要です。米国ハイテク株の不安、米国ノンバンク株の不安が重なる複合ショックとなっています。


日本株はいつ買うべきか?中東情勢が再び緊迫化。米AI株の下げも続く(窪田真之)
出所:各種資料より楽天証券経済研究所作成

 中東危機による株の下落率は、中東原油への依存度が高い東アジア諸国(日本、韓国、台湾)が高くなる一方、世界最大の産油国である米国株は相対的に下落率が少なく済んでいます。ただし、足元、下げが大きくなりつつあることに注意が必要です。


<米国ナスダック総合指数の週足:2025年1月3日~2026年3月27日>
日本株はいつ買うべきか?中東情勢が再び緊迫化。米AI株の下げも続く(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

 米国株には、別の不安があります。オープンAI、アンソロピック、グーグル( GOOGL 、 GOOG )、 メタ・プラットフォームズ(META) が進める巨額のAI開発投資が十分な収益を生まず、過剰投資となっていないか不安視されています。


 これに伴い、AI関連株が値下がりしています。原油価格が上昇していることは、米国にとってマイナスは大きくないものの、米利下げ見通しが低下したことを通じて、米ハイテク株安につながっている面もあります。


日本株の投資方針

 結論はいつも述べていることと変わりません。日本株は割安で長期的な上昇余地は大きいと考えています。ただし、ショック安によって日経平均が2~3割下がることはよくあります。


 今、中東危機および米ハイテク株安によって、先行き不安が高まり、日経平均が急落したところです。


 日本株は長期的には良い買い場と思いますが、短期的には下値模索が続く可能性もあります。いつ、どこで大底をつけるかは誰にも分かりません。株の買い増しは少しずつ、ゆっくり、慎重に行っていくべきと思います。


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