3月の市場はイラン情勢と原油相場に振り回された印象だ。そんな中、BTCは底堅さを見せているが、一方で上値も重い展開が続いている。

イラン情勢に動きが見られる中、4月のBTC相場はどうなるか? 楽天ウォレット・シニアアナリスト:松田康生、通称MATT(マット)が、今後の方向性を分析する。


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4月BTC、底固め完了か?6万ドル攻防戦と4.9万ドルの最終防衛線~ビットコイン相場4月見通し
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3月のビットコイン相場~

4月BTC、底固め完了か?6万ドル攻防戦と4.9万ドルの最終防衛線~ビットコイン相場4月見通し
出典:TradingViewより楽天ウォレット作成

3月のBTC市場

 3月のビットコイン相場は底堅い展開となった。


 2月末のイラン攻撃開始時に6.3万ドルで切り返すと、7.6万ドルまで反発した。その後はイラン情勢への楽観論と悲観論が交錯する中、原油価格を見ながら一進一退の展開が続いた。


 イラン攻撃直後でもBTCが意外と売られなかった、との見方から、月初は底堅い動きとなった。ホルムズ海峡通過に際し、民間に代わって米国が保険を提供し、米艦が護衛するというアイデアが出ると、BTCは7.4万ドル近くまで反発した。


 しかし、ペルシャ湾内でタンカー攻撃が複数発生し、海峡が事実上の閉鎖状態となった。また、周辺国の被害についてイラン大統領が謝罪した直後に撤回したことや、モジタバ師が最高指導者に選出されたことで強硬派が主導権を握ったと認識され、原油価格が116ドルに急騰。BTCは6.5万ドル台まで値を落とした。


 それ以降は原油価格との連動を強め、米政権が早期終息に自信を見せ、国際エネルギー機関(IEA)を中心に備蓄原油の放出が決まったことで、原油価格が一時、1バレル=80ドル台まで低下する中、BTCは7.6万ドルまで値を伸ばした。


 イランの報復攻撃は徐々に下火となった一方、ホルムズ海峡の実効支配は強まったため、原油価格は高止まりし、BTC市場の重しとなった。


 特に、2月28日の攻撃開始、3月8日のモジタバ師選出、13日のカーグ島攻撃、22日の48時間期限、29日のフーシ派参戦と、週末ごとにリスクイベントが発生しては週明けの原油相場が急騰し、リスクオフでBTCが失速、その後週を通して戻すという展開が続いた。


 トランプ大統領は「ホルムズ海峡封鎖を解かなければ48時間以内にイラン国内の発電インフラなどを攻撃する」とし、期限を5日間、10日間と延長していた。

しかし30日、キャロライン・レビット米ホワイトハウス報道官が「米国の核心目標はイラン海軍、ミサイル、核開発能力の破壊であり、ホルムズ海峡再開は努力目標に過ぎない」と発言。


 トランプ大統領も「(ホルムズ海峡経由で)燃料が欲しい国は自分で取りに行けばいい」と、海峡封鎖したままの終戦を示唆した。これに対しイラン大統領も「再攻撃防止などが保証されるなら終戦の用意がある」と応じ、一気に終戦機運が高まり、BTCは6.9万ドル台まで値を戻している。


BTC/米ドル
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意外と底堅かった理由

 今回のイラン攻撃で、ビットコイン(BTC)は意外と底堅い動きだったことが指摘されている。攻撃があった2月28日との比較では、BTCは+7%の上昇となったのに対し、S&P500種指数(S&P500)はマイナス4%、金(GOLD)はマイナス11%の下落となった。ただし、これを受けてBTCが「安全資産」として評価されたとするのは時期尚早だ。


BTC/USD
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 これは、BTCが戦争などのリスクイベントに対して弱いという性質が、構造的なものだからだ。


 BTCは、プロの機関投資家のポートフォリオに、一部組み入れられるようになってきたことは知られているが、こうした投資家のリスク管理はVaR(Value at Risk)と呼ばれるリスク量で測られている。リスク量とは「もうかるかもしれないが、損をするかもしれない額」のことで、だいたい過去2年間の実績データから算出される。


 為替で例えると、一昔前はさまざまな通貨ペアをドル換算してポジション量を計算していたが、ドル円とトルコリラ円では値動きの大きさが大きく異なるため、現在は変動率に合わせてリスク量を計算するようになっている。


 そして戦争といった究極のリスクイベントが発生すると、上層部から「リスク量を減らせ」という指令が出る。どの資産を減らすかはファンドマネージャーに任されるケースが多いが、その場合、変動率が高い資産を優先的に売却するのが最も手っ取り早い手法となる。そのため、どうしてもBTCは真っ先に売られやすい構造になっている。


BTCUSD/XAU(ゴールド)USD
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 では、なぜ今回このような動きになったのかと言えば、それまでに上場投資信託(ETF)市場で金買い・BTC売りのポジションがかなり積み上がっていたため、その巻き戻しが入ったのが実態だろう。例えば、BlackRockの金ETFの資金フローは1、2月が+9億ドルだったのに対し、3月はマイナス38億ドルと大幅な流出となった。


 一方、同社のBTC ETFは1、2月がマイナス4億ドルの流出だったのに対し、3月は+13億ドルの流入に転じている。リスクイベントが発生したことで、利が乗っていた金ETFを換金売りした格好であり、


 逆にBTCは割安感から押し目買いが入ってきたという見方もできる。


ボトムが近いとの見方

 また先月ご紹介したように、BTCは最悪の事態が発生した時にボトムアウト(底打ち)する傾向がある。今回のイラン攻撃とホルムズ海峡封鎖がそれに該当するとみて、底を拾う動きが出ている可能性がある。実際、ETFフローはイラン攻撃後、プラスに転じている。また、今回の攻撃とは関係なく、「そろそろ底が近い」との見方が市場で増え始めている。


BTC/USD(2015年1月ボトム)
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BTC/USD(2018年12月ボトム)
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BTC/USD(2022年11月ボトム)
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4月の見通し:引き続き底値固め

終戦機運高まる

 ここにきてイラン情勢は急展開し始めた。ホルムズ海峡封鎖の解除を条件としなければ、米国が攻撃をやめた場合、戦争は事実上終わることになり、あとは双方のメンツをどう立てるか、そしてイスラエルの暴発をどう防ぐかという段階に進むことになる。


 こうした動きを受けて、市場は一気にリスクオンに傾いた。日経平均株価は史上4番目となる大幅上昇を見せ、ダウ工業株30種平均(NYダウ)も昨年5月以来の上昇を記録した。


 その割にBTCの上昇は鈍い。早期解決期待と原油上昇の一服を受けて3月半ばに7.6万ドルを付けたにもかかわらず、終戦が現実味を帯びてきた今も、BTCの戻りは6.9万ドル止まりとなっている。

この理由として、以下の3点が挙げられる。


1.原油価格が下がり切っていないこと


 ホルムズ海峡をイランが実効支配したままの終戦となる可能性が高く、原油価格低下の不透明感が残っている。


2.テクニカル要因


 一目均衡表の雲の下限が強いレジスタンスとして機能しており、下降フラッグ完成後も上値が抑えられている。8万ドルでの底固めに失敗した1月の展開に酷似している。


BTC/USD(日足) 
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3.イラン情勢以外の材料が必ずしもポジティブではないこと


 原油高によるインフレ懸念から、先物市場における米政策金利の織り込みが一時、年内利上げに傾いた。グラフは今年9月の政策金利先物で、現水準(3.5~3.75%)を意味する96.375を一時下回った。


 ただし、パウエル議長が講演で「原油価格の上昇はインフレと同時に景気悪化要因にもなる」と指摘したことで、市場は利下げ期待を再び織り込み、金利先物は利下げ圏に値を戻している。


米政策金利先物(9月渡 例:金利5%=95)
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CLARITY法案の行方

 CLARITY法案(デジタル資産の規制を明確化し、SECとCFTCの管轄を整理することを目的とした米国の法案)の成立に暗雲が立ち込めている。同法は連邦レベルで暗号資産の定義と所管を明確化するもので、昨年下院を通過した後、上院での可決が待たれていた。


 すでに成立済みのGENIUS法(金融の安定性と消費者保護を目的とした、米国におけるステーブルコインの発行・運営を包括的に規制する連邦法)では、発行体によるステーブルコインへの付利は禁止されているが、カストディ業者(主に暗号資産の管理や保管を専門とした資産管理業者)による付利(利息)は未規定となっている。


 この点で、付利に反対する銀行業界と、推進したい暗号資産業界の間で対立が続いていた。


 議会は「カストディ業者による単なる保有への付利・報酬は禁止し、ユーザーの活動に基づく報酬は許可する」という妥協案を示したが、米国のサンフランシスコに本社を置く世界最大級の仮想通貨取引所「Coinbase」がこれに強く反対したことで、法案は暗礁に乗り上げている。これにより中間選挙前の成立が危ぶまれ、廃案の可能性も浮上した。


 ただし、業界内では必ずしもCoinbaseの反対に同調する声が多いわけではなく、「規制の明確化を優先すべき」との意見も出ている。


量子脅威

 今のところ市場への影響は限定的だが、量子脅威についての懸念も相場の重しとなっているとの指摘もある。量子脅威はずいぶん前からいわれていることで、相場の材料とはなりにくいという認識が一般的だ。しかし、ちょうどGoogleが量子コンピュータの開発が進展しており、2029年ごろには差し迫った脅威となり得ると警告したことが、改めて話題となっている。


 量子コンピュータにより暗号技術が解読される問題は、さまざまな分野に共通する課題であり、解決策も存在する。ただし、管理者が存在しないBTCの場合、合意形成が容易ではなく、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)と比べ対応が遅れている。


 とはいえ、先行しているETHやSOLがそれを理由にBTCをアウトパフォームしているという状況は、現時点では見られていない。


アノマリー

BTC/USD 月別騰落率
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出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 ちなみに、アノマリーはポジティブだ。3月のBTC相場はわずかながら陽線で引け、5カ月連続の陰線から脱却した。過去3回の「5カ月以上陰線が続いたケース」では、いずれもその後2カ月連続で陽線を記録している。また、4月は2月に次いでBTCが強い傾向がある月だ。


4月見通し

 4月のBTC市場は、引き続き底値圏でのもみ合い推移を予想する。


 BTCが4年サイクルでの底をつけた場合、反発するまで数カ月を要する傾向がある。冷え切った投資家マインドが回復するのに少し時間がかかるとも言えるし、底値を拾う投資家がある程度増えて、その累積効果で相場が反発するとも言える。


 まだテクニカル的には心もとなく、6万ドルで底を付けたとは断言できないが、下抜けたとしても4.9万ドル近辺までという見方が強まっており、もう底は近いという投資家が増えてきた印象だ。


 材料面で言えば、イラン問題は予断を許さないものの最悪期は過ぎた印象だが、金融政策やCLARITY法案の審議など、それ以外の材料が必ずしも追い風ではなく、上昇・反発局面に転じるにはパンチ不足だ。一方で、BNPパリバがBTCとETHのETN販売を開始したほか、モルガン・スタンレーもBTC ETFを間もなくローンチする予定だ。


 売り圧力は後退し、最悪期は過ぎたものの、上昇局面に移行するにはもう少し時間がかかるイメージだ。


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今月のMATTメモ

 


 


 


 月間の平均歩数が1万歩を超えました。


 昨年11月に、ある医者から「自分も週2回、下北沢から経堂まで歩いている」と勧められ、お正月に医者をしているいとこから「最近の研究では、1日1,000歩違うだけで健康効果が変わる」と諭され、重い腰を上げて徐々に歩数を増やし、3月になってようやく達成しました。


 休みの日は比較的容易に1万歩を稼げますが、平日はかなり大変です。オフィスがある青山一丁目から渋谷まで歩いても4,000歩、新橋でも6,000歩、神田まで歩いてようやく1万歩に到達します。


 逆に、気づかないうちに歩数が稼げるのが観光、ゴルフ、買い物です。レイクタウンに行けば、買い物を楽しんでいるうちに気づいたら1万歩に達しています。要は「健康のために歩かなくてはいけない」と目的化すると辛いのですが、他に目的があると意外と苦になりません。


4月BTC、底固め完了か?6万ドル攻防戦と4.9万ドルの最終防衛線~ビットコイン相場4月見通し
歩数(1日の平均)

 BTCもさえない展開が続き、毎日相場を見ていると疲れてしまいそうになります。そんな時は、日々の値動きから少し目を離して、他の楽しいことに目を向けてみるのも一案です。

例えば、毎月決まった金額だけ積み立てて、「何BTCたまったか」に注目すると、将来が楽しみになってきます。


 とはいうものの、楽天ウォレットでは毎日市況を記事やYouTubeで発信していますので、そちらだけはぜひ見てくださいね。


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(松田 康生)

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