「魚雷艇ごとアルプスを越えろ」どうやって? イタリア海軍の大遠征 最後はフィンランドへ

「魚雷艇ごとアルプスを越えろ」どうやって? イタリア海軍の大遠征 最後はフィンランドへ

第2次世界大戦中、陸路でアルプスを越えた船がありました。これはイタリアで開発されたM.A.S.魚雷艇で、同盟国の求めに応じてホームグラウンドの地中海を飛び出し、黒海、さらにはフィンランドのラドガ湖まで行き、戦っています。

イタリアの魚雷艇はプレジャーボートから発展

 紀元前218年、カルタゴのハンニバル将軍は象を連れてアルプスを越え、ローマ帝国に攻め入りました。それから2000年以上経った20世紀の中頃、それとは逆ルートで山を越えた船があります。それはさほど小さくもない、イタリアの魚雷艇でした。

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1942年8月にフィンランドのラドガ湖で「ビラ」級砲艦を沈めたM.A.S.「527」艇と整列した乗組員達(吉川和篤所蔵)。

 第1次世界大戦で登場した潜水艇や潜水艦に対して、イタリア海軍は魚雷や水雷攻撃を行う駆潜艇として小型艇を採用します。これは民間の大型高速プレジャーボートの製作経験を活かしたもので、その名称「Motobarca Armata SVAN(SVAN:ヴェネチア自動船舶会社製武装モーターボート)」を略して「M.A.S.艇」と呼ばれました。

 魚雷を搭載したM.A.S.艇は、敵艦船に対して素早い肉迫攻撃を加えると、すぐさま駿脚を活かして離脱する、新たな戦法を編み出します。結果、わずか排水量13トンほどの小型艇が、千数百倍の弩級戦艦を沈める殊勲まで飾りました。

 こうして第1世界大戦で実力を見せたM.A.S.艇は大戦後も進化し続け、それから約20年後に起きた第2次世界大戦でも、哨戒任務やヒットエンドラン攻撃などで数々の戦果を挙げたのです。


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2020年10月8日の社会記事

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