新型コロナをきっかけに国内で広まっているのが、移動の手段として飛行機に乗るのではなく、いわば「フライト自体」を目的としたチャーター便です。大手、後進航空会社、そして旅行会社も参画していますが、それぞれ工夫や強みが見られます。
新型コロナをきっかけにして増えつつあるのが、移動の手段として飛行機に乗るのではなく、いわば「フライト自体」を目的としたチャーター便です。
2020年8月、ANA(全日空)の総2階建てのA380型機「フライングホヌ」が成田発成田行きのチャーターフライトを実施して以来、各航空会社が工夫を凝らしたフライトをしています。
ANAのエアバスA380型機「フライングホヌ」チャーターフライトの様子(2020年8月22日、乗りものニュース編集部撮影)。
ANAでは、この「フライングホヌ」による遊覧チャーターフライトを9月にも開催し、今後も11月に実施する予定です。過去2回の倍率は100倍以上と、利用者からの需要も堅調といえるでしょう。この企画の発案は、「2020年6月に実施した乗客を乗せない試験フライトを見た利用者からの要望から」(ANA)としています。
また、ANAを傘下に持つANAホールディングスの片野坂真哉社長は、「有効な増収策として、今後も『フライングホヌ』によるチャーターは続けていきたい」と話しています。
一方JAL(日本航空)は、これに次ぐ形で9月末に成田発着の遊覧チャーターフライトを実施。緊急事態宣言下の「5月くらいから構想自体はあった」(JAL)ものの、日に日に変わる新型コロナの状況を見ながら企画が具体化されたとのことです。
初回の成田発着のものは、フライト時間6時間近くにも及ぶ「海外旅行さながらのボリューム感」が強みでした。当時の企画担当者は「今後も継続し、どんどんやってていきたい」とも。その後、担当者の意気込み通り、現在は成田以外にも、11月14日(土)に羽田発着、21日(土)に中部発着など、遊覧チャーターのネットワークを拡充。
こういった遊覧チャーターを実施している航空会社は、何も老舗だけとは限りません。
北九州を拠点とするスターフライヤーは、一風変わった遊覧チャーターフライトを企画。拠点である北九州空港発着で、夜間飛行しながら、その機内でプラネタリウムを上映するという試みです。初回は10月に実施されましたが、利用者からの要望が多かったことから、12月にも5日(土)、12日(土)の2回、追加での開催を予定しています。
JALが実施した「空たび 星空フライト」の様子(2020年9月26日、乗りものニュース編集部撮影)。
LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンでは、航空機チャーターを手掛けるACJ(エアチャータージャパン)とコラボ。成田空港発着の遊覧飛行をしつつ、その機内で子どもたちや学生にむけ、パイロットの講話や機内アナウンス体験といった場を設け、「空飛ぶ修学旅行」ともいえる航空教育の場として、チャーター便を使用する試みが実施されています。
また、いわゆる航空会社ではなく、旅行会社が提供する遊覧チャーターも、一風変わったものが見られます。
九州産交ツーリズムでは、熊本空港発着で2021年の元旦、ビジネスジェットをチャーターした、リッチさにあふれた遊覧飛行をする計画を発表。8席限定で、料金は税込み888万円です。専用車による自宅までの送迎付きで、機内ではCAがシャンパン、御節料理など、正月にちなんだ優雅なサービスを提供するといいます。

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